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〜異世界に行くまで〜
神様vs私
しおりを挟む気がつくと知らない場所にいた。
場所というより空間なのだろうか、見わたす限り何もない。
それよりも私が気になったのは色だ。何故か金色で全く目に優しくない。もっと他に色なかったんだろうか、いやそんなことよりも
「ここは何処ですか…?」
聞きたいことは色々あるが、1番はこれだろう。本当にここは何処なんだ 誰かいないのか。混乱していた時だった。
「いらっしゃ~い☆ 待ってたよ~☆」
やたらチャラい声が聞こえてきた。
そして声をかけてきた人もチャラかった。
この金色の空間にいても負けない眩しい程に輝く金色の髪、その目は宝石ですか?と聞きたくなる位に綺麗なピンク色の目に血の気が感じられない白い肌。背には白い羽を生やしたとんでもない美形な男性だった。
こんなに綺麗なのに驚く程にチャラい。服もベースはローマ神話に出てきそうな白い服なのに、ラメやらスパンコールやら宝石やらをつけているせいでまるで有り難みがなかった。
「も~しも~し? 聞こえてる?☆」
話している言葉は普通なのに、語尾に星が見えるのは何故だろう。こんなにチャラい人は初めて見た。
いけない見た目に気を取られてしまって忘れていた、返事をしなければ。
「聞こえてますが…貴方は誰ですか?」
まずはこれを聞くべきだと思った。これによって私の今後の態度が決まる。
「僕はね~神様だよっ☆ 敬ってねっ☆」
……どうしよう、やばい人に会ってしまったかもしれない。え?神様?もし本当に神様だとしたらこんな見た目でいいの?お坊さん泣いちゃわない? 敬えって?何それ神様そんなこと言っちゃうの? 私の脳内は大パニックである。
いや、落ち着け私。確かにちょっとやばいけども話は通じている。元の場所に返してもらわないと困る。ひとまず話をしよう。頑張れ私。今ここで失神するわけにはいかない。頑張れ。
「貴方が私を此処に連れてきたんです
か…?」
一応確認をしておこう。重度の人見知りには難易度が高いが、大切なことだ。
「うんっ!そだよっ!☆」
…即答だった。もうどうしたらいいのだろう。誰か助けてほしい。
「じゃあ…元の場所に帰して頂けませんか…?」
よし!言えたぞ!偉いよ私。ガクガク震えていようが、声がか細かろうが言えたのだからいいだろう。
「うんっ無理かなっ☆」
……またしても即答だった。
もう本当に助けてほしい。この際誰でもいい知らない人でもいいから助けてほしかった。
「な、何故…でふか…?」
震えすぎて噛んでしまったが、言いたいことは伝わるはず。何度も言うが私は重度の人見知りだ、この状況は試練でしかない。失神してないだけマシだと思いたい。
「それはね、君に異世界に行ってほしいからだよっ☆」
………先ほどの私の言葉を訂正させてほしい。ちょっとではなく、かなりやばいの間違いだった。
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