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27章 魔人と神人
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「神の声を聞くかぁ。神さんよぅ。俺は何をすれば良いんだ?」
シュロスは近所のおばちゃんに手伝うことは無いかと聞くような感じで、神に声を掛けた。
「……って、何も聞こえないじゃないか!」
「知りませんよ」
信仰心が全くないシュロスの言葉に、シェリーはぶった切る。そもそもシェリーにも白き神への信仰心など、砂粒ほども持っていないので、声を掛けて答えないのであれば、知ったことではないというのがシェリーの考えだ。
「くそぉ!もう終わると思っていたのに、ここに来て無茶ゲー!先ずは島を分けるだろう?高度1万でも耐えれるように防御壁を作るだろう?……いやその前に国民をここに住まわせなければならないか……どうすればいいんだ?」
「私に聞かれても知りませんよ」
確かにシェリーに聞かれても困ることだ。
「確か国民になるかどうか、スカウトするゲームがあったな……そんなことちまちまヤってられるか!時間がねぇのに!」
シュロスはセンター試験を受ける選択肢を諦めきれないでいた。いや、これが彼を彼として支えている物だと言っていい。
でなければ、この現実を生きることは出来なかったのだろう。
「恐らくあちらの世界の時間と、こちらの世界の時間には、かなり差があると思います。そうですね。年が日数ぐらいに、あちらの世界の時間の進みは遅いです」
「時間遅延か!すげーな!っていうことはまだ20日ほどしか、経っていないってことか。行けるぞ!でも勉強の時間も欲しいから早くエンディングを迎えられるのであれば、それに越したことはない」
そう言いながらチラチラと、シェリーの方に視線を向けているシュロスがいる。ヒントを言ってくれないのかという感じだ。
もしかしたら、シュロスはシェリーのことをNPC(ノンプレイヤーキャラクター)だと思っているのかもしれない。
「人々を動かす国としては、軍事国家か信仰心を用いるのが、歴史的に成功していますね」
「宗教国家か!それは作りがいがある。白き神というのが神さんか。だったら俺を使徒とすれば、人々を国民として先導できる」
既に悪徳宗教の様相を口に出していた。
「ん?さっき俺を王と言っていたなぁ。法王っていうのもいいなぁ。いや、教王か……それで軍事国家ねぇ。十字軍でも作ればいいのか?でもどこと戦争するんだ?ここの奴らってポヤポヤしていて、絶対に戦争なんてしないだろう!」
「だから、私に言われても知りませんよ」
そこでふとシェリーはあることに気がついた。この現象のおかしなことに。
シェリーはてっきり白き神にシュロスという魂に引き合わされたか、過去のシュロスという存在を見せられていると思っていた。
だが、今のシュロスはただのゲーム脳で、空中に国という島を浮かべて、己のやるべきことは終わったという感じだった。
そこにシェリーが現れ、雲行きが怪しい方向に話が流れて行っている。
まさか!シェリーはここには居ない存在を睨みつけるように、ガラスの城と言っていい建物の天井を睨みつけた。
睨みつけてもシェリーの視界には透明な青みがかった石の天井が映るのみ。
「よし!わかった!とにかく白き神っていう神さんを、信仰すればいいんだろう?それで神さんの力をアップするわけだ。それには多くの教徒が必要で、それには国が必要だ。国が出来たのなら、戦国時代の幕開けだ!」
「違います」
怪しい方向に思考が行っているシュロスの言葉をシェリーは否定する。
このまま放置すると、あちらこちらに戦いを挑む狂国になってしまう。
「なんだよ。軍事国家がいいって言ったのは佐々木さんじゃないか」
「歴史的観点からと言いました。日本が強国を目指した結果も、歴史に残されていますよね」
「総叩きにあって、国としては残っているけど、敗戦国という名がついてまわるってことか……じゃ、もっと強くなればいい!この世は弱肉強食だ!」
このゲーム脳に何を言っても無駄だとシェリーは悟り、一人であれやこれやと言っているシュロスに背を向けて、出入り口の方に向かい出す。
これ以上シェリーが口を出すと、ろくな事にはならないと感じたからだ。
シェリーは青みがかったガラスの扉の前に立つと、すっと両方に裂けて開いた。まるでお店の自動ドアのようだ。
背後で閉じる自動ドアにシェリーはその不可解な動作に足を止めた。そもそもこの空島はどうやって浮いていて、自動ドアもなぜ勝手に開いて閉じたのだろう。見た感じでは、センサーが出ているようなものは無かったはずだ。
シュロスはゲームの世界だと思い込んで、この空島を創り上げている。もし、彼の能力がゲーム化されているものを、この世界で現実に生み出せる能力だったとしたら?
それはなんて恐ろしい能力なのだろう。
そして、それはここがゲームの世界ではないと気づいたときに、全てが崩壊する諸刃の剣だとシェリーは考えてしまった。
白き神は言っていた。まだ普通の頃だと。その言葉の意味はシュロスはどこかの時点で現実を知ってしまったということだった。
シュロスは近所のおばちゃんに手伝うことは無いかと聞くような感じで、神に声を掛けた。
「……って、何も聞こえないじゃないか!」
「知りませんよ」
信仰心が全くないシュロスの言葉に、シェリーはぶった切る。そもそもシェリーにも白き神への信仰心など、砂粒ほども持っていないので、声を掛けて答えないのであれば、知ったことではないというのがシェリーの考えだ。
「くそぉ!もう終わると思っていたのに、ここに来て無茶ゲー!先ずは島を分けるだろう?高度1万でも耐えれるように防御壁を作るだろう?……いやその前に国民をここに住まわせなければならないか……どうすればいいんだ?」
「私に聞かれても知りませんよ」
確かにシェリーに聞かれても困ることだ。
「確か国民になるかどうか、スカウトするゲームがあったな……そんなことちまちまヤってられるか!時間がねぇのに!」
シュロスはセンター試験を受ける選択肢を諦めきれないでいた。いや、これが彼を彼として支えている物だと言っていい。
でなければ、この現実を生きることは出来なかったのだろう。
「恐らくあちらの世界の時間と、こちらの世界の時間には、かなり差があると思います。そうですね。年が日数ぐらいに、あちらの世界の時間の進みは遅いです」
「時間遅延か!すげーな!っていうことはまだ20日ほどしか、経っていないってことか。行けるぞ!でも勉強の時間も欲しいから早くエンディングを迎えられるのであれば、それに越したことはない」
そう言いながらチラチラと、シェリーの方に視線を向けているシュロスがいる。ヒントを言ってくれないのかという感じだ。
もしかしたら、シュロスはシェリーのことをNPC(ノンプレイヤーキャラクター)だと思っているのかもしれない。
「人々を動かす国としては、軍事国家か信仰心を用いるのが、歴史的に成功していますね」
「宗教国家か!それは作りがいがある。白き神というのが神さんか。だったら俺を使徒とすれば、人々を国民として先導できる」
既に悪徳宗教の様相を口に出していた。
「ん?さっき俺を王と言っていたなぁ。法王っていうのもいいなぁ。いや、教王か……それで軍事国家ねぇ。十字軍でも作ればいいのか?でもどこと戦争するんだ?ここの奴らってポヤポヤしていて、絶対に戦争なんてしないだろう!」
「だから、私に言われても知りませんよ」
そこでふとシェリーはあることに気がついた。この現象のおかしなことに。
シェリーはてっきり白き神にシュロスという魂に引き合わされたか、過去のシュロスという存在を見せられていると思っていた。
だが、今のシュロスはただのゲーム脳で、空中に国という島を浮かべて、己のやるべきことは終わったという感じだった。
そこにシェリーが現れ、雲行きが怪しい方向に話が流れて行っている。
まさか!シェリーはここには居ない存在を睨みつけるように、ガラスの城と言っていい建物の天井を睨みつけた。
睨みつけてもシェリーの視界には透明な青みがかった石の天井が映るのみ。
「よし!わかった!とにかく白き神っていう神さんを、信仰すればいいんだろう?それで神さんの力をアップするわけだ。それには多くの教徒が必要で、それには国が必要だ。国が出来たのなら、戦国時代の幕開けだ!」
「違います」
怪しい方向に思考が行っているシュロスの言葉をシェリーは否定する。
このまま放置すると、あちらこちらに戦いを挑む狂国になってしまう。
「なんだよ。軍事国家がいいって言ったのは佐々木さんじゃないか」
「歴史的観点からと言いました。日本が強国を目指した結果も、歴史に残されていますよね」
「総叩きにあって、国としては残っているけど、敗戦国という名がついてまわるってことか……じゃ、もっと強くなればいい!この世は弱肉強食だ!」
このゲーム脳に何を言っても無駄だとシェリーは悟り、一人であれやこれやと言っているシュロスに背を向けて、出入り口の方に向かい出す。
これ以上シェリーが口を出すと、ろくな事にはならないと感じたからだ。
シェリーは青みがかったガラスの扉の前に立つと、すっと両方に裂けて開いた。まるでお店の自動ドアのようだ。
背後で閉じる自動ドアにシェリーはその不可解な動作に足を止めた。そもそもこの空島はどうやって浮いていて、自動ドアもなぜ勝手に開いて閉じたのだろう。見た感じでは、センサーが出ているようなものは無かったはずだ。
シュロスはゲームの世界だと思い込んで、この空島を創り上げている。もし、彼の能力がゲーム化されているものを、この世界で現実に生み出せる能力だったとしたら?
それはなんて恐ろしい能力なのだろう。
そして、それはここがゲームの世界ではないと気づいたときに、全てが崩壊する諸刃の剣だとシェリーは考えてしまった。
白き神は言っていた。まだ普通の頃だと。その言葉の意味はシュロスはどこかの時点で現実を知ってしまったということだった。
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