レジェンドオブカーボニア~空から落ちてきた女の子を助けたら帝国軍に追われるハメになったが、一緒に手に入れた最強の剣で無双する

天水覚理

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束の間

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「えー! サヴェロのお母さんって元軍人だったの?」

 船の上で驚きの声を上げるメリダ。あまりの声の大きさにサヴェロは両手で耳を塞いでいた。

「メリダ、少しボリュームを落として」

「あっ、ごめん」

「でも、母さんがナウィート軍に入隊したのは二十年も昔の話だし、俺が産まれた時に辞めちゃったから、五年くらいしかいなかったみたいだよ」

「いや、でもすごいよ。女の人で軍隊に入るなんて」

 メリダは腕を組み、ウンウンと頷いて感心していた。

「そん時に出会ったんだよ。俺とジェリーとフィルはな」

 船を運転していたジロが二人の会話に入ってきた。

「フィル? フィルって誰?」

「フィルはサヴェロの親父だよ。元々遺跡の発掘をしていたが、二十年前の戦争で徴兵されて兵士になったんだ」

「へぇ、じゃあそこでサヴェロのお母さんと出会ったんだ。っていうか、ジロさんも兵士だったの?」

「まあな。さっきも話したが、ジェリーとフィルにはずいぶん助けられた。特にフィルは命の恩人だ。戦場で死にかけてた俺を助けてくれたからな」

「サヴェロのお父さんってすごい人なんだね」

 ジロの話を聴いて、メリダはサヴェロにそう尋ねた。

「ああ、父さんは俺の誇りだ。俺が遺跡の事に興味を持ったのも父さんの影響だからな」

「ん? でも、サヴェロの家にお父さんいなかったよね? どこかに出かけてたの?」

「うん、まあ、出かけてるっていうのはあながち間違いじゃないんだけど……その、父さん今行方不明なんだ」

「え? あ、ごめん」

「別に謝らなくてもいいよ。ふらっとどこかに行っちゃう人だとは母さん言ってたけど、十年前に本当にどこかに行っちゃってそれから帰ってないんだ。でも父さんの事だから、きっとどこかの遺跡を探索してると思う」

「でもさ、奥さんと子供を置いてどっか行っちゃうなんて勝手すぎない?」

「確かにな。だからもし、この先父さんに会うような事があったら、引っ張ってでも母さんの所へ帰すよ」

 サヴェロがそう言うと、ジロが「ああ、是非そうしてやれ」と言う。

「フィルにとってジェリーは天敵だからな。そうなりゃあこっぴどく叱られるだろうよ。十年も嫁と子供をほったらかしにしてる野郎だ。そのくらいの灸は据えてやれ」

 ハハハと大笑いするジロ。それにつられメリダもクスクスと笑いだす。最後にはサヴェロもつられて笑い、船上は賑やかな笑い声に包まれていた。
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