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第三帖
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雲一つない冬の空の下、内裏の清涼殿は、目も眩むような雅びさに包まれていた。
今日は帝が主催される薫物合の当日である。
選び抜かれた貴族たちが、己の家の誇りを懸けて練り上げた香を持ち寄り、その優劣を競う。
殿上には、最高級の織物を用いた御簾が垂れ、微かな風に揺れるたびに、高貴な人々が纏う衣擦れの音が重なり合っていた。
その華やかな舞台の影、冷たい土の上を、瑠璃はひとり歩いていた。
かつての姫としての立場を完全に奪われ、今は下働きとして、重い水桶を運ぶ女房たちの群れに混ざっている。
粗末な麻の衣は薄く、冬の風が肌を刺すが、瑠璃の心は驚くほどに凪いでいた。
彼女を支えるのは、自分一人の力だけではなかったからだ。
「瑠璃様、こちらです。この裏道を通れば、誰にも見つからずに殿上の近くまで行けます」
声を潜めて手招きしたのは、第一話で瑠璃の香によって救われた老僕、忠房であった。
彼だけではない。瑠璃が密かに癒やしてきた若い女房や下男たちが、示し合わせたように彼女の道を作っていた。
ある者は衛士の目を逸らすために世間話を仕掛け、ある者は瑠璃の荷物を代わりに運び、彼女が「その時」を逃さぬよう、静かな連携で支えている。
「……ありがとうございます。皆様の優しさ、決して忘れません」
瑠璃は感謝を瞳に宿し、懐の瓶を握りしめた。
道隆が泥の中に投げ捨て、顧みることもしなかったあの薬水の瓶。
それは単なる液体ではない。香りを完成させるための鍵であり、瑠璃がこれまで無私に人々に捧げてきた慈愛の結晶でもあった。
御簾の隙間から、殿上の様子を伺う。
そこには、今やこの世の春を謳歌する道隆と、その傍らで美しく着飾った明子がいた。
道隆は、正妻であるはずの瑠璃の存在など最初からなかったかのように、明子を我が物顔で帝に紹介している。
「陛下、これこそが我が妻、明子が心血を注ぎ、我が家の家運を賭して練り上げました至高の香にございます。これまでの古臭い伝統を打ち破る、新しい時代の芳香をご堪能ください」
道隆の声は自信に満ち溢れ、清涼殿の隅々にまで響き渡った。
列席した貴族たちは、その大言壮語に興味津々な様子で顔を見合わせる。
しかし、上座に座す東宮だけは、どこか険しい表情で明子を見つめていた。
東宮は、先日あの邸の庭で、正体不明の下働きの女が放った、あの「静寂の残り香」を忘れていなかった。
あの日、自分の孤独をそっと包み込んでくれたあの澄み切った魂の響き。
目の前にいる、欲深げな輝きを瞳に宿し、他者の手柄を誇るような女から、あのような気高い魂を感じることができず、東宮は言いようのない不快感を覚えていた。
やがて、明子が震える指先で、瑠璃から盗んだ香の種を銀葉の上に乗せた。
炭火の熱が、ゆっくりと香の芯を温めていく。
最初は、瑠璃が計算した通りの、圧倒的な芳香が広がり始めた。
それは、何十種類もの名香を一つに凝縮したような、狂おしいほどに甘く、神秘的な香りだった。
「おお……これは……。なんと、なんと芳しいのだ」
帝が思わず身を乗り出し、感嘆の声を漏らされた。
周囲の貴族たちも、その劇的な香りの広がりに酔いしれ、道隆を称賛する視線を送る。
道隆は満足げに胸を張り、明子は勝利を確信したように、御簾の向こう側を、見下すように一瞥した。
今この瞬間、自分こそがこの世で最も輝く女性になったのだと、彼女は確信していた。
だが、その陶酔は長くは続かなかった。
炭の熱が香の核に達し、まだ調律されていない未熟な動物性香料が、異常な高温に晒された瞬間。
空気の色が、物理的に変わったかのように一変した。
「……っ。な、何だ、この臭いは!」
誰かが叫んだ。
甘美な夢は一瞬にして崩れ去り、そこには想像を絶する醜悪な臭気が立ち込めた。
それは、夏の盛りに放置された獣の死骸が腐り果てたような、脂ぎった肉を煮詰めたような、肺にこびりついて離れない強烈な悪臭だった。
熱せられた香の芯から、ドロドロとした黒い煙が立ち昇る。
かつての甘さは、今は鼻腔を突き刺す酸っぱい腐敗臭へと変わり、高貴な清涼殿を汚していく。
古井戸の底に溜まった汚泥が煮えくり返ったような、生々しく不浄なその臭いは、一度吸い込めば胃の底から吐き気が込み上げるほどの破壊力を持っていた。
あまりの衝撃に、帝は激しく咽せ込み、顔を覆って立ち上がられた。
「不浄なり! 神聖なる内裏を、このような死臭で汚すとは何事か! 道隆、貴殿は我らを、この神を、侮辱するつもりか!」
帝の怒号が、雷鳴のように響き渡った。
静まり返っていた宮中は、一転して阿鼻叫喚の地獄へと変わる。
貴族たちは袖で鼻を覆い、吐き気を堪えてその場から逃げ出そうとした。
しかし、その臭いは一度肺に入ると二度と消えない呪いのように、人々の衣服や肌に吸い付いて離れない。
特に香を焚いた本人である明子と、それを自慢げに紹介した道隆は、自分たちの体からその臭いが発生しているかのような錯覚に陥り、真っ青になって畳に這いつくばった。
先ほどまでの傲慢さはどこへやら、二人は互いを突き飛ばし、必死に保身の言葉を並べ立てる。
東宮は、鼻を突く異臭の中で、ただひとり冷静に、御簾の向こうの影を見つめていた。
この悪臭の奥に、ほんの一瞬だけ、あの夜の、そしてあの庭で聞いた「真実の香り」の残滓が感じられたからだ。
それは、泥の中に沈められた宝玉が、助けを求めているかのような響きだった。
「道隆、明子。そなたらが何を企んだにせよ、この穢れを清めぬ限り、容赦はせぬ。……だが、これほどの不浄を生み出した元凶が、本当にお前たちのような無知な者たちであったのか、疑わしいな」
東宮の視線が、正確に瑠璃の潜む場所を貫いた。
瑠璃は静かに、自分を支えてくれた忠房たちの顔を一度見回し、深く頷いた。
自分の名前が呼ばれるのは、もうすぐそこまで来ている。
「瑠璃様、行ってください。真実を、皆様に届けてください」
忠房の震える声に背中を押され、瑠璃は一歩前へと踏み出した。
手に持った薬水の瓶は、冬の陽光を浴びて、ダイヤモンドのように硬く、美しく輝いていた。
それは、嘘にまみれた内裏を浄化する、唯一の光であった。
今日は帝が主催される薫物合の当日である。
選び抜かれた貴族たちが、己の家の誇りを懸けて練り上げた香を持ち寄り、その優劣を競う。
殿上には、最高級の織物を用いた御簾が垂れ、微かな風に揺れるたびに、高貴な人々が纏う衣擦れの音が重なり合っていた。
その華やかな舞台の影、冷たい土の上を、瑠璃はひとり歩いていた。
かつての姫としての立場を完全に奪われ、今は下働きとして、重い水桶を運ぶ女房たちの群れに混ざっている。
粗末な麻の衣は薄く、冬の風が肌を刺すが、瑠璃の心は驚くほどに凪いでいた。
彼女を支えるのは、自分一人の力だけではなかったからだ。
「瑠璃様、こちらです。この裏道を通れば、誰にも見つからずに殿上の近くまで行けます」
声を潜めて手招きしたのは、第一話で瑠璃の香によって救われた老僕、忠房であった。
彼だけではない。瑠璃が密かに癒やしてきた若い女房や下男たちが、示し合わせたように彼女の道を作っていた。
ある者は衛士の目を逸らすために世間話を仕掛け、ある者は瑠璃の荷物を代わりに運び、彼女が「その時」を逃さぬよう、静かな連携で支えている。
「……ありがとうございます。皆様の優しさ、決して忘れません」
瑠璃は感謝を瞳に宿し、懐の瓶を握りしめた。
道隆が泥の中に投げ捨て、顧みることもしなかったあの薬水の瓶。
それは単なる液体ではない。香りを完成させるための鍵であり、瑠璃がこれまで無私に人々に捧げてきた慈愛の結晶でもあった。
御簾の隙間から、殿上の様子を伺う。
そこには、今やこの世の春を謳歌する道隆と、その傍らで美しく着飾った明子がいた。
道隆は、正妻であるはずの瑠璃の存在など最初からなかったかのように、明子を我が物顔で帝に紹介している。
「陛下、これこそが我が妻、明子が心血を注ぎ、我が家の家運を賭して練り上げました至高の香にございます。これまでの古臭い伝統を打ち破る、新しい時代の芳香をご堪能ください」
道隆の声は自信に満ち溢れ、清涼殿の隅々にまで響き渡った。
列席した貴族たちは、その大言壮語に興味津々な様子で顔を見合わせる。
しかし、上座に座す東宮だけは、どこか険しい表情で明子を見つめていた。
東宮は、先日あの邸の庭で、正体不明の下働きの女が放った、あの「静寂の残り香」を忘れていなかった。
あの日、自分の孤独をそっと包み込んでくれたあの澄み切った魂の響き。
目の前にいる、欲深げな輝きを瞳に宿し、他者の手柄を誇るような女から、あのような気高い魂を感じることができず、東宮は言いようのない不快感を覚えていた。
やがて、明子が震える指先で、瑠璃から盗んだ香の種を銀葉の上に乗せた。
炭火の熱が、ゆっくりと香の芯を温めていく。
最初は、瑠璃が計算した通りの、圧倒的な芳香が広がり始めた。
それは、何十種類もの名香を一つに凝縮したような、狂おしいほどに甘く、神秘的な香りだった。
「おお……これは……。なんと、なんと芳しいのだ」
帝が思わず身を乗り出し、感嘆の声を漏らされた。
周囲の貴族たちも、その劇的な香りの広がりに酔いしれ、道隆を称賛する視線を送る。
道隆は満足げに胸を張り、明子は勝利を確信したように、御簾の向こう側を、見下すように一瞥した。
今この瞬間、自分こそがこの世で最も輝く女性になったのだと、彼女は確信していた。
だが、その陶酔は長くは続かなかった。
炭の熱が香の核に達し、まだ調律されていない未熟な動物性香料が、異常な高温に晒された瞬間。
空気の色が、物理的に変わったかのように一変した。
「……っ。な、何だ、この臭いは!」
誰かが叫んだ。
甘美な夢は一瞬にして崩れ去り、そこには想像を絶する醜悪な臭気が立ち込めた。
それは、夏の盛りに放置された獣の死骸が腐り果てたような、脂ぎった肉を煮詰めたような、肺にこびりついて離れない強烈な悪臭だった。
熱せられた香の芯から、ドロドロとした黒い煙が立ち昇る。
かつての甘さは、今は鼻腔を突き刺す酸っぱい腐敗臭へと変わり、高貴な清涼殿を汚していく。
古井戸の底に溜まった汚泥が煮えくり返ったような、生々しく不浄なその臭いは、一度吸い込めば胃の底から吐き気が込み上げるほどの破壊力を持っていた。
あまりの衝撃に、帝は激しく咽せ込み、顔を覆って立ち上がられた。
「不浄なり! 神聖なる内裏を、このような死臭で汚すとは何事か! 道隆、貴殿は我らを、この神を、侮辱するつもりか!」
帝の怒号が、雷鳴のように響き渡った。
静まり返っていた宮中は、一転して阿鼻叫喚の地獄へと変わる。
貴族たちは袖で鼻を覆い、吐き気を堪えてその場から逃げ出そうとした。
しかし、その臭いは一度肺に入ると二度と消えない呪いのように、人々の衣服や肌に吸い付いて離れない。
特に香を焚いた本人である明子と、それを自慢げに紹介した道隆は、自分たちの体からその臭いが発生しているかのような錯覚に陥り、真っ青になって畳に這いつくばった。
先ほどまでの傲慢さはどこへやら、二人は互いを突き飛ばし、必死に保身の言葉を並べ立てる。
東宮は、鼻を突く異臭の中で、ただひとり冷静に、御簾の向こうの影を見つめていた。
この悪臭の奥に、ほんの一瞬だけ、あの夜の、そしてあの庭で聞いた「真実の香り」の残滓が感じられたからだ。
それは、泥の中に沈められた宝玉が、助けを求めているかのような響きだった。
「道隆、明子。そなたらが何を企んだにせよ、この穢れを清めぬ限り、容赦はせぬ。……だが、これほどの不浄を生み出した元凶が、本当にお前たちのような無知な者たちであったのか、疑わしいな」
東宮の視線が、正確に瑠璃の潜む場所を貫いた。
瑠璃は静かに、自分を支えてくれた忠房たちの顔を一度見回し、深く頷いた。
自分の名前が呼ばれるのは、もうすぐそこまで来ている。
「瑠璃様、行ってください。真実を、皆様に届けてください」
忠房の震える声に背中を押され、瑠璃は一歩前へと踏み出した。
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