「美少女157人も召喚できるだと!?」社畜の俺、尖ったトラウマを全部『まあるく』収めて大賢者になる。── やっぱりせかいはまあるいほうがいい

あとりえむ

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No.9 ユラ:質量なき圧倒的なEカップ

「一肆はずっと、アタシの腕の中でまあるく堕落していればいいんだよ……。またいつでも呼んでよね!」

シエルのつつみこむ翼で完全に癒やされた俺は、彼女が光の粒子となって消える前の、そんな自由で明るい別れの言葉の余韻に浸りながら、薄暗く冷え切った地下回廊へと足を踏み入れた。

しかし、静まり返ったその空間は、理のバグによって引き起こされた、息が白くなるほどの孤独と冷酷な圧迫感に支配されようとしていた。
スクエア・アイソレーション。
四方八方から突如として、見えないほど透き通った冷たくて鋭利な四角い氷の壁が迫り出し、俺の体温と精神を徐々に奪いながら、逃げ場のない孤独な空間へと閉じ込めようとしてきたのだ。
俺の脳内のデータ分析プロセスが、完全に遮断された空間での凍えるような孤立と、鋭角な冷気の接近を警告する。

前世で俺を精神的に追い詰めた、職場の冷え切った空気や、派閥争いによって誰にも助けを求められず、たった一人で冷たい視線に晒され続けた孤独のトラウマそのものだった。
あんな冷酷で四角い氷の壁に、俺の心を再び凍りつかされてたまるか。
俺は迫り来る鋭利な氷の包囲網に向かって、魂の呪文を叫んだ。

「出でよっ、ぱいぱいっ! ナンバー9!」

ぼよよぉん!

地下回廊の凍てつく空気を震わせ、次元の弾力境界が突破される音が響いた。
青白い人魂の光と共に現れたのは、足元が透けた黒髪のストレートヘアを揺らし、半透明でゆったりとしたネグリジェを着た幽霊の少女だった。
常にトロンとした眠たげな目つきの彼女の胸元には、霊体ゆえに物理的な質量はないはずなのに、なぜか圧倒的な柔らかさと重力を錯覚させるようなふくらみが存在している。



Eカップ。
俺の脳内データが瞬時に弾き出す。
生者の理屈を完全に無視し、魂に直接干渉して底なしの安らぎを与える、不可思議で奇跡的な双丘だ。

「お呼びなのぉ……。ナンバー9、添い寝係のユラ……。あんな冷たくて四角い壁なんて、まあるい夢の中に溶かしちゃうねぇ……」

ユラは消え入りそうなゆっくりとした声で自ら名乗りを上げ、フワフワと宙に浮きながら鋭利な氷の壁の前に漂い出た。
前後左右から鋭角な冷気が襲いかかってくる中、俺はすかさずスキルを発動する。

「万物円満(オール・ラウンド)!」

俺の『π=314』の力が、ユラの丸いエネルギーを百倍に増幅させる。

「夢玉バブル……なのぉ」

ユラが半透明な両手をかざすと、百倍に増幅された丸くて温かい光のシャボン玉が空間いっぱいにあふれ出した。
その幻想的な夢玉たちは、迫り来る冷たくて鋭利な四角い氷の壁に触れると、その冷気と角を優しく吸収していく。
鋭角だった氷の牢獄はあっという間に溶けて消え去り、周囲は幸せな夢を映し出しながらフワフワと漂う、丸くて温かい光のランタンのようなシャボン玉の空間へと姿を変えた。
戦闘は一瞬で、そして幽霊の不思議な魔法によって幻想的に丸く収まったのだ。

「ふふ……冷たい四角は、みーんな温かいまあるい夢になったよぉ……。さあ一肆、あんな冷たい壁に囲まれて、さぞ心が寒かったでしょぉ……。こっちで一緒に、眠ろうねぇ……」

ユラはフワフワと俺の目の前まで漂ってくると、そのまま物理法則を完全に無視し、俺の体の中にすうっと入り込むように抱きついてきた。

まどろみの霊体。
それはただの添い寝ではない、自身のEカップの霊体を対象の胸の中に半分透過させて沈み込ませ、心臓を直接柔らかな温もりで包み込みながら、周囲のシャボン玉に幸せな夢を強制投影して深い眠りに誘う、究極の安眠特技だ。

「あの鋭い四角い氷を見たら……前世の職場で孤立して、誰にも助けてもらえずに冷たい視線に囲まれていた記憶が蘇ってきて、心が凍りそうだったんだ」

俺が胸の奥底に直接流れ込んでくる不思議な温もりに息を吐き出すと、ユラは俺の心臓をEカップの霊体で優しく撫でながら、心底どうでもよさそうに呟いた。

「生きてる人間って……どうしてあんなに、せかせかして……意地悪なんだろうねぇ……馬鹿みたい……」

彼女のトロンとした声が、胸の内側から俺の全身へと響き渡る。

「そんな冷たい人たちのことなんて……死んでしまえば、みーんな同じなのにねぇ……。一肆はもう、生きている人たちのつまらない意地悪なんて、気にしなくていいんだよぉ……」

「ユラ……。そっか、俺はずっと、あんな冷たい連中のために無駄に心をすり減らしていたんだな……」

「そうだよぉ……。だから今は、私のこの丸みと……温かい夢だけを見ていればいいのぉ……」

俺の心臓は今、ユラの質量なきEカップに直接包み込まれている。
冷え切っていた血液が、彼女の霊体の不思議な熱によって温められ、全身にポカポカと巡っていくのがわかった。
そして周囲を漂う丸いシャボン玉たちには、角のないフワフワで平和な夢の景色が次々と映し出され、俺の視覚と心臓の両方から、過去の冷たいトラウマを完全に上書きしていく。
現世のしがらみを「馬鹿みたい」と全否定してくれた幽霊の彼女の言葉が、俺の心に残っていた孤独の氷を跡形もなく溶かしてくれた。

「ユラの胸の温かさと……この夢の景色……最高すぎて、もう現世の冷たさなんてどうでもよくなってきた……眠い……」

「ふふ……いいお顔になったねぇ……。一肆はずっと、私の中でまあるく眠っていればいいのぉ……」

「やはり、世界は丸いほうがいい……」

幽霊の少女が与えてくれる現世への完全な無関心と、心臓に直結したEカップのまどろみに完全に自我を溶かされながら、俺は賢者タイム気味に平和を噛み締めていた。
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