142 / 150
【最終章】背中とお腹
142ページ
しおりを挟む俺の方の大事な話は、お金よりも大切なものを教えてあげたかった事。
まさに金を扱う信用金庫の“信用”。銀行の信用は信頼から生まれ、信頼は誠実さを見抜いた者の双方の心にあると。
つまり嘘つき者や横柄な奴ではなく、いつも正直で、謙虚で、誠実で、正しいと思った事には全力で立ち向かう様な人を見抜く力。
人間を見る“目利き”
これを教えたかったが、ユリアの大事な話は2つも有り、『先に言わせて』と言うから譲った。
「お父ちゃんさえ許すなら、借金の返済が終わったら、アタシの稼いだお金は夢の為につかってもいい?」
「当たり前だ。これまでお前のお陰で助かった。金のかかる高校入学にも間に合うメドがたった。もう十分だ。ただ今をもって、自分の稼ぎは自分で管理しなさい。今まで本当にありがとう」
ユリアの夢の話は何度も聴いた。
小学生の頃は、ぬいぐるみのクマちゃんの例えでオモチャ屋さんになりたいと言っていた。
中3の今では、クマちゃんの様に小さな子だけを喜ばせるんじゃなくて、もっと幅広い年齢層を喜ばせたい夢に成長したという。
「お父ちゃんはアタシの為だけに純粋で誠心誠意、その身を削って心血注いでくれたから、アタシの方こそ感謝です。ありがとう」
ヤバい、これまでの努力とユリアの成長の思い出が同時並行になり、泣きそうだ。話を進めよう。
「そ、それでお前、もう1つ大事な話があるんだろ?」
「う、うん……それが……その~……」
「どうした急に、ユリアらしくない。ハッキリ言ってみろ」
「……すすす~、す~す~……」
「す~? あ、ステーキが食いたいか! ああドンと食え!」
「ちがっ! す~……す~……」
「す? あ、すき焼きやって、肉ばっか食いたいか? いいぞ、野菜はお父ちゃんが食う!」
「ちがうの……」
「寿司か! おう、回らない方の寿司でも許す! 食え食え!」
「……」
何なんだ? 俺より口の達者なユリアが口籠るなんて。
ユリアは急に正座をし、顔を赤らめ言う。
「す、好きな人ができた!」
なにィィィイイ!!
だ、だ、誰だ!?
俺の大切なユリア!!
「何処のどいつだ? ぶっ殺してやる!!」
【結婚式当日】
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる