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51 女神ティスカ
─ソナタたちの願いを叶えよう─
ん?
─カミトには癒やしの呪を授けよう─
カミト?誰のこと?癒やし?
─モリトには守護の呪を授けよう─
モリト?意味がわからない。これは何?
─そして、久しく呼ばれなかった名を呼んでくれたソナタたちに魔祓いの呪を授けよう─
はっ!魔祓いのスキル取得イベント!これゾンビ系に役立つスキル!
まぁ、ドラゴンゾンビの発生はしないはずだから、いいか。死の島はこれがないときついけど···い、行かなければいい。
そして、私は顔を上げた。リアン、ごめん。魔祓いのスキルもらっちゃった。仲間には神官を入れてね。性格に問題があるけど。
雪のように白く淡い髪をなびかせ、冬の空の色を映したような白群の色の瞳。愁いを帯びたような、それでいて全てを慈しむような表情を私達に向けている女神が宙に浮いていた。
そして、春の雪のようにふわりと溶けて消えていった。
きっとあれが、冬の女神ティスカなのだろう。神をこの目で見ることになろうとは思わなかった。
隣に視線を向けると、上を見上げたまま固まっているジュウロウザがいた。ジュウロウザも女神の姿を見たのだろう。神なんて人前には顕れないものだから、驚いたのだろうね。
「キトウさん。瑞雪の間に行きましょう。そこには、体力が回復する不思議な水が流れ出ているはずです」
そう、ゲームでは正に命の水だった。HP1から回復したのに再びHP1になってしまったのだ。回復薬も足りず、ドジっ子聖女では回復しきれず、困り果てていたところに全回復できる水だ。とても助かった。
「あ、ああ」
なんだか心ここにあらずという感じのジュウロウザの背中を押し、広い空間の端にある扉に向って行った。
また、光る石に囲まれた廊下を進んで行く。その廊下の壁はいくつかの扉が見受けられたが、私が行きたいのは瑞雪の間だ。扉の上部に書かれているプレートを確認しながら進んでいく。ゲームの記憶では一番突き当りだったが、ここの神殿はあまり印象に残らず記憶も曖昧なので、一つ一つのプレートを確認していった。
やはり、廊下の突き当りだった。真っ白な扉に金色の扉の取手が取り付けてあった。その取手に手を掛け···
「モナ殿」
はいはい。私が先に入ると問題なんだよね。私は一歩さがり、放心状態から復活したジュウロウザが取手を手にかけ、白い扉を開ける。
その部屋の中は冬の庭だった。部屋の中心にある滾々と湧き出る泉の存在が一番に目を引く。そして、室内なのに深々と降る雪。泉から流れる小川は凍りつき、その横には柱と屋根だけがある小さな東屋がある。小さな冬の箱庭だ。だけど、寒さはない。雪も降っているが積もっていくわけではない。不思議な空間だった。
「ここにテントを張りましょう」
そう言って私は鞄から、エクスさんから貰ったテントを取り出す。まぁ、テントを張るといっても、ここなら固定をする必要もないし、置いて立体的に広げるだけだ。
だけど、騎獣も入るように2メル程の高さがあるので、ジュウロウザに任せ、私は泉の近くに寄る。小川の方は凍っているが、泉の水は凍っていない。
【女神ティスカの泉】
旅人を癒すための泉。全てのステータスが回復する。
ゲームと同じだ。少し、もらっていこう。私の場合はいつ瀕死になるかわからないからね。この前切った竹から水筒を作ってもらたので、それに入れよう。誰に作ってもらったかって?それはもちろんジュウロウザにだ。
竹筒を取り出して、栓を抜く。が、竹筒が私の手から抜き取られてしまった。
「はぁ」
斜め上からため息が聞こえた。視線を向けると困ったような顔をしているジュウロウザがいた。何か?
「ルード殿から目を離すなと言われたが、モナ殿にも困ったものだ」
なんだか残念な子を見るような目を向けないで欲しい。
「ちょっと、水を汲もうとしただけなのに?」
「泉に落ちても泳げるなら小言は言わないが、見た感じ底が見えないから泳げないとそのまま水底に沈んでしまうぞ」
私が泳げるか否か。以前の私なら服を着たまま水に入った時の体験教室に行ったこともあるし、ダイビングを勧められて講習も行って何度か海に潜ったことがあるから大丈夫と言えたが、このモナの体では泳げなかったのだ。
リアンに手を繋がれたまま川に飛び込まれ、足が付くはずの深さにもかかわらず、水の流れに足を取られ、流れに身を任せるという文字通りの姿になってしまったのだ。
「うっ。泳げない」
このカスステータスの体が憎い。何もさせて貰えないじゃい。
「はぁ」
また、ため息をいただきました。
「体力が回復する水とはこれの事か?」
私は頷いて答える。
「ばぁちゃんの薬は回数制限があるし、すごく眠くなるから、この泉の水をいくつか持っておけば、直ぐに体力の回復ができるのではと」
私がそう説明すると、ジュウロウザは手で泉の水を掬って口にした。ん?何かが引っかかる。泉を視る。
『旅人を癒すための泉。全てのステータスが回復する』
全てのステータスが回復·····ジュウロウザを視る。
「あー!!キトウさん駄目です!LUKまで回復してます!」
全てのステータスとはジュウロウザのLUK -1000000 も回復してしまう事だった。
ん?
─カミトには癒やしの呪を授けよう─
カミト?誰のこと?癒やし?
─モリトには守護の呪を授けよう─
モリト?意味がわからない。これは何?
─そして、久しく呼ばれなかった名を呼んでくれたソナタたちに魔祓いの呪を授けよう─
はっ!魔祓いのスキル取得イベント!これゾンビ系に役立つスキル!
まぁ、ドラゴンゾンビの発生はしないはずだから、いいか。死の島はこれがないときついけど···い、行かなければいい。
そして、私は顔を上げた。リアン、ごめん。魔祓いのスキルもらっちゃった。仲間には神官を入れてね。性格に問題があるけど。
雪のように白く淡い髪をなびかせ、冬の空の色を映したような白群の色の瞳。愁いを帯びたような、それでいて全てを慈しむような表情を私達に向けている女神が宙に浮いていた。
そして、春の雪のようにふわりと溶けて消えていった。
きっとあれが、冬の女神ティスカなのだろう。神をこの目で見ることになろうとは思わなかった。
隣に視線を向けると、上を見上げたまま固まっているジュウロウザがいた。ジュウロウザも女神の姿を見たのだろう。神なんて人前には顕れないものだから、驚いたのだろうね。
「キトウさん。瑞雪の間に行きましょう。そこには、体力が回復する不思議な水が流れ出ているはずです」
そう、ゲームでは正に命の水だった。HP1から回復したのに再びHP1になってしまったのだ。回復薬も足りず、ドジっ子聖女では回復しきれず、困り果てていたところに全回復できる水だ。とても助かった。
「あ、ああ」
なんだか心ここにあらずという感じのジュウロウザの背中を押し、広い空間の端にある扉に向って行った。
また、光る石に囲まれた廊下を進んで行く。その廊下の壁はいくつかの扉が見受けられたが、私が行きたいのは瑞雪の間だ。扉の上部に書かれているプレートを確認しながら進んでいく。ゲームの記憶では一番突き当りだったが、ここの神殿はあまり印象に残らず記憶も曖昧なので、一つ一つのプレートを確認していった。
やはり、廊下の突き当りだった。真っ白な扉に金色の扉の取手が取り付けてあった。その取手に手を掛け···
「モナ殿」
はいはい。私が先に入ると問題なんだよね。私は一歩さがり、放心状態から復活したジュウロウザが取手を手にかけ、白い扉を開ける。
その部屋の中は冬の庭だった。部屋の中心にある滾々と湧き出る泉の存在が一番に目を引く。そして、室内なのに深々と降る雪。泉から流れる小川は凍りつき、その横には柱と屋根だけがある小さな東屋がある。小さな冬の箱庭だ。だけど、寒さはない。雪も降っているが積もっていくわけではない。不思議な空間だった。
「ここにテントを張りましょう」
そう言って私は鞄から、エクスさんから貰ったテントを取り出す。まぁ、テントを張るといっても、ここなら固定をする必要もないし、置いて立体的に広げるだけだ。
だけど、騎獣も入るように2メル程の高さがあるので、ジュウロウザに任せ、私は泉の近くに寄る。小川の方は凍っているが、泉の水は凍っていない。
【女神ティスカの泉】
旅人を癒すための泉。全てのステータスが回復する。
ゲームと同じだ。少し、もらっていこう。私の場合はいつ瀕死になるかわからないからね。この前切った竹から水筒を作ってもらたので、それに入れよう。誰に作ってもらったかって?それはもちろんジュウロウザにだ。
竹筒を取り出して、栓を抜く。が、竹筒が私の手から抜き取られてしまった。
「はぁ」
斜め上からため息が聞こえた。視線を向けると困ったような顔をしているジュウロウザがいた。何か?
「ルード殿から目を離すなと言われたが、モナ殿にも困ったものだ」
なんだか残念な子を見るような目を向けないで欲しい。
「ちょっと、水を汲もうとしただけなのに?」
「泉に落ちても泳げるなら小言は言わないが、見た感じ底が見えないから泳げないとそのまま水底に沈んでしまうぞ」
私が泳げるか否か。以前の私なら服を着たまま水に入った時の体験教室に行ったこともあるし、ダイビングを勧められて講習も行って何度か海に潜ったことがあるから大丈夫と言えたが、このモナの体では泳げなかったのだ。
リアンに手を繋がれたまま川に飛び込まれ、足が付くはずの深さにもかかわらず、水の流れに足を取られ、流れに身を任せるという文字通りの姿になってしまったのだ。
「うっ。泳げない」
このカスステータスの体が憎い。何もさせて貰えないじゃい。
「はぁ」
また、ため息をいただきました。
「体力が回復する水とはこれの事か?」
私は頷いて答える。
「ばぁちゃんの薬は回数制限があるし、すごく眠くなるから、この泉の水をいくつか持っておけば、直ぐに体力の回復ができるのではと」
私がそう説明すると、ジュウロウザは手で泉の水を掬って口にした。ん?何かが引っかかる。泉を視る。
『旅人を癒すための泉。全てのステータスが回復する』
全てのステータスが回復·····ジュウロウザを視る。
「あー!!キトウさん駄目です!LUKまで回復してます!」
全てのステータスとはジュウロウザのLUK -1000000 も回復してしまう事だった。
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