理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界生活は大変です

往診終了

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俺がリハビリ専門の教本を書き、それを売りたいと告げるとアレフさんが領主様に話を通してくれると言ってくれ、俺は詰所をあとにし、往診先へと向かう。

 往診も久しぶりだし、あのお婆さんがどうなっているかは気になるな。

 そして俺はそのお婆さんの家に到着し、扉をノックする。

「失礼します、往診のミヤシタです」

 俺がそう呼びかけると扉が開き、お婆さんが自ら俺を出迎えてくれた。

「いらっしゃいませ、ミヤシタさん、ようこそおいでくださいました」
「あ、ありがとうございます」

 まさかしばらく会っていないうちに玄関まで迎えられるようになっているとはな、それにユーリ君もいそうにないし、少し尋ねてみるか。

「あの、お孫さんは?」
「孫なら朝からパン屋に行ってますが」
「朝から……ですか?」
「ええ、私の身体の調子が良くなったからこの間から朝から働きに出ていますよ」

 回復の速さにも驚いたが、ユーリ君がもう朝から働きに出ている事を思うと、このお婆さんは相当調子がいいらしいな。

「その毎日やっぱりリハビリメニューをこなしているんですか?」
「ええ、あれを繰り返していると段々と歩ける距離が伸びて来ましてね、さすがにまだ外で買い物はできませんが家のお掃除やお料理はできますよ」

 骨折で寝たきりになって筋力が相当弱まっているはずだから、ここまでの回復は正直予想外だが、ミーザのお母さんの例もあるしこのお婆さんもやはり元々体力のある方だったかもしれない。

「と、とりあえず今日のメニューをしますね」
「はい」

 お婆さんが少なくともしっかりと家の中では動けている状態を確認した俺は本日でリハビリを終了する事を告げる。

「あの、歩行に問題はなく、日常生活を送るのに特に問題はないと判断し、本日で往診を終了したいと思います」
「そうですか、今日までありがとうございました」
「いえ、これからはご自身のペースで無理なく運動をしてくださいね、それが筋力低下の予防にもなりますから」
「はい」

 そしてお婆さんは俺に対し礼の言葉と孫のユーリ君への思いを話す。

「ミヤシタさんがいらしてくれなければきっと私は今でも寝たきりでユーリに迷惑をかけていたでしょうし、本当にありがとうございます」
「そんな、自分は少し力を貸しただけです、この状況を乗り切ったのはおばあさまの頑張りとユーリ君の支えがあったからですよ」
「そう言ってもらえると助かります。ミヤシタさんたまにはユーリのパン屋に行ってください、お願いします」
「ええ、もちろん。ユーリ君の作ったパンを食べに行きますよ」

 1つの家族がこうやってより良い日常に戻っていく。きっと俺の本作りはよりそれを広めていけるかもしれない。
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