補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く

burazu

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目指せSランク

このままでいいのか

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 ニラダ達はカールと共に再度ゲンの工房を訪れ、カールがゲンに対しニラダ達の事を訴えようとするが、ゲンは冒険者に対する偏見はぬぐえずカールを口撃する。

「ともかくこいつらの依頼を受けるつもりはねえ、とっとと帰ってもらえ!」
「親方が受ける気がなくても僕は受けます!せめてこの人達の剣だけでも1度僕に作らせてください!」
「ここは俺の工房だぞ!そんな事が許されると思っているのか!」

 親方であるゲンは工房は使わせないと強く言い放ち、ゲンの他の弟子もカールに声をかける。

「おい、カール、あまり親方にたてつくなよ、ここで修行できなくなっちまうぞ」
「そうだ、この冒険者達には帰ってもらって、お前はちゃんと親方に謝れ、それならまだ許してくれるはずだ」
「皆さん、皆さんはこのままでいいんですか?」
「このまま?お前一体何を言っているんだ?」

 カールの発言が理解できず、兄弟子の1人が尋ね返すと、カールがその疑問について返答をする。

「皆さん、武器を作りたくて親方に弟子入りしたんですよね?でも今この工房では日用品しか作っていないじゃないですか、このままで本当にいいんですか?」
「カール、そうは言うが、それに不満があった奴はみんな出ていき、他の鍛冶師に弟子入り、独立して工房を開いた奴もいただろう、俺達もお前も結局自身がないから残っているって事だろう」
「確かに、僕も最初は親方が決めた事だから仕方ないと思い、工房に残り日用品を作っていました、もしかしたら親方の気が変わるかもしれないと思って」
「気が変わるわけはないだろう、親方自身はもう武器を作れないわけだから。なにも冒険者嫌いだけが武器を作らなくなった理由じゃないのはお前だって分かっているだろう」
「親方はもう無理でも僕達が親方の志を引き継ぐ、それはできないんですか?」

 カールがゲンの志を引き継げないかと発言するとその言葉に対しゲンが反応し、カールに言葉をかける。

「カール、俺の志を引き継ぐだと?お前だって本当は分かってんだろう、俺がそんなもん持ち合わせていねえ奴って事は」
「親方、……それは」
「他に食っていける方法を知らねえからやってたに過ぎねえんだよ、昔から親父に仕込まれてな」
「でも親方、あの時は勇者の剣を作るのがすごく嬉しそうだったじゃないですか、、いい武器を作るのは職人として……」
「……カール、お前は俺を買いかぶりすぎだ、結局俺も功名心に負けたに過ぎねえんだ……」

 自らを功名心に負けたと自虐するゲン、その言葉の意味とは?
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