理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

異世界で仲間が増えました

街頭アンケート

　ソフィアさんから弟さんの野菜嫌いについて相談を受けた俺は更に街中でアンケートをとって野菜嫌いの子供がどれだけいるかを調査し、更にその改善方法を考える事とした。

　ソフィアさんが相談に来た翌日、午前の診療を終えて昼食休憩時にこれからの動きを改めてミミ、ミーザと話している。

「じゃあ今日は昨日言った通り、俺とミミは街中に出てアンケート調査をしてくるからミーザは診療所の留守を頼む」
「それはいいけど、具体的にどうするの？」

　ミーザに問われた俺は一旦食事の席を外して診察室のデスクに戻ってそこから紙を取り出し、再び食事のテーブルに戻る。

「これを使う」
「これがアンケート用紙⁉いろいろ書いてあるね？」
「基本的な項目調査から、俺達に相談したい事を書く欄を作ってみた」

　1枚でもこれだけの項目作りは手書きで作るのは大変だったな。少し金はかかるが印刷所に行って量産してもらおう。

「それじゃあミミ、まずは印刷所に行って、枚数を多く確保しに行こう」
「はい、それじゃあミーザさんお留守番よろしくお願いしますね」
「うん、ユーイチ、ミミ、気をつけてね」

　ミーザの言葉を受けて、俺達はまず印刷所に向かい原本を刷ってもらい、量産してもらう。ざっと50枚ってところか、小さいお子さんのいる家を正確に把握しているわけじゃないがとりあえずこれでやってみよう。

　そして俺達は街の広場に移動し、人生初の街頭アンケートの呼び込みに挑戦する。もうぶっつけ本番だなるようになれ！

「みなさーーん！私達はミヤシタ・リハビリ・クリニックの者でーーす！」
「ユ、ユーイチ様……」

　俺が叫びだしミミは照れながら戸惑っていたが、少しづつ人が注目しだしてきた。よし、ここでアンケート用紙をかざすぞ。

「本日は街の皆様にアンケートにご協力していただきたく、広場まで来ました！お時間ある方は是非ご協力いただくと幸いです」

　少し街の人がざわついて、何やら話声が聞こえる。

「あの人って、確か……」
「ええ、あのリハビリの……」
「うちの旦那もあの人のリハビリを受けてから調子がいいのよ」

　話声が聞こえてくる中1人の女性が俺に声をかけに来る。

「ねえ、そのアンケートの紙みせてもらっていいかしら？」
「よろしいですが、おたくにお子さんはいらっしゃいますか？」
「ええ、5つの男の子と3つの女の子が」
「それなら2枚渡しますのでご協力ください」

　女性はアンケート用紙を読んで、俺がペンを渡すと項目に〇をつけて、なにか要望も書いているな。よし、ここからどんどんいくぞ。