可愛いあの子は溺愛されるのがお約束

猫屋ネコ吉

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レオニダス獣王国編

獣王の涙

お腹をいっぱいにした初代獣王と天下、そして復活した獅子王家所縁の人達がいよいよ戦場へ向かう時、千尋が声をかけた。

「みんな!十分に気を付けてね!僕の魔力が多分…あと数時間で元に戻る!元に戻ったら光魔法極大を放つ!死者達はそれで元に戻るから、それまで時間を稼いで欲しいんだ!」
「神の愛し子…そなた…。」
「チーちゃん…。」
「そう僕は神の愛し子!命には貪欲なんだよ!決してみんなの命を諦めたりしない!!全ての命を助ける!!だから、みんなお願いします!!」
「分かった!!あと数時間、何としても稼いで来よう!」
「ああ!お兄ちゃんに任せろ!チーちゃん!」
「うん!」

こうして獅子王所縁の人々が戦場へ転移して行った。
千尋はその場で両手を合わせて皆の無事を祈った。




時間は千尋達が天下達を解放する少し前に戻る。
今代の獣王、獅子王天昇が南門の前で、ずっと探し続けた王妃ユリアと再会していた。

「ユリア…。」
『天……昇…。』

白獅子姿なのは死んでいる証拠であろう。
胸には禍々しい青い大きな魔石が輝いている。
王妃を探して…探し続けて10年の月日が経つ。
王妃との出会いは子供の頃に遡る。
獣王王国でもグローディアス王国と同じ様に身分に関係なく幼少時に学校に行く事が義務であった。
王族であっても、それは一緒で王族、貴族、平民と一緒に同じ学舎で学問をする。
そして学生は皆寮で生活する事が決められていた…それは王族であってもだ。
学生でいる期間は6年…決して短い時間では無い。
初めて、ひとりで服を着て、ひとりで顔を洗い、朝食も自分で用意して食べるか寮の食堂で食べるかを決めなければならない…。
初めての自分だけの時間に最初は戸惑い…そして慣れてくると楽しくなって来た学生生活!そして、そこで出会ったのが伯爵令嬢であるユリアだ。
最初はそんなに仲が良かった訳じゃ無かった。
親戚で同じ歳でもあるライガーの獣人カイダ・ヤマトと同じ組になった俺は魔法の授業で3人以上でパーティを組む事になったのだが、俺達のメンバーになりたい人がクラスには居なかった…。
王族と準王族である俺達のパーティに入りたいと手を上げるヤツがいるわけがない。
いくら身分は問わない学校であっても、やっぱり王族は別格だ。
しかも学校では身分より実力重視でもあった為、獅子に勝てる程の実力も胆力も持ち合わせているのがいなかったのもある。
そうなると成績順となって、俺、ヤマト、そして成績3位であるユリアがパーティを組む事になったんだ。

「結局、獅子が2人にライガーの俺って過剰戦力じゃん!」
「確かに…。」
「殿下、カイダ殿…今度の迷宮実習終わったらパーティは解散していいだろうか?」
「ユリア嬢、やっぱり俺達とは嫌か?」
「嫌という訳では無い…だが余りにもバランスが悪いだろう?このメンバー!全員前衛ではないか!」
「「確かに…。」」
「普通後衛や支援する者も入れるのがパーティだろう!全員で突っ込むだけの脳筋パーティに未来はない!」
「「確かに…。」」
「だから、今度の迷宮実習で解散しよう…。」
「分かった!じゃあ、取り敢えず一応フォーメイションは考えておこう…一応レポート書かないといけないし…。」
「だな…。」
「了解した。」

こうして出来たパーティだったが迷宮実習が終わっても結局パーティの解散は出来なかった…。
他のパーティに俺達が入る余裕というか場所が無かったからだ…。

「次のボス部屋もいつもと同じ作戦でいいな?」
「いや、それしか無いし…。」
「ああ~また先生に言われる!!もっと頭使って攻略しろと!!」
「仕方ないだろ?攻撃だけなんだから俺達…。」
「天昇が火、俺が雷、ユリアが風…爆発するしか無いもんな!」
「ああ~ボス部屋は壊すなって言われているのに~!!」

こんな調子でも成績はトップで…迷宮の攻略も、どのパーティより先に進んでいるのだから担当の先生も頭を抱えていた…。

【ファイヤーアロー!!】
【サンダーアロー!!】
【ウイングアロー!!】

ドッカーーーーーンっ!!!

ボスは爆破され木っ端微塵になった。
ボス部屋も木っ端微塵にしたから、やっぱり先生に叱られた…。
そんなパーティだったが一緒にいるうちに気の置けない仲間になった!

学校もあと残すところ1年となったある日…獣王である父が急死した…。
それは突然の出来事だった…あの大きな体の父が賢王と名高い父が突然倒れ、そのまま息を引き取ったのだ。
そこからは、まるで嵐の様な日々だった!
父が亡くなり、俺は若くして獣王となった!
父王の葬儀、そして戴冠式…言われるままに動くだけの俺…。
王としての所作や政治についてや諸外国との対応…全て言われるままにしか動けなかった!!
王族として、獣王として何を教わる事も出来なかった俺に、政治など分かる訳もなく俺は段々と鬱とした気持ちだけが俺の心を支配していたと思う。
獣王としての責任も役割も全て投げ出したい!だが、それは出来ない事なのだと十分理解はしている自分もいる…。
段々息をするのさえ辛くなって来た頃、下ばかりを見ていた俺に本来声を出さない近衛の騎士が俺に向かって言ったんだ!

「下ばっか見ているな!」
「!?」
「脳筋の癖に…考えすぎなんだよ…天昇!」
「ユリア…!」
「コラーー!!陛下に何を言っている!!」
「申し訳ありません!」

驚く俺にユリアは無表情な近衛隊の騎士に戻って人形の様な顔にしていたが、俺は驚いてマジマジとユリアを見ていた。
それから俺は近衛騎士の中にユリアを探す様になり、顔を上げて周りを見れば色々な事に気が付き始めた。
俺を支える人達がいる事にようやく気が付いたんだ。
そんなある日…園遊会という俺の妃を選ぶガーデンパーティが行われた。
王となって3年…もうそろそろ結婚し子供を作れと言い出した重臣達に押し切られ参加したパーティで最近近衛の騎士の中に見られなくなったユリアがいた!
学校でも王宮でもドレスを着た彼女を見た事がなかったから、それはそれで衝撃で…。

「…笑いたかったら笑え!どうせ私にドレスは似合わないわよ!体大きいし…筋肉質だし…お腹割れてるし…。」
「割れてる??」
「悪い?騎士なんだから仕方ないでしょ!」
「似合ってる…。」
「へっ?」
「ドレス似合ってる…とっても綺麗だ…。」
「ばばばば馬鹿ぁ!!何言ってるのよ!恥ずかしいじゃない!!」

そう言って俺の肩を思いっきり叩いた…。
騒然とする周りに気が付いて顔を赤くしてから青くする彼女を見て俺は思いっきり笑ったんだ!
父が亡くなってから3年…笑う事を忘れていた俺を笑顔にする彼女にプロポーズするまで1年かかった…。
煮え切れない俺の背中を押してくれたのはヤマトだった…。

「お前…いい加減!決めろよ!俺にまでお前とユリアの仲を聞きに来たぞ!宰相が!」
「すまん…。」
「だいたい何悩んでいるんだよ…ユリアの事好きなんじゃないのかよ!」
「好きだ!ユリアしかいないと思ってる…。」
「じゃあプロポーズしろよ!」
「ただ…王家に嫁ぐって事は覚悟がいるんだ!…そして生半可な気持ちじゃ王妃になれない…凄く…凄く大変な責任を背負わせてしまうんだ!その責任を…愛する人に背負わせていいのか…悩んでしまうんだ…。」
「はぁ~~~っ…本当にバカだな!お前…。」
「どうせ脳筋だよ!!」
「こう言っているが…ユリアはどう思う?」
「!!…ユリア!?」
「全く…脳筋の癖にこういう時だけ考え込むんだから!…嫌われているのかって…思ってたじゃない!バカ!!」

そう言って飛び込んで来た彼女を俺は抱き締めた…抱き締めたらもう離せなくなった。
気が付いたらヤマトはいなくて…俺は ユリアにプロポーズした。
結婚してから3人の子供にも恵まれて幸せな日々はずっと続くと信じていた。
だが、それはあまりに突然だった!
騎士であり、日頃から体を鍛えていたユリアが突然倒れた!
そして高熱が続き一度も意識が戻る事なく逝ってしまった!
ショックが大き過ぎて…俺はまたしても呆然としユリアの葬儀が終わり永久凍土に葬る前に安置してあった場所からユリアは消えてしまった…。
それからの10年…彼女を探して探して、探し続けた!そしてある日思ったのだ!何が目的で彼女の遺体を奪った?
いつもいつも脳筋脳筋言われ、ユリアからもっと頭を使えと言われ続けた俺は考えた!考えて考えて…そして、彼女が戻って来るまで待つしか無いと結論した。
獣王としては褒められないであろうが彼女がユリアが現れるまでは敵の言われるままに言う事を聞いた。
そして、人族の国の姫君を呼び寄せた…息子達の嫁にする様に言われたからだが…まさかそれが全てをひっくり返す事になるなんて敵も思わなかっただろう。

「ユリア…私はある人に言われたのだ…俺は俺の我儘で国を混乱させた…死んで詫びるつもりだったが、それは詫びではないのだそうだ!詫びる気持ちがあるなら死んで楽をするな、生きて償えと言われた…だから…本当はお前が戻って来た時一緒に逝こうと思っていたのだが、それは出来ぬ事になった!すまん!」
『……』
「だが、だからこそユリアを葬るのは俺がする事だ!誰にも誰にも二人だけの時間は邪魔させん!!」
『ええ…!』
「さぁ~戦おう!二人だけで!!」
『グアぁぁぁぁぁあああ!』
【ファイヤーアロー!!】

獣王が放った火の矢は一本だけでは無かった!!
波状して繰り出される炎の矢を白獅子は風を使って巧みに避けカマイタチの様に風の刃を放ち獣王へ放つ!
獣王もまた炎の盾を作り、その刃を防いだ!
お互いがお互いの事を知る故に、その戦いはまるで演舞をしている様に見えた…。
風の刃と同時に彼女の鋭い爪が脇腹をかする!
最近、鍛える事を怠っていたツケが回って来た様だ…長い時間戦う事が出来ない!
俺の炎も彼女の白い体に焼け焦げた痕をつけている!
風と火…それは一緒に戦うには相性がいいが敵になるとこうもやりにくい!
フーフーと息が上がって肩で息をする俺に最後の一撃を準備しているユリア…。
俺も用意をする、自分が持てる最大火力の呪文を…心の中で詠唱する!

【今ここに蘇れ太古からの獅子の盟約より来れ炎の精霊よ、集え、純粋なる穢れなき炎よ!獅子王の名の元に炎よ獅子となり!我が敵…我が最愛なる者を貫け!】
【吹き抜ける数多なる風よ集え!鋭き刃となりて我が敵…我が夫に降り注げ!】

【灼熱の獅子】
【疾風の乱舞】

同時に放たれた魔法は火は大きな紅蓮の獅子となり王妃へ向かい、無数の風が刃となって走る!
しかし、大きな紅蓮の獅子が無数の刃を弾き王妃の胸にある大きな魔石を貫いて行った!!

『ガァァァァァァァァ!!』
「ユリア!!」

獣王も王妃も全身を血で染めていた…。
そして、大きな白獅子はその体を横へ倒していった!
魔石は完全砕かれ、その白い胸から落ちていった。

「ユリア!」

横たわる白獅子の頭を抱き締め獣王は王妃に語った。

「ユリア…ずっとずっと愛している…これまでも…そして、これからも!」
『天…昇…私も…天で待って…る…愛し…て…』
「きっと来世もお前を愛している…覚悟してろ…ユリア…。」

力を失ったユリアの重みが獣王の腕に乗り…獣王はユリアを抱き締めたまま動かなかった…。
その瞳からは止めどない涙が流れ落ちていた…。



続く…。

次回も本日夜に更新します。
朝から泣かせちゃってたら、ごめんなさい!!
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