補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く

burazu

文字の大きさ
136 / 192
目指せSランク

各々の役割

しおりを挟む
 クロスマウンテンで龍の葉を手に入れ下山を試みるニラダ達であったが、出入り口付近に近づくとかつて魔王に仕えていたハイ・デュラハンのギガングと遭遇し、山からの脱出の為戦闘で突破する事を決意する。

「ふん、単なる冒険者風情が、この私を相手に生きて帰れるとでも」
「いくらお前が強くても俺達を相手に1人でするのはかなり困難なはずだ、魔王がいない今お前の魔力は幹部時代より弱体化しているはずだからな」
「確かに、魔王様亡き今、我が魔力は低下したが、それでもこれくらいの事はできるぞ」

 ギガングがそう言うと、どこからともなく再度ガーゴイルが現れ、しかも槍を所持していたのだ。

「あれはガーゴイル⁉」
「うん、魔力の波動から感じるのはさっき、私達が戦ったガーゴイルだよ、ギガングが指揮していたんだ」
「まさかまた空から攻撃をしてくるんじゃ?」

 先程ニラダ達が戦ったガーゴイルがギガングの指揮のもと現れ、再び空中からの攻撃があるのではないかとジャンは不安になるが、その時にギガングが言い放つ。

「また槍を破壊されては少々困るのでな、今度は貴様らを接近戦で殺してくれる」
「へっ、警戒してくれて助かるな」
「いいえ、ジャン、低空飛行でもガーゴイルに対処するのは大変だし、おそらくギガングはさっきの戦いでニラダ以外の私達ならガーゴイルの接近戦で十分と考えているわ」
「何だって⁉くそ」

 ギガングが部下のガーゴイル達を呼び戻し、確実に自分達を封殺するつもりである事をティアがジャンに告げるとニラダが一同に呼びかける。

「それでもギガングさえ倒せばこのガーゴイル達も戦意を失うはずだ、俺がどうにかギガングを引き付ける、みんなはガーゴイルを頼む、可能なら殲滅してくれ」
「待って!相手は弱体化しているとはいえ、魔王軍の幹部だった魔物よ、1人で引き付けるのは……」
「そうだぜ、4人でまずはガーゴイルを倒そうぜ、そうすりゃああいつは1人だ」
「奴がガーゴイルと連携すればそれこそ俺達は全滅してしまう、俺ならそう簡単にはやられない!」
「ニラダ君……、分かった、ニラダ君、ギガングをお願い!ガーゴイルは私達が倒すから!」

 ミヨモがニラダの意見に賛同する事を強く尋ねるとティアがミヨモに呼びかける。

「ミヨモ!あなたまで……」
「でもガーゴイルさえ倒せれば私達が脱出する隙はできるかもしれないし、ニラダ君は補助魔法やスキル、それにケンさんとの修行でも強くなっているんだし信じようよ」
「ミヨモ、分かったわ、私達が生き残って脱出する方法はそれしかなさそうね」
「頼んだぞニラダ!」
「みんなも頼むぞ」

 各々の役割を理解し、一同は山からの脱出の為、ガーゴイル、そしてギガングとの戦いに臨んでいく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

湖畔の賢者

そらまめ
ファンタジー
 秋山透はソロキャンプに向かう途中で突然目の前に現れた次元の裂け目に呑まれ、歪んでゆく視界、そして自分の体までもが波打つように歪み、彼は自然と目を閉じた。目蓋に明るさを感じ、ゆっくりと目を開けると大樹の横で車はエンジンを止めて停まっていた。  ゆっくりと彼は車から降りて側にある大樹に触れた。そのまま上着のポケット中からスマホ取り出し確認すると圏外表示。縋るようにマップアプリで場所を確認するも……位置情報取得出来ずに不明と。  彼は大きく落胆し、大樹にもたれ掛かるように背を預け、そのまま力なく崩れ落ちた。 「あははは、まいったな。どこなんだ、ここは」  そう力なく呟き苦笑いしながら、不安から両手で顔を覆った。  楽しみにしていたキャンプから一転し、ほぼ絶望に近い状況に見舞われた。  目にしたことも聞いたこともない。空間の裂け目に呑まれ、知らない場所へ。  そんな突然の不幸に見舞われた秋山透の物語。

ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました

グミ食べたい
ファンタジー
 現実に疲れ果てた俺がたどり着いたのは、圧倒的な自由度を誇るVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。  選んだ職業は、幼い頃から密かに憧れていた“料理人”。しかし戦闘とは無縁のその職業は、目立つこともなく、ゲーム内でも完全に負け組。素材を集めては料理を作るだけの、地味で退屈な日々が続いていた。  だが、ある日突然――運命は動き出す。  フレンドに誘われて参加したレベル上げの最中、突如として現れたネームドモンスター「猛き猪」。本来なら三パーティ十八人で挑むべき強敵に対し、俺たちはたった六人。しかも、頼みの綱であるアタッカーたちはログアウトし、残されたのは熊型獣人のタンク・クマサン、ヒーラーのミコトさん、そして非戦闘職の俺だけ。  「逃げろ」と言われても、仲間を見捨てるわけにはいかない。  死を覚悟し、包丁を構えたその瞬間――料理スキルがまさかの効果を発揮し、常識外のダメージがモンスターに突き刺さる。  この予想外の一撃が、俺の運命を一変させた。  孤独だった俺がギルドを立ち上げ、仲間と出会い、ひょんなことからクマサンの意外すぎる正体を知り、ついにはVチューバーとしての活動まで始めることに。  リアルでは無職、ゲームでは負け組職業。  そんな俺が、仲間と共にゲームと現実の垣根を越えて奇跡を起こしていく物語が、いま始まる。

「お前と居るとつまんねぇ」〜俺を追放したチームが世界最高のチームになった理由(わけ)〜

大好き丸
ファンタジー
異世界「エデンズガーデン」。 広大な大地、広く深い海、突き抜ける空。草木が茂り、様々な生き物が跋扈する剣と魔法の世界。 ダンジョンに巣食う魔物と冒険者たちが日夜戦うこの世界で、ある冒険者チームから1人の男が追放された。 彼の名はレッド=カーマイン。 最強で最弱の男が織り成す冒険活劇が今始まる。 ※この作品は「小説になろう、カクヨム」にも掲載しています。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

処理中です...