魔法戦士ギン

burazu

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街での過ごし方

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 ピトリ国の港町アイルに到着したギン達はループとゲンジを街の馬小屋に預け、夜まで街中でどう過ごすかを話していた。

 そんな中、ブライアンが声を出す。

「まずこの街で何ていうかよ、おもしれえ事ってねえのかよ?」

 ブライアンの言葉を受け、ミニルが言葉を発する。

「確かこの街では色んな芸を持っている人達が広場で披露するという催し物がありましたよ」
「それってどういう事をするんだ?」
「今は帝国やプレツ達との戦争で芸事を生業にしている人達がその技を披露する機会があまりないから、今この国ではそういった方にその場所と機会を与えているんです。例えば踊りや芝居なんかを披露しているようですよ」

 ミニルの説明を聞いて、ウィルが声をかける。

「っていうか、お前他の国のそんな事情にも詳しいんだな」
「今は戦争中で、観光のお客さんも少なくなっているから、私なりに他の国ではどういったことをしているかを調べているの」

 ミニルの発言を聞いて、ルルーが称賛の言葉を投げかける。

「ミニルは勉強熱心なのね、戦争中だと後ろ向きの考えの人も多いから立派だと思うわ」
「ルルー様にお褒め頂き光栄です。だけど、ルルー様や皆さんと会って分かったのは結局戦争そのものを終わらせる必要があるってことです」
「そうよ、だけどその先の未来も見据えてるあなたは立派だと思うわ」

 ルルーとミニルがやり取りをしている中、ギンが一同に声をかける。

「じゃあ、全員でその広場に行ってみるか?」

 ギンの発言を受け、ジエイが言葉を発した。

「ギン殿、私は少しこの街を見回ってきます」
「例によって帝国が既にこの国にいないかを調べる為か?」
「左様、長期遠征は難しくなっても、潜入調査はしてるやも知れませんからな」
「そうだな、ならそこはお前に任せる」

 ギンの言葉にジエイは頷き、街中を調べ回るためギン達より離れる。

 ジエイの姿が見えなくなるのを確認するとヨナも言葉を発する。

「あのさ、今日1日この街に留まるんならあたしらは街中で行商をするよ」

 ヨナの言葉を受け、ルルーが発言をする。

「それは構わないけど、あなたが旅の資金まで心配する必要はないわ」
「一応あたしらは傭兵をしながら行商もやっているからね、それに……」
「それに、何?」
「戦いが終わってまであんたらの世話になっているわけにはいかないじゃん。その為の資金稼ぎもしないと」

 ヨナの意外な言葉に思わずルルーが感嘆をする。

「あなたもそこまで考えていたんだ」
「まあね、まだ正しい道っていうのは分かんないけど、せめて戦いが終わった後は自分達だけで生きていけるようにしないとねって思っただけだよ」
「そう、でも戦いが終わっても私達は仲間だと思うから、それは忘れないで欲しいと思う」
「え、あ、ああそうだね!さ、とっとと商売行くよ」

 ルルーの仲間という言葉に照れと戸惑いがあったヨナではあったが、ヨナ自身も契約関係が終わっても仲間という関係は続けたいとは思っていたのである。
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