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473 天使の輪?
「その異形が混じり込めない条件が、それだけなのかな?」
王様が聞いてきたけど、たぶん陰陽師ならそれなりに手はあったと思う。だけど残念なことに私にはその知識はない。
「聖女シェーンは何かわかる?」
「え?」
一応そういう情報は、ないのかとシェーンに聞いてみた。だけど、彼女は偽者の王様と本物の王様をガン見していたので、話が頭の中に入っていなかったようだ。
たぶん色違いの二人に戸惑っているのかな?
ゲームでは、本物の王様は死んでいたらしいし。
あとは知識を持っていそうなのは茨木なのだけど、自分たちの弱点を晒すほど馬鹿じゃないのはわかっている。
私は視線を斜めにずらす。私に向かって跪いている麒麟だ。
ヘビどもは知識は豊富だと言っていたから、知っているかもしれない。が、馬鹿だからね。
別のことを答えても、私はそれが合っているかどうかはわからない。
それにもし、ここにいる者たちより強い存在がいれば、その条件には合わず、入りこまれてしまうだろう。
いや、そもそも隠れているだけで、酒吞たちが気にしていないだけかもしれない。
「知らないか。でもリトがいればいいっていうものじゃないよね?現にここには、ヘビどもも麒麟もいる」
「それはわかっている。一定の基準があるのだろう」
ルディは私が指摘しなくても、わかっていたらしい。
そうだよね。リトがいたあの場に酒吞と茨木がいたからね。
結局、絶対これがいいという策は……
「そうなると、ヒュー様とアスト様の否定の結界はどうかな?」
それであれば、二人が認めた者以外は結界内に侵入できない。
でも範囲に限度があるようだったから、王城全体とか騎士団全体は無理だろう。
「あれは外部から強引に干渉ができる。それに時間制限があったはずだ」
あ、そうだった。
私があの中に取り込まれたとき、ルディが強引に破壊して入ってきたのだった。
そしてどうやら、時間制限があるらしい。
これは入りこまれる前提で、動いた方がいいのかもしれない。
「混じりこまないというのは、やはり難しいね。個人的に異形に取り込まれないように防衛すべき」
多少の雑魚は排除できるだろうけど、今まで戦ってきたような異形が接触してくると、結界では限度がある。
天神のようにそのモノの世界を作り上げられたら、こちらは受け入れるしかない。
異形に関してはなるようにしかならないということだ。
それならば、豚貴族をブヒブヒ言わそうぜの話し合いをしたほうが有意義だね。
「自己防衛ができるかは、第十一部隊長さんが戻ってきて報告待ちだね。戻ってこなければ、こちらは打つ手なし。ということで、式典の流れを説明してほしいかな」
「おい、アンジュ。陛下の質問をバッサリと切るな」
ファル。後ろからうるさいよ。
この場で話しても、これ以上どうこうなることはないと思う。時間の無駄。
「だって、偽聖女の情報が珂雪という名前の女性としかないからね。対策のしようがない」
「しかし、千年生きたモノとか言っていたじゃないか」
「そっちは、聖女シェーン情報だからね。実際の情報は、接触しようとした黒狼の者たちが戻ってこないという話だけ。どちらにしろ、神でも連れてこなければ勝てない相手だろうね」
まぁ、勝つ必要はなく、弱らせて世界に食わそうぜ作戦には変わりない。
「未来視だっけ?僕は直接君から聞いてみたいなぁ。偽者の聖女の話」
王様はニコニコと笑みを浮かべながらシェーンに聞いているけど、その目は笑っていない。
怖いよ。
シェーンが王様と偽者の王様をジロジロと見ていたのが気に障ったのだろうか。でも髪の色を変えるだけとか安易だと思うよ。
「えっと……その……」
皆の視線がシェーンに集中してしまったからか、普段の勢いが鳴りを潜めてオドオドとしている。
あの強気のシェーンで言えばいいんだよ。
「代わりに我が答えるのでよろしいか」
そこに麒麟が割り込んできた。
「僕は君には聞いていない。聖女シェーンに聞いているのだけど?おかしな言葉が入ってもいいから答えてほしいね」
ああ、シェーンは日本語が混じる言葉で答えていいのか戸惑っていたのか。
王様はシェーンが何に言いどもっているのかわかるなんて、これが王の素質というものなのだろうか。
「あの……貴族の養子になった人の外見は白髪で、金色の瞳の女性です。頭には丸い輪を掲げてそれが金色に光っています」
ん?丸い輪?それが金色に光っている?
「ちょっと質問。それってシェーンと同じではなくて、中に穴が空いた輪というもの?」
「そう、言葉どおり天使の輪」
「王冠のような感じではなくて?」
「普通に天使の輪が光っているの」
え?何故にそうなったの?
もし玉藻が景教だっけ?その宗教画を目にしていたとしても、たぶんそれはシェーンと同じお皿になると思う。
そして、200年前の聖女の絵が残っているという話だけど、それだと恐らく私と同じ王冠の形をしていると思う。
「何故に蛍光灯になったの?」
「蛍光灯……ぷっ!蛍光灯って!」
シェーンは突然お腹を抱えて笑い始めてしまった。
いや、だって光る輪と言えば、蛍光灯だよね?
*蛍光灯。27年に廃止されますが、LEDの光方ではなくて、蛍光灯で。
王様が聞いてきたけど、たぶん陰陽師ならそれなりに手はあったと思う。だけど残念なことに私にはその知識はない。
「聖女シェーンは何かわかる?」
「え?」
一応そういう情報は、ないのかとシェーンに聞いてみた。だけど、彼女は偽者の王様と本物の王様をガン見していたので、話が頭の中に入っていなかったようだ。
たぶん色違いの二人に戸惑っているのかな?
ゲームでは、本物の王様は死んでいたらしいし。
あとは知識を持っていそうなのは茨木なのだけど、自分たちの弱点を晒すほど馬鹿じゃないのはわかっている。
私は視線を斜めにずらす。私に向かって跪いている麒麟だ。
ヘビどもは知識は豊富だと言っていたから、知っているかもしれない。が、馬鹿だからね。
別のことを答えても、私はそれが合っているかどうかはわからない。
それにもし、ここにいる者たちより強い存在がいれば、その条件には合わず、入りこまれてしまうだろう。
いや、そもそも隠れているだけで、酒吞たちが気にしていないだけかもしれない。
「知らないか。でもリトがいればいいっていうものじゃないよね?現にここには、ヘビどもも麒麟もいる」
「それはわかっている。一定の基準があるのだろう」
ルディは私が指摘しなくても、わかっていたらしい。
そうだよね。リトがいたあの場に酒吞と茨木がいたからね。
結局、絶対これがいいという策は……
「そうなると、ヒュー様とアスト様の否定の結界はどうかな?」
それであれば、二人が認めた者以外は結界内に侵入できない。
でも範囲に限度があるようだったから、王城全体とか騎士団全体は無理だろう。
「あれは外部から強引に干渉ができる。それに時間制限があったはずだ」
あ、そうだった。
私があの中に取り込まれたとき、ルディが強引に破壊して入ってきたのだった。
そしてどうやら、時間制限があるらしい。
これは入りこまれる前提で、動いた方がいいのかもしれない。
「混じりこまないというのは、やはり難しいね。個人的に異形に取り込まれないように防衛すべき」
多少の雑魚は排除できるだろうけど、今まで戦ってきたような異形が接触してくると、結界では限度がある。
天神のようにそのモノの世界を作り上げられたら、こちらは受け入れるしかない。
異形に関してはなるようにしかならないということだ。
それならば、豚貴族をブヒブヒ言わそうぜの話し合いをしたほうが有意義だね。
「自己防衛ができるかは、第十一部隊長さんが戻ってきて報告待ちだね。戻ってこなければ、こちらは打つ手なし。ということで、式典の流れを説明してほしいかな」
「おい、アンジュ。陛下の質問をバッサリと切るな」
ファル。後ろからうるさいよ。
この場で話しても、これ以上どうこうなることはないと思う。時間の無駄。
「だって、偽聖女の情報が珂雪という名前の女性としかないからね。対策のしようがない」
「しかし、千年生きたモノとか言っていたじゃないか」
「そっちは、聖女シェーン情報だからね。実際の情報は、接触しようとした黒狼の者たちが戻ってこないという話だけ。どちらにしろ、神でも連れてこなければ勝てない相手だろうね」
まぁ、勝つ必要はなく、弱らせて世界に食わそうぜ作戦には変わりない。
「未来視だっけ?僕は直接君から聞いてみたいなぁ。偽者の聖女の話」
王様はニコニコと笑みを浮かべながらシェーンに聞いているけど、その目は笑っていない。
怖いよ。
シェーンが王様と偽者の王様をジロジロと見ていたのが気に障ったのだろうか。でも髪の色を変えるだけとか安易だと思うよ。
「えっと……その……」
皆の視線がシェーンに集中してしまったからか、普段の勢いが鳴りを潜めてオドオドとしている。
あの強気のシェーンで言えばいいんだよ。
「代わりに我が答えるのでよろしいか」
そこに麒麟が割り込んできた。
「僕は君には聞いていない。聖女シェーンに聞いているのだけど?おかしな言葉が入ってもいいから答えてほしいね」
ああ、シェーンは日本語が混じる言葉で答えていいのか戸惑っていたのか。
王様はシェーンが何に言いどもっているのかわかるなんて、これが王の素質というものなのだろうか。
「あの……貴族の養子になった人の外見は白髪で、金色の瞳の女性です。頭には丸い輪を掲げてそれが金色に光っています」
ん?丸い輪?それが金色に光っている?
「ちょっと質問。それってシェーンと同じではなくて、中に穴が空いた輪というもの?」
「そう、言葉どおり天使の輪」
「王冠のような感じではなくて?」
「普通に天使の輪が光っているの」
え?何故にそうなったの?
もし玉藻が景教だっけ?その宗教画を目にしていたとしても、たぶんそれはシェーンと同じお皿になると思う。
そして、200年前の聖女の絵が残っているという話だけど、それだと恐らく私と同じ王冠の形をしていると思う。
「何故に蛍光灯になったの?」
「蛍光灯……ぷっ!蛍光灯って!」
シェーンは突然お腹を抱えて笑い始めてしまった。
いや、だって光る輪と言えば、蛍光灯だよね?
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