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旅立ち
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作業も終わり、いざ出発となった。ジロは先に船に乗り込んでおり、メリダはサヴェロとジェリーに別れの挨拶をしていた。
「何から何まで面倒を見ていただき本当にありがとうございました」
メリダは二人に深々とお辞儀をする。
「それなのに二人には危ない目に遭わせてばかりで……」
「もうそんな事言わないの。こうして無事でいられたんだから、これからも旅先で無茶はしないで頑張ってね」
そう言ってジェリーはメリダを抱き寄せた。
「旅が終わって落ち着いたらいつでも帰っておいで」
「うん。ありがとう……」
メリダもギュッとジェリーを抱き締め、顔を埋める。そして、名残を惜しむように離れると、今度はサヴェロの方を向いた。
「サヴェロも助けてくれてありがとう」
「ああ、どういたしまして。まあ、何だ……その、元気でな」
何か歯切れの悪い挨拶をするサヴェロに「ん?」と首を傾げるメリダだが、メリダも「元気でね」と返した。
『私からもお礼の言葉を申し上げます。お二人の協力がなければ無事ではいられなかったでしょう。感謝します』
最後まで堅苦しいなと苦笑いするサヴェロ。それにつられフフッと微笑むメリダ。久しぶりに和んだ空気になるが、そこに「おーい! そろそろ出るぞ!」と船の準備を終えたジロの声がかかった。
「はーい! 今行きまーす! それじゃあね、二人とも。行ってきます」
メリダは二人に手を振ると踵を返し船へと駆け出した。その後ろ姿に手を振って送り出すサヴェロとジェリーだったが、
「このままでいいの?」
と、突然ジェリーがサヴェロに話しかけた。思わず「え?」と母ジェリーの顔を見るサヴェロ。
「このまま女の子を一人で行かせちゃうつもり? 私はそんな風にアンタを育てたつもりはないんだけど」
ジェリーはサヴェロの方を向いてそう続けた。
「それって……」
「世界を見て回るのがアンタの夢なんでしょ? 女の子を守れて世界を巡って一石二鳥じゃない」
「でも、家の事は……」
「家の事は私に任せなさい。アンタが帰る場所は私が守るから、アンタはアンタのやりたい事をやりな。さあ、どうするの? 行くの? 行かないの?」
その二択を突き付けられたサヴェロはほんの一瞬だけ目を閉じ、そして、目を見開くと、
「ありがとう母さん。行ってきます」
そう言って、サヴェロはメリダの後を追った。
「よーし! 出発するぞ!」
メリダが乗船したことを確認したジロは船を動かし離岸する。と、そこに「ちょっと待ったー!」という叫び声と共に、岸からジャンプしたサヴェロが船に飛び乗ってきた。
「え! サヴェロ! どうして……」
「ここまできたら最後まで協力させてくれ。まあ、ぶっちゃけ世界中の遺跡を見たいってのはあるけどさ、俺に出来る事があればなんでもいってくれ」
「……ありがとうサヴェロ」
半泣きになりながらメリダはサヴェロに抱き付いた。あまりに突然の事で赤面し、体を硬直させるサヴェロ。
そして、サヴェロから体を離すと、涙を浮かべながら笑い、「よろしく!」と言った。
『しかし、本当によろしいのですか?』
メリダの腰に帯びているアイオスがサヴェロに尋ねる。
『この先、先程のような危険な出来事が何度も起きるでしょう。それでも――』
「行くよ」
アイオスが言いきる前に、サヴェロは被せるように答えた。真っ直ぐな眼、確固たる意志を持った瞳でサヴェロはアイオスを見つめた。
『……了解しました。それでは今後ともよろしくお願いします』
その覚悟を汲み取ったアイオスはそれ以上何も言わず、サヴェロを歓迎した。
「こちらこそよろしく」
『ここで一つ提案なのですが』
「ん? 何?」
『私の事はサヴェロ様がお使いになって下さい』
「俺がアイオスを?」
『はい。先程の戦闘で、貴方は私を扱うに相応しい方だと判断しました。貴方なら私の力を十全に発揮できるでしょう。それだけの力が貴方にはある』
「アイオスがいいなら、俺は構わないよ」
『了解です。それでは今後、貴方の事をマスターと、そうお呼びします』
「マ、マスター?」
『そうです。私を扱う方、故に主人(マスター)』
アイオスからの新しい呼び名に、サヴェロは苦笑いを浮かべながらも、アイオスを手に取った。そして、アイオスをメリダと並べるように掲げるとサヴェロは苦笑から爽やかな笑顔に表情を変え「それじゃあ改めてよろしくな」とこれから旅をする仲間達に挨拶をした。
「何から何まで面倒を見ていただき本当にありがとうございました」
メリダは二人に深々とお辞儀をする。
「それなのに二人には危ない目に遭わせてばかりで……」
「もうそんな事言わないの。こうして無事でいられたんだから、これからも旅先で無茶はしないで頑張ってね」
そう言ってジェリーはメリダを抱き寄せた。
「旅が終わって落ち着いたらいつでも帰っておいで」
「うん。ありがとう……」
メリダもギュッとジェリーを抱き締め、顔を埋める。そして、名残を惜しむように離れると、今度はサヴェロの方を向いた。
「サヴェロも助けてくれてありがとう」
「ああ、どういたしまして。まあ、何だ……その、元気でな」
何か歯切れの悪い挨拶をするサヴェロに「ん?」と首を傾げるメリダだが、メリダも「元気でね」と返した。
『私からもお礼の言葉を申し上げます。お二人の協力がなければ無事ではいられなかったでしょう。感謝します』
最後まで堅苦しいなと苦笑いするサヴェロ。それにつられフフッと微笑むメリダ。久しぶりに和んだ空気になるが、そこに「おーい! そろそろ出るぞ!」と船の準備を終えたジロの声がかかった。
「はーい! 今行きまーす! それじゃあね、二人とも。行ってきます」
メリダは二人に手を振ると踵を返し船へと駆け出した。その後ろ姿に手を振って送り出すサヴェロとジェリーだったが、
「このままでいいの?」
と、突然ジェリーがサヴェロに話しかけた。思わず「え?」と母ジェリーの顔を見るサヴェロ。
「このまま女の子を一人で行かせちゃうつもり? 私はそんな風にアンタを育てたつもりはないんだけど」
ジェリーはサヴェロの方を向いてそう続けた。
「それって……」
「世界を見て回るのがアンタの夢なんでしょ? 女の子を守れて世界を巡って一石二鳥じゃない」
「でも、家の事は……」
「家の事は私に任せなさい。アンタが帰る場所は私が守るから、アンタはアンタのやりたい事をやりな。さあ、どうするの? 行くの? 行かないの?」
その二択を突き付けられたサヴェロはほんの一瞬だけ目を閉じ、そして、目を見開くと、
「ありがとう母さん。行ってきます」
そう言って、サヴェロはメリダの後を追った。
「よーし! 出発するぞ!」
メリダが乗船したことを確認したジロは船を動かし離岸する。と、そこに「ちょっと待ったー!」という叫び声と共に、岸からジャンプしたサヴェロが船に飛び乗ってきた。
「え! サヴェロ! どうして……」
「ここまできたら最後まで協力させてくれ。まあ、ぶっちゃけ世界中の遺跡を見たいってのはあるけどさ、俺に出来る事があればなんでもいってくれ」
「……ありがとうサヴェロ」
半泣きになりながらメリダはサヴェロに抱き付いた。あまりに突然の事で赤面し、体を硬直させるサヴェロ。
そして、サヴェロから体を離すと、涙を浮かべながら笑い、「よろしく!」と言った。
『しかし、本当によろしいのですか?』
メリダの腰に帯びているアイオスがサヴェロに尋ねる。
『この先、先程のような危険な出来事が何度も起きるでしょう。それでも――』
「行くよ」
アイオスが言いきる前に、サヴェロは被せるように答えた。真っ直ぐな眼、確固たる意志を持った瞳でサヴェロはアイオスを見つめた。
『……了解しました。それでは今後ともよろしくお願いします』
その覚悟を汲み取ったアイオスはそれ以上何も言わず、サヴェロを歓迎した。
「こちらこそよろしく」
『ここで一つ提案なのですが』
「ん? 何?」
『私の事はサヴェロ様がお使いになって下さい』
「俺がアイオスを?」
『はい。先程の戦闘で、貴方は私を扱うに相応しい方だと判断しました。貴方なら私の力を十全に発揮できるでしょう。それだけの力が貴方にはある』
「アイオスがいいなら、俺は構わないよ」
『了解です。それでは今後、貴方の事をマスターと、そうお呼びします』
「マ、マスター?」
『そうです。私を扱う方、故に主人(マスター)』
アイオスからの新しい呼び名に、サヴェロは苦笑いを浮かべながらも、アイオスを手に取った。そして、アイオスをメリダと並べるように掲げるとサヴェロは苦笑から爽やかな笑顔に表情を変え「それじゃあ改めてよろしくな」とこれから旅をする仲間達に挨拶をした。
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