《ユグシルト・オンライン》最強データから始める俺の異世界最強伝説!!──ではなく、Lv255の赤ちゃんに転生した俺の異世界物語

散歩道 猫ノ子

文字の大きさ
63 / 82
ススム編、第二章。《Lv255の赤ちゃんギルド》

51《だんちょ!》

しおりを挟む

ちゅんちゅん。ちゅんちゅん。
ここはユグドラシルと言う世界樹の葉の1枚、その上にある領地なのだが、どうして小鳥なんかいるんだろう?

「ふぅ……」

そんな些細な疑問と共に目覚めた朝、昨日の事が嘘のように窓から差し込む光優しい光はなんと……うっと惜しいのだろう。

「ねむい!! はぁ……」
昨日ベッドに入ったはいいが……やはり人殺しをしてしまったかもしれない。そんなもやもやした気持ちで眠れなかったな。

「こんなことならいっそ……いや、それは違うか」

この世界には魔力があり魔法もある。
死に物狂いで頑張れば、あいつらは生きられる可能性は案外高いだろう。
まぁ……諦めた瞬間にその確率は天文学的な確率まで落ちるだろうが、あーいう輩は昔からゴキブリ並みの生命力って相場がきまってるからなぁ。

「次、生きてなにかして来たなら……」
流石にあそこまで懲らしめたから、ないとは思いたいけどな。
次は無い。それだけだ。

カチャリと部屋のドアが開いた。

「あら、起きてたのね」

「おはよぉ母さん……」

「あらあら、眠そうね~抱っこする?」

「うん……」

やっぱ母さんだな~眠たくて憂鬱な朝も、この胸の上ならなんだか幸せな気分になれる気がするよ。

♢

キッチンへ母さんに抱かれたまま到着する。

「ススム殿、おはようございます」

「ん? ……………ああ、帰ってきたんだな」

やたらと背筋が通った白髪ダンディなおじさん、まぁシルマだな。横にはちょこんとちっこい緑髪の少年、ではなかったな……軽装なんて来てるが、よく見るとかなり整っている美少女りおん。
なにやらもじもじした様子で俺を見ているが……俺から挨拶したらいいのかな?

「リオンもおかえり、遠征はどうだった?」

「えと……だっだんちょ!! ただいまです!」

「ん?」あれ? りおんってこんなキャラだっけか?
確か俺の事をススムって呼び捨てにしてたはず? なよなよしてるのは変わらないが……敬語?

「ふふ、ススム、りおんちゃんはススムが変わったから困ってるんじゃないのかな?」

「僕が変わった?」
突然背後からそう言ってきたのは母さん、抱く俺を椅子に座らせたあと頭を撫で続けて言ってくる。

「ここ数日、団員が増えて心境に変化があったのかしら? 母さんに対しては甘えん坊のままだけど、少し雰囲気が変わった気がするのよね~」
甘えん坊ったって、俺まだ赤ん坊だからな~でも、団員が増えて雰囲気なんて変わるものなのか? こういうのって本人には自覚ないって聞くが……

「つまりかっこよくなったってことだね!」
自慢げに言う俺なのだが

「そうじゃなくてです、おじいちゃんにだんちょに世話になるんだから、それなりにしっかりした呼び方にした方がいいんじゃないかって言われたの、だから……えと……」
そうじゃなくては傷付くんだが? まぁ赤ちゃんだから仕方ないとして……ん~

「無理はしなくていいぞ? 俺だって皆に対して態度を変えるつもりは無いからな、りおんも今まで通り俺のことはススムでいいし敬語無しで大丈夫だ、……ていうか、いきなり対応を変えられる方がやりにくいし……」
まぁ俺なりに言葉を作ってみたが、こういうのって伝えるの難しいもんだよな。
俺は団長であるが、団員とは家族で同じ立場でもあるつもり、だからまぁ団員には強くなっては貰うが、悪くない中身を無理に変えさせる必要は無いって考えてんだ。

俺の言葉に戸惑うリオン。
となりでふぉっふぉっと笑い、シルマが言ってくる。

「そうじゃったな、確かに……ススム殿はその程度の事を気にしない器の広いお方、これは儂の頭が堅物過ぎたってことじゃな、りおんよ……時代というのは移り変わるもの、ワシらの考えは古い様じゃ、間違えた知識を押し付けてしもうた、すまない」

ふむ、たとえ孫のようなリオンに対してでも、こうしてしっかり頭を下げるとこ……シルマから学ぶべきところは多いな。

それにシルマが言うことも正しいんだよな。

「おっおじいちゃん……」
困ってるようなので、手を差し伸べてやるかな。

「まぁでも、俺はこんな性格だからな……それにこんな見た目だ、だからまぁ敬語もいらないって言うし、呼び捨てしても構わない……けど、それは俺に対してしか通用しない、だからリオン……シルマの言うことは正しいな、もう少し俺以外の初対面の相手に対しては礼儀を重んじた方が良いとは思うぞ」
フォローはこんなとこでいいだろ。

「だんちょ……」ふむ、心做しか尊敬の眼差しを向けられてる気がする。

……リオンと言えど、女は女……気分がいい。

「ふふん」まぁこれが20人もの団員を抱える、一ギルドの団長の威厳ってもんだ。

かっこつけてみた。そんな俺の背後から

とんとんと肩を叩くのは母さんか? 今いいとこなんだからちょっと待って欲しいな。

「ところですすむ?」

「どうしたの母さん?」

「……俺じゃなく僕だよね? おしりペンペンがいいのかしら?」

「………………………………ごめんなさい」

この後、シルマとリオンにめちゃくちゃ笑われた。
……ほんと、母さんは変なとこ厳しいと思う。……ていうか、一人称ぐらい好きにさせてくれぇーーー!!!

「だんちょ! えと……ボク、敬語は使わないけど、だんちょのことはこれから、だんちょって呼ぶね!」

「ん、あっああ、いいんじゃないか?」

「えへへ……あと、ボク……なんでもない!」

「ん?」よく分からんがまぁ、なんかリオンらしくなったから良かったかな?

「そういやシルマ、少し相談があるんだがいいか?」

「はい、ススム殿」

一応母さんから教えてもらい、団員が増えたこととギルドが出来たことは知ってたシルマとリオン。
でもまぁそれは団長であるの務めでもあるからな、改めて出来た経緯なども説明しておいた、

んで、まぁあれだ……シルマには団員共を鍛えてあげて貰えるようお願いしておいた。
……まぁ団員達の強さからして、あのままだと結構な割合で大怪我したり死んだりしそうだからな。

シルマの訓練は……俺は身をもって知っている。

あれに耐えられた奴が育たない訳ないからなぁ。

良くも悪くもうちのギルドメンバーは真面目なのが集まっている。だからまぁ良い感じに育ってくれるだろ。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリーです。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

飯屋の娘は魔法を使いたくない?

秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。 魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。 それを見ていた貴族の青年が…。 異世界転生の話です。 のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。 ※ 表紙は星影さんの作品です。 ※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。

異世界転生したおっさんが普通に生きる

カジキカジキ
ファンタジー
 第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位 応援頂きありがとうございました!  異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界  主人公のゴウは異世界転生した元冒険者  引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。  知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

処理中です...