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1.侵蝕ー始(ハジマリ)
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「さぁ、Zを飲んで君も新世代になろう!」
巷では、メディアでそういった放送が流れていた。都市部で広告を流す大型スクリーン、インターネットブラウザを立ち上げた時の防ぎようのないポップアップ、有名芸能人を使った宣伝。挙げだせばきりがない。
テレビを見れば、「私もこれ、飲みましたよ? それから病院に行ってませんよー。なんか国の支援とかでしばらくは無料で飲めるとかで。三ヶ月に一回、飲めば良いらしいです」と、ドラマ、バラエティなどで見ない日はない女性芸能人が言っている。
…んなわけねーだろ
はぁ、とため息をついて呆れ顔で城保孝は、発泡酒を飲みながら垂れ流し状態のテレビ番組を見ていた。
ため息が出てしまったのは、彼が開発に携わっていたからだ。
============
《1年前》
「予定は早いが、『上』からの命令だ。『Z』の臨床試験に移行する」研究所での上司にあたる中原は淡々とした口調で言った。
「そんな! まだあの薬には危険性があります! まだ臨床試験が出来る段階にありません! 考え直してください!」
焦った感じで言ったのは城だった。
「これは政府からの命令だ。背けば、どんな処罰が来るか分からん。あとは・・・、分かるな?城君」
巷では、メディアでそういった放送が流れていた。都市部で広告を流す大型スクリーン、インターネットブラウザを立ち上げた時の防ぎようのないポップアップ、有名芸能人を使った宣伝。挙げだせばきりがない。
テレビを見れば、「私もこれ、飲みましたよ? それから病院に行ってませんよー。なんか国の支援とかでしばらくは無料で飲めるとかで。三ヶ月に一回、飲めば良いらしいです」と、ドラマ、バラエティなどで見ない日はない女性芸能人が言っている。
…んなわけねーだろ
はぁ、とため息をついて呆れ顔で城保孝は、発泡酒を飲みながら垂れ流し状態のテレビ番組を見ていた。
ため息が出てしまったのは、彼が開発に携わっていたからだ。
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《1年前》
「予定は早いが、『上』からの命令だ。『Z』の臨床試験に移行する」研究所での上司にあたる中原は淡々とした口調で言った。
「そんな! まだあの薬には危険性があります! まだ臨床試験が出来る段階にありません! 考え直してください!」
焦った感じで言ったのは城だった。
「これは政府からの命令だ。背けば、どんな処罰が来るか分からん。あとは・・・、分かるな?城君」
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