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0010 兵庫 マーシー
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しおりを挟む「いらっしゃいませー」
なかなかのイケメンと言えるマスターが、カウンターへと案内してくれた。
太い腕、ここのマスターはボディービルダーかなぁ。
「こんばんは」
「あ、こんばんは」
すでにカウンターの奥に座るお客さんが1人、愛想良く挨拶をしてくれた。二十代後半に見える男性。
マスターはその男性客のことを『ダイちゃん』と呼んでいた。
「お飲み物は何にしましょう?」
マスターのお勧めは何だろう。
「マスターのお勧めをお願いします」
『カチーーカチカチ』
脳で2回目のカチカチという振動があった。
「マーシー、合格です」
『え? まだ名乗ってないのに何で僕の名前を知っているんですか?』と訊くところだった。
僕はカクテル能力者になったんだ。(7ページに解説あり)
カクテルというシステムはこうだ。
★現実世界の1秒を消費して、脳で思い描いた世界へ入れる。
★入った世界では最大100年まで体験できる。
★例え100年を体験して現実世界へ戻って来ても、現実世界では1秒しか経過していない。
★1人の脳内へ複数の人が入れる。
★複数で入る場合、その世界全体を見渡せるオペレーターを立てられる。
★複数人で入った場合、全員の脳の擦り合わせが起こる。
★1度でも見た人間はカクテル世界にてコミュニケーションがとれる。
★カクテル能力者同士はお互いに能力者だと分かる。
◆
『カチーーカチカチ』
『カチーーカチカチ』
僕は早速1人で自分のカクテル世界へ入り、戻って来た。
カクテル世界へ行ってお互いの自己紹介をし、
その世界でマスターとカクテルの質疑応答をし、
スマホを遣ったSOSの『・・・ーーー・・・』が無くともカクテル世界へ行き来できる話を聞き、
ダイちゃんとも仲良くなり、
男しか居ない悲しい王様ゲームで負けまくり、
テキーラの連続一気飲みをして記憶が飛びそうになったから現実世界へ戻って来た。
その間6時間。
マスターが目を見開き言った。
「へー、マーシーはIQが150もあるのか。東大生の平均が120だから、かなり賢いね。カクテルを会得して直ぐに活用したし、凄い応用力だ!」
ーーそうか! 今この瞬間、マスターもカクテル世界へ行き、既に僕の情報を得たんだ!
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