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神の息吹
回復です!
しおりを挟む調合室へ行き、釜の前に立つ。そして魔法薬辞典を開いた。
「猛毒を治す薬を作りたいです!」
その言葉を受けて、魔法薬辞典がレシピを浮き上がらせてくれる。
「猛毒解除薬…?これが名前?」
「はい。これを作るのにラメールフルールが必要だったんですよ。さぁ主様、もう一度魔法薬辞典に向かって話しかけてください」
「うん!」
もう一度魔法薬辞典に向き直る。
「猛毒解除薬を作りたいです!」
すると棚から瓶が4つ飛んできた。1つ目はシュワシュワの水。2つ目は虹色蝶々の羽。3つ目は叫ぶ木の根。4つ目は光の結晶。かなり珍しい素材ばかりだ。シュワシュワの水以外、全てレア。特に光の結晶は大変だ。朝日を水晶に閉じ込めて造るのだが、本当に難しい。ちょっとでも加減を間違えたら、失敗してしまうのだ。私も何度も失敗してしまった。
「これは…珍しい素材ばかりだね。あんまり知られていないわけだよ」
「えぇ。調合自体も難しいのに、素材も貴重なので難易度が跳ね上がっています。これを作れる者はそういないでしょう。あの者が知らなかったのも無理はないでしょう。…まぁ勉強不足だとは思いますが」
…の、ノワールさん…相変わらず辛口だな…ノワールの指すあの者っていうのは、豪傑の皆さんを治療していた人だろう。
「主様、早速調合を致しましょう。急がねばなりませんから」
「うん。失敗しないようにしないとね」
そう言って釜の横にある木の棒を手に取る。すると、材料達が釜の中に入っていった。かき混ぜて良い感じになったら完成だ。よしよし…ちゃんと混じったな。じゃあ仕上げをしましょう。
「魔法薬調合完成」
金属の棒を持ち、終了を告げる。何度見ても綺麗な棒だ。その棒から溢れる金色の光もとても綺麗。金色の光は強まり、ショッキングピンク色の光を放ち完成した。……ショッキングピンク?
「うわ…」
「これは…」
やばい。完成はしたが、やばい。何がやばいって色がショッキングピンクなのだ。それも淡い色じゃない。ものすごく濃い。はっきり言って飲める色をしていない。ディアルマは絶句している。
「こ、これ…飲める…の?」
「飲めるはずです…魔法薬辞典でレシピが出てきたのですから…ただ、この色は予想外です」
「飲めはするが…大丈夫か?これを飲めと言われて飲める奴はいるのか?」
「う、う~ん…」
ディアルマが真剣な顔をして聞いてくる。た、確かに…私なら飲めない。
「大丈夫だろう。飲ます相手は意識がないんだ。色なんて関係ないだろう?主様、色はともかく効能は抜群なのですから、大丈夫ですよ。彼らの元へ参りましょう」
そう言って転移魔法を発動させた。だ、大丈夫かな…
「こ、これは…飲めるんですか?」
「人が飲める色をしていないが…」
や、やっぱり戸惑いますよね…ガルドさんも、診てくれていた人も、顔を引きつらせている。
「良いじゃないですか。効果はありますよ。そ~~れ!!」
「うわぁぁぁぁ!!!」
「の、ノワールッ!!」
なんてことを!!そ~~れ!!って言った瞬間、魔法を発動させて豪傑の皆さんに魔法を放った。薬品の入っている瓶を口に突っ込んだのだ。
本当になんてことを…!!!
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