Promise〜あなたへ

コウ

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第一章

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レターセットはウサギが書かれていて可愛い物だった。

内容と全然合っていない気がしたけど、明日お店の開店を待って、新しいものを購入する気にはならない。

それより一刻も早く手紙を出したい。

郵便局の開店と同時に行きたい。


そう思ってはいたが、いざ書き出そうとすると中々ペンが進まない。

伝えたい事は沢山あるけど、手紙で終わらせるつもりもない。


出来れば会ってもらえるように…そうなる文章にしたい。




文字を書いては紙を丸める。

書いては丸める…を何度繰り返しただろうか。

納得出来るものは、最初から無理なのかも知れないと思った。

自分自身の気持ちが、まとまっていないのだから。


どこか別の紙に下書きすれば良かった…と、残りが数枚になってしまった時に気付いた。


丁寧な字で…間違わず…。

呪文のように脳内で繰り返した。


妥協したという訳ではないが、最後の自分の名前まで無理矢理書ききった。

封筒に入れる前、もう一度読み直してみる。






『 近藤夏帆様
 
 こんにちは。
 
 一緒の小学校に通っていた、森宮優香です。
 
 随分久しぶりですが、お元気ですか?
 
 突然の手紙で、驚かせてしまったと思います。

 ごめんなさい。
 
 私の事がわからなかったら、こんな手紙を送ってしまってごめんなさい。
 
 私を覚えていると思って、書きます。
 
 あつかましくてごめんなさい。
 
 

 私はあなたとの約束を破ってしまいました。
 
 最近まで、破ってしまっていた事にも気付かずにいました。
 
 本当にごめんなさい。
 

 出来ることなら、きちんとお会いして謝罪したいです。
 
 私の連絡先を書いておきます。
 

 手紙でも電話でもメールでも…何でもいいです。
 
 連絡して頂きたいです。

 
 でもこの手紙が、きちんと届いてくれるのかわかりません。
 
 私の所へ戻ってきてしまうような気がしてなりません。
 
 どうか手元に届きますように。


            森宮優香  』











私の字は、可愛らしさの欠片もない。

夏帆みたく、綺麗な字で書けたら良かったが、今更、筆跡なんて変えられるはずもない。



手紙の最後の三行は、夏帆宛というより神様宛に書いてしまったような気がした。

便箋には住所、そして手紙の隅に電話番号とメールアドレスを書いた。

どの連絡手段でもいい。

どうか夏帆への道が開けますように。

過去へと繋がるキッカケになりますように。



次の日、最寄の郵便局の窓口前で、そう心の中で祈ってから局員さんに託した。


あと私に出来るのは、待つ事だけだ。



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