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14 ありがたく頂いてやろう
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約30分後。
「追い詰めたぞ……この薄汚い国王め……」
追い詰めちゃった。追い詰めちゃった。この兵士集団優秀だ。ありえないくらい優秀だ。王の護衛や側近やらをあっという間に倒して、ついに……いや、あっさりと国王の前にたどり着いてしまった。
「……」王座に座る王様らしき人物が神妙な顔で、「……謀反か……お前ら……死にたいのか?」
「ふん」兵士たちがひるまずに、「お前の政治もこれまでだ。俺たちには……新たな王がいるんだよ」
兵士の言葉に、ランが反応する。
「王になるのは私だからね。間違えないでね」
「ああ……そうだったな。まぁ、どっちでもいい」兵士は僕を指して、「あんたさえいれば、この国は救われるんだ」
過剰な期待すぎる。こいつら全員頭悪いんじゃないか。なんでそんなに僕に期待するんだよ。コミュニケーション能力が低いだけの男だぞ僕は。
……この声のせいか……まいった……ここまで効果があるなんて思ってなかった……もうちょっと自重すればよかった……自重してもこうなってた予感はするけれど……
「ふむ……」国王は僕を挑発するように、「お前がこいつらのリーダーか? ならばこいつらに伝えてくれ。バカなことはやめるべきだと」
「ふ……バカなこと、か……」
適当につぶやいた私の言葉に、国王はビクリと体を震わせる……ってこの反応何回目だ。ワンパターンすぎる。僕が声を出す、すると相手がビビるというワンパターンを繰り返している。
「……お前は……なんだ……本当に人間か?」
「ご想像におまかせしよう……」
「……なるほど……魔王に近い存在らしいな……」
なんでそうなるんだよ。なんでそうなるんだよ……
「……年貢の納め時ということか……」なぜか国王はあきらめムードだった。「思えば……短い栄光だったな。親父から引き継いだ国……最初こそ真面目に運営していたさ……だが……」
「だが、どうした?」
「私には才能がなかった。だから……批判の声が大きかった。私の政策に対する批判が大きかったのだ……それに……私は耐えられなかった……」
王の告白に王の弱音に、兵士たちは驚いたようだった。皆顔を見合わせ、オロオロとあたりを見回していた。
「なるほど……」僕は兵士たちに視線を戻した。「……お前たちにも、問題があったということか」
「おれたちにも?」
「ああ……お前らは先代国王を崇拝しすぎていたんだ。その結果、現国王の政策や行動、その全てに文句を言っていたのではないか?」
「……」
兵士たちはうなだれる。おそらく耳が痛い話だったのだろう。
先代国王。優秀な国王。その優秀さを求めることは不思議ではない。むしろ必然だ。
だが、その重荷を背負わされる側としては、辛かっただろう。
「まぁいい」国王は諦めた様子で、「随分と、国王という座を楽しませてもらった。あとは……この国を頼んだぞ」
この国を頼む……その言葉から、この国王が国を大切にしていたのだということが読み取れる。あるいは負け犬の遠吠えなのだろうか。
なんにせよ、僕の言葉は変わらない。
「ああ……この国はありがたく頂いてやろう……」だが、と僕は続ける。「お前を部下にしてから、な」
「追い詰めたぞ……この薄汚い国王め……」
追い詰めちゃった。追い詰めちゃった。この兵士集団優秀だ。ありえないくらい優秀だ。王の護衛や側近やらをあっという間に倒して、ついに……いや、あっさりと国王の前にたどり着いてしまった。
「……」王座に座る王様らしき人物が神妙な顔で、「……謀反か……お前ら……死にたいのか?」
「ふん」兵士たちがひるまずに、「お前の政治もこれまでだ。俺たちには……新たな王がいるんだよ」
兵士の言葉に、ランが反応する。
「王になるのは私だからね。間違えないでね」
「ああ……そうだったな。まぁ、どっちでもいい」兵士は僕を指して、「あんたさえいれば、この国は救われるんだ」
過剰な期待すぎる。こいつら全員頭悪いんじゃないか。なんでそんなに僕に期待するんだよ。コミュニケーション能力が低いだけの男だぞ僕は。
……この声のせいか……まいった……ここまで効果があるなんて思ってなかった……もうちょっと自重すればよかった……自重してもこうなってた予感はするけれど……
「ふむ……」国王は僕を挑発するように、「お前がこいつらのリーダーか? ならばこいつらに伝えてくれ。バカなことはやめるべきだと」
「ふ……バカなこと、か……」
適当につぶやいた私の言葉に、国王はビクリと体を震わせる……ってこの反応何回目だ。ワンパターンすぎる。僕が声を出す、すると相手がビビるというワンパターンを繰り返している。
「……お前は……なんだ……本当に人間か?」
「ご想像におまかせしよう……」
「……なるほど……魔王に近い存在らしいな……」
なんでそうなるんだよ。なんでそうなるんだよ……
「……年貢の納め時ということか……」なぜか国王はあきらめムードだった。「思えば……短い栄光だったな。親父から引き継いだ国……最初こそ真面目に運営していたさ……だが……」
「だが、どうした?」
「私には才能がなかった。だから……批判の声が大きかった。私の政策に対する批判が大きかったのだ……それに……私は耐えられなかった……」
王の告白に王の弱音に、兵士たちは驚いたようだった。皆顔を見合わせ、オロオロとあたりを見回していた。
「なるほど……」僕は兵士たちに視線を戻した。「……お前たちにも、問題があったということか」
「おれたちにも?」
「ああ……お前らは先代国王を崇拝しすぎていたんだ。その結果、現国王の政策や行動、その全てに文句を言っていたのではないか?」
「……」
兵士たちはうなだれる。おそらく耳が痛い話だったのだろう。
先代国王。優秀な国王。その優秀さを求めることは不思議ではない。むしろ必然だ。
だが、その重荷を背負わされる側としては、辛かっただろう。
「まぁいい」国王は諦めた様子で、「随分と、国王という座を楽しませてもらった。あとは……この国を頼んだぞ」
この国を頼む……その言葉から、この国王が国を大切にしていたのだということが読み取れる。あるいは負け犬の遠吠えなのだろうか。
なんにせよ、僕の言葉は変わらない。
「ああ……この国はありがたく頂いてやろう……」だが、と僕は続ける。「お前を部下にしてから、な」
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