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1章
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目が覚めた時、自分が何処にいるか分からず、自分が誰か分からないなんて事はきっと初めてだろう。
それとも覚えていないだけで過去にもあったのだろうか。流石に、洒落にならない。
自分が分からないというのは奇妙な感覚だ。
もし「お前は知識だけを与えられて、さっき生まれたばかりだ」なんて言われても信じられないだろう。
感覚的な話だが、過去の記憶は無くても、それなりの時間を生きてきたと妙な確信がある。
まるで魂が記憶しているかのように。そう造られたのだと言われたらそれまでだが。
皆、同じ事を感じるのだろうか。他の記憶喪失者に会う事があれば聞いてみたい。
窓から外を見た後、その場で座り込み益体もない事を考えては落ち着こうとした。
思ったより立ち直るのに時間はいらなかった。
記憶を失う前の自分は余程、楽天的な人間だったのだろうか。
それとも、受け入れがたいこの状況をどこか、他人事の様に感じられるからだろうか。
塞ぎ込んでいても始まらない。再び立ち上がり、まずは脱ぎ捨てた服を着る。
その後は、先程見かけたテーブルと椅子に置いてある物を確認した。
テーブルの上には、胡蝶蘭に似たガラス細工の花。革のホルスターに入った大きな、くの字型のナイフ。そして水の入った革袋。ちなみに、水かどうかは飲んで確かめた。
椅子の上にあったのは、ベルトに着ける革のポーチだった。中には大きな葉に包まれた四角い焼き菓子が4枚入っていた。
これらの荷物は誰の物なのだろう。そう思いながらも、ガラス細工以外は全て身に着けた。背に腹は代えられない。
準備は整えた。さぁ、記憶喪失とは別の、もう1つの現実と向き合うとしよう。
扉の前に立つと、先程の風景が頭に浮かんでくる。 かんぬきを外し扉に手をかけそっと開いた。
扉を開けるとまた灰の景色。意外と、空気は澄んでいた。
扉を開けはしたが歩き出すのを躊躇い立ち止まる。この場所から出たら、足元が崩れてしまうのではないか。そんな根拠の無い不安が胸を掠める。
それでも意を決して、少し重く感じる足を一歩踏み出す。ゆっくりと爪先から地に足をつけ、体を預けても崩れる事はなかった。体重をかけるとほんの僅かに地面が沈み混む。
安心したが、それでもまだ少しだけ緊張しながら足を上げる。そこには踏み出した証が浅く刻まれていた。
何となくしゃがみこみ、その証に手を伸ばし触れた後、盛上った部分を摘まみ上げ指でほぐす様に確かめる。
それの硬さや感触は、普通の土の様に思えるが土なのか灰なのか判断がつかない。
指に着いた灰色の何かを眺めながら、ふと思う。
踏み出しただけでここまで考え、感じることが嘗ての自分にもあったのだろうか。
置かれた状況は最悪なはずなのにそれでも今、自分が感じているのは不安だけではないと、微かに上がっていた頬に気づかされた。
少し軽くなった気がする足をまた、一歩二歩と踏み出す。
近くに生えている、あまり背の高くない灰色の広葉樹まで歩いた。それに触れ、扉をノックするかの様に軽く叩く。
灰色の木は、とくに崩れる事なく感触も普通だと感じる。腕を伸ばし、枝や葉に触れてみても、やはり崩れたりはしなかったが、何故か物足りなさを感じた。
だがある事に気付く。衝動的に振り返り、目覚めた小屋を見てはっとした。この小屋は灰色の木ではなく普通の木でできている。焼き菓子を包んでいた葉も緑だ。
そんな当たり前の事に気付かなかった自分に飽きれ、そして少し年季の入ったこの普通の小屋に甚く感激した。
目覚めてから一時間も過ごしていないこの小屋に愛着を感じる。
周囲を見渡し、再び考える。待っていれば誰かが訪れ、事態は好転するのではないか。だが、そんな事は分らない。なら少しでもできる事をするべきだ。何より、この場所を調べてみたい気持ちが大きい。
ここを拠点に周囲を調べながら人を探す。そう決意して、歩き始めた。
――どれだけ歩いただろう。
景色は変わらず灰のまま、可笑しな事に、人どころか動物や虫すら見掛ける事はない。
様々な形の灰色の茸。灰色の花や木の実を見付けたが、食べられるか分かる訳がなかった。
歩いていると水の流れる音が聞こえ、その音の方へ進むと浅く狭い川が流れていた。
水は灰色ではなく、意外と綺麗に見えるが今はまだ飲む気にはなれない。
人に会えなければ間違いなく死ぬ。そんな事は初めから分かり切っていたはず。だが、どこか漠然と自分なら大丈夫だと高を括っていた事に気づかされた。
そんな事を考えながら川を覗き込んでいると、急に気分が悪くなりその場を離れた。
水面に微かに映る自分の影が目に入った瞬間、何故かその影を受け入れられなかった。
さらに歩いていると辺りが少し暗くなってきた。
これ以上探索しても今日は人に出会うことはないだろう。来た道を引き返す。もしかしたら家主が帰ってきているかもしれない。心の何処かからする、そんな事は無いと言う自分の声には耳を塞いだ。
帰路も、何かないかと周囲に気を配りながら歩くが期待していない。
小屋を出た時に感じた高揚は日と共に沈んでいった。よく考えると、あれが太陽なのかも分からず更に気が沈む。
本当に、ここは何処なんだろうか。
実際は記憶と一緒にこの場所の知識も消えただけ。若しくは、知らないだけという可能性はないだろうか。
そんな事を考えながら、おざなりに周囲を見ながら歩いていると、数メートル先についさっきまで無かった何かが見えてきた。
駆け寄りそうになるが堪える。立ち止まり、目を凝らして見るとそこにあったのは、猫背で痩せ細った小さな子供の様な灰・色・の・何・か・だった。
肋骨や腰骨が浮き出た痩せて小さい体には細く長い手足。ちゃんとした服は身に着けておらず、粗末な腰布を纏っている。小さい体にはやはり小さな顔が乗っている。髪はうっすらとだけ生え、頬骨は浮かび、低い鼻に大きな耳と口、閉じていてもわかる大きな目。
こんなものが人である訳がない。そもそも、灰色で微動だにしないこいつは生物なのかも疑わしい。
遠くから眺めながら考えていると、どうでもいい事が一つ分かった。自分はこんなにも目が良かったのかと。
暫く観察を続けたが、微かにも動かない。
やはり生き物ではないのだろうか。なら何故、こいつは急に現れた。気味が悪くて近付きたくない。
大きく迂回するにしても、迷ったら終わりだ。既に迷子のようなものだが。あの小屋を手離したくない。
この距離で何の反応も無いのだから、この距離を保てば素通りしても大丈夫ではないだろうか。
周囲を見渡しても、視界に入るのはこいつ一体だけだ。……行くしかない。
一歩ずつ、生物なのかすらわからない何かを警戒しながら進む。
極力、音を立てないように気を付けるが、自然の中を無音で移動するのは無理だった。だが幸いな事に、あれは動かない。
警戒してはいるが、動きそうもない様子を見ていると少しばかり余裕が生まれてしまう。
怖いが、それでも近づいて確かめたくなる。その気持ちをぐっと堪え、一歩、また一歩と進む。草や枝を踏みつけると鳴る音が恨めしいが、靴底から伝う、枝が折れ草や葉が潰れる感触がやけに小気味良い。
神経を使っている筈だが案外、精神的にも肉体的にも疲れていない事に気づく。存外タフな自分に感謝した。
なんとか回り込み、立ち止まり振り返る。あいつは特に動き出したりはしなかった。
結局、生物ではないのだろうか。だが分からない以上、近づく度胸は無い。
早く戻ろうと再び歩き出した時、辺りがより暗くなっている事に気づく。風が吹き、生き物がいないはずなのに、周囲がざわめきだしたかの様に感じた。
直後、何かが動く気配を感じ再び振り返る。
先程まで背を向けていたはずのあれがこちらを向いていた。目が合う。すると空気が変わった。
そう感じた瞬間、あれは雄叫びを上げるかのように、大きく口を開け天を仰いだ。
声は聞こえないが、確かにあれは叫んでいる。
目が覚めて初めて、生き物と遭遇した。
それとも覚えていないだけで過去にもあったのだろうか。流石に、洒落にならない。
自分が分からないというのは奇妙な感覚だ。
もし「お前は知識だけを与えられて、さっき生まれたばかりだ」なんて言われても信じられないだろう。
感覚的な話だが、過去の記憶は無くても、それなりの時間を生きてきたと妙な確信がある。
まるで魂が記憶しているかのように。そう造られたのだと言われたらそれまでだが。
皆、同じ事を感じるのだろうか。他の記憶喪失者に会う事があれば聞いてみたい。
窓から外を見た後、その場で座り込み益体もない事を考えては落ち着こうとした。
思ったより立ち直るのに時間はいらなかった。
記憶を失う前の自分は余程、楽天的な人間だったのだろうか。
それとも、受け入れがたいこの状況をどこか、他人事の様に感じられるからだろうか。
塞ぎ込んでいても始まらない。再び立ち上がり、まずは脱ぎ捨てた服を着る。
その後は、先程見かけたテーブルと椅子に置いてある物を確認した。
テーブルの上には、胡蝶蘭に似たガラス細工の花。革のホルスターに入った大きな、くの字型のナイフ。そして水の入った革袋。ちなみに、水かどうかは飲んで確かめた。
椅子の上にあったのは、ベルトに着ける革のポーチだった。中には大きな葉に包まれた四角い焼き菓子が4枚入っていた。
これらの荷物は誰の物なのだろう。そう思いながらも、ガラス細工以外は全て身に着けた。背に腹は代えられない。
準備は整えた。さぁ、記憶喪失とは別の、もう1つの現実と向き合うとしよう。
扉の前に立つと、先程の風景が頭に浮かんでくる。 かんぬきを外し扉に手をかけそっと開いた。
扉を開けるとまた灰の景色。意外と、空気は澄んでいた。
扉を開けはしたが歩き出すのを躊躇い立ち止まる。この場所から出たら、足元が崩れてしまうのではないか。そんな根拠の無い不安が胸を掠める。
それでも意を決して、少し重く感じる足を一歩踏み出す。ゆっくりと爪先から地に足をつけ、体を預けても崩れる事はなかった。体重をかけるとほんの僅かに地面が沈み混む。
安心したが、それでもまだ少しだけ緊張しながら足を上げる。そこには踏み出した証が浅く刻まれていた。
何となくしゃがみこみ、その証に手を伸ばし触れた後、盛上った部分を摘まみ上げ指でほぐす様に確かめる。
それの硬さや感触は、普通の土の様に思えるが土なのか灰なのか判断がつかない。
指に着いた灰色の何かを眺めながら、ふと思う。
踏み出しただけでここまで考え、感じることが嘗ての自分にもあったのだろうか。
置かれた状況は最悪なはずなのにそれでも今、自分が感じているのは不安だけではないと、微かに上がっていた頬に気づかされた。
少し軽くなった気がする足をまた、一歩二歩と踏み出す。
近くに生えている、あまり背の高くない灰色の広葉樹まで歩いた。それに触れ、扉をノックするかの様に軽く叩く。
灰色の木は、とくに崩れる事なく感触も普通だと感じる。腕を伸ばし、枝や葉に触れてみても、やはり崩れたりはしなかったが、何故か物足りなさを感じた。
だがある事に気付く。衝動的に振り返り、目覚めた小屋を見てはっとした。この小屋は灰色の木ではなく普通の木でできている。焼き菓子を包んでいた葉も緑だ。
そんな当たり前の事に気付かなかった自分に飽きれ、そして少し年季の入ったこの普通の小屋に甚く感激した。
目覚めてから一時間も過ごしていないこの小屋に愛着を感じる。
周囲を見渡し、再び考える。待っていれば誰かが訪れ、事態は好転するのではないか。だが、そんな事は分らない。なら少しでもできる事をするべきだ。何より、この場所を調べてみたい気持ちが大きい。
ここを拠点に周囲を調べながら人を探す。そう決意して、歩き始めた。
――どれだけ歩いただろう。
景色は変わらず灰のまま、可笑しな事に、人どころか動物や虫すら見掛ける事はない。
様々な形の灰色の茸。灰色の花や木の実を見付けたが、食べられるか分かる訳がなかった。
歩いていると水の流れる音が聞こえ、その音の方へ進むと浅く狭い川が流れていた。
水は灰色ではなく、意外と綺麗に見えるが今はまだ飲む気にはなれない。
人に会えなければ間違いなく死ぬ。そんな事は初めから分かり切っていたはず。だが、どこか漠然と自分なら大丈夫だと高を括っていた事に気づかされた。
そんな事を考えながら川を覗き込んでいると、急に気分が悪くなりその場を離れた。
水面に微かに映る自分の影が目に入った瞬間、何故かその影を受け入れられなかった。
さらに歩いていると辺りが少し暗くなってきた。
これ以上探索しても今日は人に出会うことはないだろう。来た道を引き返す。もしかしたら家主が帰ってきているかもしれない。心の何処かからする、そんな事は無いと言う自分の声には耳を塞いだ。
帰路も、何かないかと周囲に気を配りながら歩くが期待していない。
小屋を出た時に感じた高揚は日と共に沈んでいった。よく考えると、あれが太陽なのかも分からず更に気が沈む。
本当に、ここは何処なんだろうか。
実際は記憶と一緒にこの場所の知識も消えただけ。若しくは、知らないだけという可能性はないだろうか。
そんな事を考えながら、おざなりに周囲を見ながら歩いていると、数メートル先についさっきまで無かった何かが見えてきた。
駆け寄りそうになるが堪える。立ち止まり、目を凝らして見るとそこにあったのは、猫背で痩せ細った小さな子供の様な灰・色・の・何・か・だった。
肋骨や腰骨が浮き出た痩せて小さい体には細く長い手足。ちゃんとした服は身に着けておらず、粗末な腰布を纏っている。小さい体にはやはり小さな顔が乗っている。髪はうっすらとだけ生え、頬骨は浮かび、低い鼻に大きな耳と口、閉じていてもわかる大きな目。
こんなものが人である訳がない。そもそも、灰色で微動だにしないこいつは生物なのかも疑わしい。
遠くから眺めながら考えていると、どうでもいい事が一つ分かった。自分はこんなにも目が良かったのかと。
暫く観察を続けたが、微かにも動かない。
やはり生き物ではないのだろうか。なら何故、こいつは急に現れた。気味が悪くて近付きたくない。
大きく迂回するにしても、迷ったら終わりだ。既に迷子のようなものだが。あの小屋を手離したくない。
この距離で何の反応も無いのだから、この距離を保てば素通りしても大丈夫ではないだろうか。
周囲を見渡しても、視界に入るのはこいつ一体だけだ。……行くしかない。
一歩ずつ、生物なのかすらわからない何かを警戒しながら進む。
極力、音を立てないように気を付けるが、自然の中を無音で移動するのは無理だった。だが幸いな事に、あれは動かない。
警戒してはいるが、動きそうもない様子を見ていると少しばかり余裕が生まれてしまう。
怖いが、それでも近づいて確かめたくなる。その気持ちをぐっと堪え、一歩、また一歩と進む。草や枝を踏みつけると鳴る音が恨めしいが、靴底から伝う、枝が折れ草や葉が潰れる感触がやけに小気味良い。
神経を使っている筈だが案外、精神的にも肉体的にも疲れていない事に気づく。存外タフな自分に感謝した。
なんとか回り込み、立ち止まり振り返る。あいつは特に動き出したりはしなかった。
結局、生物ではないのだろうか。だが分からない以上、近づく度胸は無い。
早く戻ろうと再び歩き出した時、辺りがより暗くなっている事に気づく。風が吹き、生き物がいないはずなのに、周囲がざわめきだしたかの様に感じた。
直後、何かが動く気配を感じ再び振り返る。
先程まで背を向けていたはずのあれがこちらを向いていた。目が合う。すると空気が変わった。
そう感じた瞬間、あれは雄叫びを上げるかのように、大きく口を開け天を仰いだ。
声は聞こえないが、確かにあれは叫んでいる。
目が覚めて初めて、生き物と遭遇した。
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