《ユグシルト・オンライン》最強データから始める俺の異世界最強伝説!!──ではなく、Lv255の赤ちゃんに転生した俺の異世界物語

散歩道 猫ノ子

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ススム編、第一章。《Lv255の赤ちゃん爆誕》

41《俺って強い?》

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うん、わっかりやすいなぁ

「あれが向こう側の団長だよな?」

「はい、間違いなくあちらの方がファイアリー・ハートの団長です」

「わかりやす」

リズに抱かれながら見る相手側の冒険者達。

真っ赤な髪に真っ赤な刀剣、紅蓮が描かれた黒い服の男。
背にはおるマントには大きく一言、紅蓮!! とビックリマークつきそうなぐらい大きく書かれている男が先頭に立っている。
ふむ、あれが《紅蓮剣のグレン》か……

まぁ一言で表すなら、ダサい。だな。

紅蓮剣のってのは自称だろうし……たしか2つ名ってのは、ギルドへ多大な貢献を納めたもの、またはありえないほどの強さを持つ者なんかに付けられるものだからな。

あんな……魔力も操れてない男、そんなすごいやつとは思えないってもんだ。
手に持ってる真っ赤な刀剣がその証拠だな、あれは魔法剣の1つ《紅蓮剣》火の魔力を吸うことで火を纏う剣、つまり……ずっと燃えてるって事は、単純にずっと魔力を使ってるって事になるからな。

……魔法剣による魔力消費はたかが知れてるけど、勿体ないなぁ~。

「さぁーーーーー!!!!!!! とうとう下位ギルドランクアップクエストも準決勝!! 残るギルドは4つとなりましたぁーー!!! 準決勝の最初を飾るのは、自称《紅蓮剣のグレン》が率いる、今大会もっとも強いとされる優勝候補ギルド!!

ファイアリィィィィイイイイい!! ッッハアアァァァーーーートォオオオオオオオオオオ!!!!!!」

わぁーーーーー!!!!! っと拡がる歓声、人気ギルドなんだなってことがひと目でわかる程に慣れた対応だな。
観客席へ、まるでアイドルと勘違いしてんのか? ってぐらいにこやかに手を振り返している。

……んー少しイケメンなのが気に食わないな。

八つ当たりである。……だってさぁ~ぶーぶー

「対するわ!!! 今大会に突如現れた……まさに神生!!
齢2歳という意味不明な程に若すぎる団長、けれど1歳半で神級適正を診断された実力は1回戦で瞬殺されたサウザント・ライスの団長が身をもって教えてくれた、敵をも仲間にしてしまうという脅威の器を持つ神の子が率いるのは……今大会、初出場ギルド

イノセントォォオオオオ!! ロァァアアーーー!!!!」

…………ふむ、なんでだろうな。

俺のギルド、何故かぜんっぜん歓声飛んでこないんだわ。
八つ当たりしたって仕方ないだろ? まぁ……なんでこんなことなってんのかは、観客席から聞こえる声で分かってんだけどさ。

「ぶーぶー!! 1回戦のなんてまぐれだろー!!」
「そいつあれから1回も戦ってねぇじゃねぇかー!!」
「しかも戦ってたのサウザント・ライスの奴らだろ!」
「サウザント・ライスを準決勝に入れろ~!!!」

ふむ、まぁこんな感じ。

うちの団員の何人かが「団長は俺たちのためにだなー!!」なんて怒鳴るように言い返すが、「黙れ裏切り者共ー!! サウザント・ライスの団長が可哀想だろうがァー!!」
考えてみたら、客席にあの団長の言った言葉が届いてた訳もなく、俺が卑怯な手を使ったみたいになってんだよな。

はぁ……こういうことはあまりしたくなかったんだけどな。

すこしばかし、黙ってもらうことにするかな。

「……なっなっなっなんだこれはぁーーーーーー!!!!??」

つまりあれだろ? ここの観客達は俺の実力が無いと思ってるからあんなことばっか言ってくるってわけだろ?

流石に罵声ばかり浴びせられたら、ただでさえ弱いうちの団員達の指揮が下がって更に弱くなってしまうからな。

水魔力を発生させ空中に大きな水溜まりを作って見た。

「……団長、これは……!?」

「まぁ戦い前の準備運動でもしようかなってさ」

更に火の魔力を内部から送り水の花火だ。まぁ水の一つ一つがかなりの高温になっていて、更に超爆発によって当たるとかなり痛いけど、それは当たる前に風の魔力で救いあげ、その勢いのまま空高く巻いあげるっと

「おーい、お前らそこどけ」

「はっはい!?!?」

なんでこいつらこんなに慌ててんだ?

まぁ流石に会場の外は民家とかあるからな、水を外に放り出したらなんて言われるかわからん。

土の魔力で大きな穴を作り、空から穴めがけ一点に放り込み穴を塞げばあら不思議。

「ふぅ、予行練習終わりっと、さて……やろうか?」
これでうちの連中の指揮もあがればいいなって思ったんだけどな

「どうしたお前たち?」

「……だだ……だんちょ、いいいまのはいったい……!?」

「ん? 運動前には体操ってするもんだろ? 魔法も事前にある程度使っておかないとな、繊細な操作、魔力の強弱、魔力属性の再確認、今のが1番手っ取り早いんだ」
なぜ震えるのか? なんでそんな驚いてるのか? ねこのこはこれを寝ながら、しかもしっぽで行なうってのにな。

両手でしか出来ない俺はまだまだだよなぁ。

にしても……今のでそれなりに魔力あるぞって示したつもりなんだけどな。
結局……歓声のひとつも起きないかぁ……嫌われたもんだ。

「すっすみません!!」

「? どうしたんだろ?」

相手側の団長、グレンがとっとっとっと駆けるように審査員の元へかけて行った。

「えと、まさか……リズ、今のやつって!! 狡って扱いになって負けになったりしないよな!?」
考えてみたら、戦いが始まる前に会場にある魔力を使ったってことになるし、魔法使いからクレーム来るのは当然かもしれん。

やばい!! と焦る俺に、リズは断定したように言う。

「いえ、違います……」

「ちっ違うのか??」

そしてそれは言い放たれた。

「今……ファイアリー・ハートの団長より申し出を受けました……」

アナウンスから聞こえる声、観客席は相変わらず静かに佇んでいる。

……えっと、やっぱ俺、やらかした?

そして、続けるアナウンスから聞こえてくる言葉。
どうやら俺、違う意味でやらかしたようだ。

「ファイアリー・ハートは今回のランクアップを辞退する、命の方が大事だ……とのことです……えぇと、ごほんっ」

「へ?」

「……当然……そうなります」

リズはこうなるって分かってたってこと? ていうか辞退って

「この大会始まって以来の出来事がおきましたぁーーー!! まさかの優勝候補ギルドの辞退、よって……準決勝、第1回戦、勝者!!! イノセントォォオオオオ!! ロァァアアーーー!!!!」

うぉおおおおおおおおおおお、すっすげぇええええええ!!!

なんて声が同時に観客席より鳴り響く。

えっと……どうやら、人気は出たみたいなんだけどな。

「……なんかごめん……わざとじゃないんだ……」

「いえ、団長が……あの魔力量で魔法を使用し、相手ギルドの人達を殺してしまう前に済んで良かったです……」

「えっと、もしかしてさ……俺って結構強いの?」
俺の疑問に対し、リズは改めて断定する。

「いえ、ずば抜けて強すぎます、以降は私達が戦いますので……団長は見ててください」

「あっはい」

結局、次の準決勝は盛り上がることなく終わり、準決勝を勝ち進んだ奴は即辞退、よって……

「ゆっ優勝しちゃったな」

「……当然ですよ……」

何故か優勝したってのに盛り上がらない控え室、俺は今後……もう少し魔力を控えて人と接しよう。

そう誓うのであった。





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