補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く

burazu

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目指せSランク

続く決闘

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 デデンの街で冒険者として歩みだしたばかりのニラダの師匠であるガンディーの話をデデンのギルド長を務めているカーリソンより聞く事になったニラダだが、その話の中、カーリソンギルド長はガンディーに対しギルド公認の決闘を申し込んだことを明かした。

 そんな中、ティアが疑問に浮かんだことがあり、カーリソンギルド長に尋ねる。

「あの、カーリソンギルド長、お話の途中ですが疑問に浮かんだことがあるのでよろしいでしょうか?」
「何だ?」
「あの、確か今は冒険者同士のいさかいはご法度のはずですが、当時はそれほど厳格ではなかったのですね?」
「決闘制度は当時冒険者同士のいさかいを裁くのには有効と思われていたがな、わしがギルド長に就任したときに廃止したが、まあまずはガンディーとの決闘について話そう」

 ティアのちょっとした疑問に軽く返答するとカーリソンギルド長はガンディーとの決闘について話し始める。

「奴も剣をとった時はさすがにわしもなめられたと思ったが、奴は剣技ですらも高いレベルでこなしておりわしも本気でやらねば負けると思ったな」
「師匠、魔法以外も……」
「なんかニラダ君みたいだね」
「ガンディーにはニラダのような補助魔法の効力を高めるスキルはないが、奴は最終的に補助魔法で自らを強化し、わしは決闘に敗れた」
「カーリソンギルド長が師匠に……」

 ニラダも自分の師匠がいまやSランク冒険者として認められており、高みにいる事を認識しながらも新人の頃に既に冒険者として実績のあったカーリソンに決闘で勝利していた事に驚きを隠せないでいた。

「これでわしの主張は退けられ、奴は自ら他の冒険者を勧誘しパーティーを結成していったのだ」
「そうだったんですね」
「わしがギルド長に就任後に決闘廃止に踏み切ったのはこの決闘があったからなのだ」
「え?ここまでの話を聞く感じではそのような様子は見られませんでしたが」
「問題はこの決闘の後におきたのだ、わし以外にも多くの者が、ガンディーに決闘を申し込んでいったのだ」

 カーリソンとの決闘後、ガンディーに決闘を望む者がいた事を聞き、その真意をカーリソンは言及する。

「その後、わしのパーティーや一部の高ランク冒険者以外の者が日や人を変えて奴に決闘を申し込んだのだ、まるで奴の邪魔をするようにな」
「邪魔……そうか、クエストを……」
「そういう事だ、新人リーダーである奴をつぶす為にな」
「いくら師匠が尊大な態度をとっているとはいえ……そこまでやるなんて」
「奴自身が退けている傍ら、わしもその者達を一喝し決闘の回数を少しづつ減らすことでどうにか収まったがな」

 カーリソンの手助けもあり、なんとか決闘の波を抜け出したガンディー、その後の彼は?
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