補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く

burazu

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パーティーランクを上げろ

危険の回避の為

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『食糧配給』のクエストを受けたものの、デグの村までの道のりから危険性を感じたニラダは少しでも危険を回避するためにある事を思いつき、まずは受付嬢にいくつかの事を再確認する。

「それじゃあ例えば食料の一部をパーティーの移動用の馬車に移す事は可能ですか?」
「ギルドとしましては、本クエストに関しては最低限の準備をしたあとは冒険者の方々の判断に委ねますので可能です」
「つまり他にもこのクエストを受けるがいればその分、分けて運搬する事も可能ですよね」
「そういう事になりますが、現時点では『成長しあう者達』の皆さんだけがこのクエストをお受けになっている状態でございます」

 ニラダは食料を魔物が襲って強奪する危険性を危惧しており、それらの危険性を少しでも回避する為、パーティーの移動用馬車にも食料を置けるかを確認し、可能であると知り、クエストを受けるパーティーが増えればその分分割されるはずと話すが、現状今のクエストを受けているのは自分達だけだという事を知らされる。

「それじゃあ今から合同クエストの呼びかけは可能ですか?」
「申し訳ありません、既に本クエストの為に食材の運搬は始まっていますし、それらの呼びかけには時間がかかるかと」
「そ、そうですか……」
「ですが、明日までにどなたかが受けてくださるのなら、そのパーティー分の馬車の手配は可能です。もし人手が必要ならば参加してくださるよう交渉していただくのが良いかと」

 受付嬢より合同クエストの呼びかけはできないものの、参加希望者の馬車の手配は可能だというのだ。

 それを聞いたニラダは再度パーティーメンバーの元に戻って行く。

「あ、ニラダ君、何を確認していたの?」
「危険性を下げる方法を思いついた、ちょっと聞いてくれるか」

 そう言うとニラダは運搬用の馬車のみではなくパーティーの移動用の馬車にも食材を詰め込むことを話し、更には馬車を増やす為に他のパーティーにこのクエストに参加するように働きかけることを提案する。

「そっか、他のパーティーも参加してくれたら食料を分割して運べるから少しは安全だね」
「全く危険がなくなるわけではないけどいい考えね」
「それで参加してくれそうなパーティーに心当たりはあるのか?」
「いや、ない!これから交渉しようと思っている」

 参加してくれるパーティーに心当たりがないという発言に一同は一瞬あっけにとられ、すぐにジャンがツッコミを入れる。

「おいおい、そんなんで大丈夫なのか?」
「まあ、いくつか交渉の材料もあるし、が、頑張ってみるよ……」

 ニラダの歯切れの悪さに一同は少し不安を感じていた。そしてタイムリミットはあと1日しかないのだ。
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