理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界で仲間が増えました

行き交う知り合い

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 俺とミミはキッコの街の広場に行き、街頭アンケートの用紙を声をかけてくる人達に配布し、記入してもらう。

 やっぱりだが小さい子供を持つ母親が回答者の中心だな。ミミも雰囲気に慣れてきて声をよく出しているようだ。

「皆さん、是非アンケートご協力お願いします!ご不明な点がございましたらお申し付けください」
「ごめんなさい、孫の好き嫌いは私もどうにかしたいんだけど字がよく読めないから説明してくださる?」
「はい、それはですね……」

 回答者の質問にも丁寧に答えている、さすがはミミだ。
 そんな中、俺達に声をかける知り合いが現れる。

「ミヤシタさん、ミミさん、私もいいかしら?」
「ミランダさん、はい、いいですよ」
「子供の好き嫌い調査……、ちょうどいいわ。リンも結構好き嫌いが多いし、ミヤシタさんがいい方法を考えてくれるのならのっかっちゃおうかしら」
「リンちゃんも好き嫌いがあるんですね?」

 ダンカンさんとミランダさんの娘であるリンちゃんも好き嫌いが多いんだな。両親はできた人達でもそういう事ってあるもんなんだな。特にミランダさんは料理が上手いからなおさら意外だな。

「私はもっと、いろんな野菜を食べてもらいたんだけど、主人は結構リンに甘いところがあるからそこも悩みなのよね」
「そ、それは大変ですね……」

 あのダンカンさんも娘には弱いんだな、以前俺達には奥さんとのイチャイチャを見せつけておいて、奥さんと娘が対立したら娘の肩を持つような人だったとは、ま、まあここはうまい方法を見つけて夫婦の危機を回避しないとな。それはリンちゃんの為でもあるし。

 そんな事を考えていたら、ミランダさんはアンケート用紙に記入を終えて俺に声をかける。

「じゃあ、よろしくね」
「はい、ご協力ありがとうございます」

 俺がお礼の言葉を言い終えると、ミランダさんはその場を去っていく。

 そこからも記入済み用紙はどんどんと増えていき、2人で合わせて50枚持っていた用紙ががもう半分近く埋まった。

「結構用紙も埋まって来たけど、まだ午後の診療まで時間あるし、もう少し頑張るか?」
「はい、私はまだまだできるので頑張ります」

 ミミが俺の問いに元気よく返事をすると、俺の後ろから聞き覚えのある声がする。

「あ、ユーイチさんとミミちゃんだ。何やっているの?」
「メルさん?メルさんこそ……って、それって買い物ですか?」
「そうよ、もうすぐ開店するから楽しみにしててね、それでその紙何かな?みせて」
「あっ……」

 メルさんが突如、俺からアンケート用紙を奪い、真剣に読んでおり、読み終えると俺に対しすごい発言をする。

「子供の好き嫌いねえ、そんなの私の料理を食べれば一発でどうにかなるよ」

 え?単なる自信家だと思っていたが、あえて言わせろ。何言ってんだこの人?
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