補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く

burazu

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冒険者デビュー

調合スキル

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 マンドラゴラを協力して倒し、薬草を47枚集める事に成功したニラダ達は森をあとにしてギルドへと戻り、クエストの成功報酬、魔石の換金、そして集めた薬草に応じた取り分を手に入れる。

「15枚か、これだけあれば十分な治療薬が作れるわね」
「街の薬師に依頼しに行くか?」
「大丈夫よ、私調合スキルもあるし、薬草さえあれば治療薬を作るのは造作もないわ」
「ティアさん、調合スキルも持ってたの!すごい!」

 ティアが調合スキルを持っている事に驚きを隠せないミヨモに対してスキルを得た経緯を話す。

「調合は聖職者としての修行で得たスキルよ、魔力が切れてもしっかりと治療ができるようにね」
「そうなんだ、すごいね」
「とりあえず今日の宿に行きましょう、そこで治療薬を調合するから」
「分かった、俺は自分の家に帰るからまた明日」

 ニラダはこの街の出身者である為、自分の住居がある為、そこに帰る事を告げるとミヨモとティアが帰りの挨拶をする。

「あ、そっか、この街でずっと暮らしていたもんね、じゃあまた明日ね」
「おやすみなさい、また明日」

 ニラダは自分の家に、ミヨモとティアは宿へと向かい、その日は解散した。

 そして翌朝、ニラダはミヨモ達が宿泊している宿の前に向かい、ミヨモ達と合流する。

「あ、おはようニラダ君、よく眠れた?」
「おはよう、まあ自分の家だし寝つきはいいかな、そっちこそ宿ではグッスリ眠れたか?」
「私はね、でもティアさん遅くまで調合していたらしいの」
「そういえばティアを見かけないな、どうしたんだ?」

 宿の前にミヨモしかおらずティアの存在を確認できない事でどうしたかをニラダはミヨモに尋ねる。

「もう少しだけ寝るって言ってたから、私だけ先にニラダ君を待っていたの」
「そうか、仕方ないここで待たしてもらうとするか」

 ニラダがそう言ってしばらく待っていると宿からティアが出てきて、ニラダ達に声をかける。

「おはようニラダ、ミヨモも待たしたわね」
「おはよう、ところで治療薬は完成したのか?」
「もちろんよ、これよ」

 ティアがマジックボックスより治療薬を取り出すと、ニラダはその完成品に目を奪われる。

「すごいな、あの薬草からこの飲み薬を作るなんて」
「まあね、さ、早速持っていかないと」
「孤児院まで届けるのか?俺達も一緒に行くよ」
「その必要はないわ、荷馬車で届けてもらうから、ちょっとこの街からは遠いからね」

 ティアの育った孤児院はデデンの街からは遠く、荷馬車で届けてもらう事とし、早速郵便所へと行き、依頼をする。

 初めての冒険者として得た薬草で作った薬をかつて育った孤児院へと送るティアであった。
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