レジェンドオブカーボニア~空から落ちてきた女の子を助けたら帝国軍に追われるハメになったが、一緒に手に入れた最強の剣で無双する

天水覚理

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帝国サイド2

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――リモローク帝国軍本部

 ナウィート基地司令官レックとの会話を終え、受話器を置いたエリスはふぅと溜息を吐いた。

「まあ、初めから彼らに捕まえられるとは思っていませんでしたし、とりあえず彼女の生存が確認できただけでも良しとしますか」

 そう独り言を呟くと、エリスはクククと笑い声を洩らした。

「いやぁ良かった良かった。彼女が生きておいでなら、後はどうとでもなる。確保はゆっくりやればいい……と、いう事です。今の会話を聴いていたなら詳しい説明は要りませんね? デールさん」

 エリスはそう言いながら後ろを振り向く。すると、その先には一人の男が立っていた。

 長身痩躯で真っ黒いロングコートを着込み、女性の様な長い黒髪に顔の半分が隠れてしまっている。その髪の隙間から覗く眼は淀み、とても健康そうには見えなかった。

「ああ、聴いてたよ。要するに、今からリーピンへ行ってそのターゲットの女を攫ってくればいいんだろ?」

 デールと呼ばれた男はつまらなそうに答えた。

「ええ、そうです。ですが、くれぐれもターゲットを傷付けないよう注意してください。それと、ターゲットの協力者であるウィスを使う者には油断しない方がいいかと」

「何?」

 エリスの言った油断しない方がいいという言葉が気に障ったのか、デールの目付きが鋭くなり、怒りを顕にする。

「それは俺の力を見くびっているのか?」

「いえいえ、とんでもない。貴方達インペリアル・フォースの力は存じています。しかし、相手方にいるウィスを使う者はまだ本気を出していない」

「本気を出していない……どうしてそう言い切れる?」

「ああ、いや、まあそんな感じがしただけです」

 はぐらかすように言うエリスに対し、男は「ふん」と鼻を鳴らすと踵を返して部屋を出ようとする。

「全く得体のしれない男だ。どうして陛下はお前のような奴を傍に置くのか理解できない」

 そう言い捨てると、デールは部屋を出て行った。それを見送るエリスは小さく「頼みましたよ」とどこか嘲笑うかのように言った。
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