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第405話 お出かけを見守るルナ・フォルモント
翌日、小麦はものすごく気合いを入れた格好で満の家を訪れていた。
呼び鈴を鳴らして呼び掛けると、家の中から満が姿を見せた。
「わ、わあ……、今日も女の子なんだ……」
「小麦さん、おはようございます。うん、なんか戻らなくてね。ルナさんと一緒だった時のように、吸血すれば戻るってわけじゃないみたいなんだよね」
「そうなんだね。ま、まあ、出かけるのならどっちでも構わないわよ」
目の前に現れた女の子状態の満を見て、小麦はちょっと戸惑った様子を見せている。
だが、自分の好きな相手と一緒に出掛けるのだから、どっちでもいいかと、ひとまず割り切ることにしたようだ。
小麦の目の前にいる満も、よくよく見てみればかなり服装を整えている。自分と一緒に出掛けることは、やっぱり特別なのかなと、小麦はちょっと嬉しくなったようだ。
「それで小麦さん」
「うん、なに、満くん」
「どこに出かけるんですか?」
いざ家を出たところで、満が素朴な疑問をぶつけてきた。
まあ、当然気にはなるだろう。自分と付き合ってくれと言われて出かけるのだから。
「それじゃ、よく行く河川敷の公園に行こうっか」
「ああ、桜を見に行ったあそこですね。いいですよ」
小麦が場所を提案すると、満はすぐさま思い出していたようだ。
そう、小麦が大学に進学するために引っ越す前に、二人でやって来た河川敷である。そこで、小麦は満の頬に口づけをしていた。
当然、満だって忘れてはいないだろうが、ものすごくあっけらかんとした様子で答えていた。満のあっさりとした態度には、小麦はちょっとだけやきもきしたようである。
そんなこんなで、小麦と満は河川敷までやって来た。
ここは先日に初詣をした神社と比べるとちょっとだけ遠い。その上、どことなく気まずい雰囲気があったので、さらに遠く感じられたようである。
「あっ、ここも縁日をしているみたいですね。小麦さん、ちょっと見ていきませんか?」
「うん、そうだね。あったかいものを買い食いするのもいいよね」
満が提案すると、小麦ははにかみながら同意をしたようだ。どことなく、気持ちが落ち着かないのだろう。
二人は、河川敷の公園から、広場の方へと移っていく。
その様子を見守る、怪しい影がいる。
帽子をかぶり、サングラスをかけ、さらにはコートを着ている。いかにもというくらいの怪しさ満点の人物がいた。
「むむむ……。今のところは問題はないようだな」
そう、ルナ・フォルモントである。
昨夜、小麦を焚きつけたということもあってか、グラッサの夫婦の仲を邪魔するわけにもいかないので、こうやって尾行をしているというわけだ。
本来、吸血鬼は真昼間を移動することはできないものだが、真祖であるルナ・フォルモントにはそのような制約はない。足元もショートパンツにタイツにロングブーツとガッチガチに固めているので、日光対策は完璧である。
「まったく、妾がこのようなことをせねばならんとはな……。あの二人、そろってどことなく奥手だからのう。小麦はまだグラッサの娘ということで、積極的ではあるのだが……。問題は満だ。あそこまで鈍いのはなかなか見んぞ」
もはや親の心境である。
二人が河川敷から離れた広場の方へと移動していくと、ルナ・フォルモントもそれについていく。
ただ、まだ三が日ということもあって、近くの神社の影響でこの河川敷の広場もかなりの人でにぎわっている。見失わないように移動するのはなかなか大変である。
なにせ、こうも明るいと、吸血鬼の能力が使えないのだから仕方がない。下手に使えば、どこかに潜んでいる退治屋が動くかもしれないので、ルナ・フォルモントは慎重にならざるを得ないのである。
「ふむ、どうやらまずは神社に向かうようだな。こっちにもあるとはな」
人の波をかき分けながら、手をつないで歩く二人を追跡する。
手をつないでいるので進展はあるのだろうが、あの二人ゆえにただはぐれないようにしているだけかもしれない。
「やれやれ、これだけ混んでいると告白どころではないのう。どうするつもりなんだろうかな、小麦のやつは……」
追跡するも、人の多さにルナ・フォルモントはかなり参ってきているようだ。
やむなく神社の入口まで来たところで追跡を一度打ち切ることにした。
「う~む、やはり人馴れしていないとこの混み具合は耐えられん。近くの木の上からでいいから、遠目に見守ることにするか」
真祖とはいえども、さすがに人混みには勝てなかったのだ。
人目につかないところに移動すると服ごとコウモリに変身して、神社がよく見えるちょっと高い木まで飛んでいく。
混雑から抜け出したルナ・フォルモントは、木の上で変身を解除して、じっと神社の中を見つめている。
「ぐぐっ……。着込んでおっても、さすがに日本の冬は体にしみる。さて……、満と小麦はどこにおるかのう……?」
着の上で寒風に震えながら、ルナ・フォルモントは二人の姿を探す。
「おっ、おったな。ふむふむ、一緒にお参りをして、おみくじを引いておるわ。まあ、この辺りは普通かの」
おみくじの結果を見て一喜一憂する姿を見て、ルナ・フォルモントは微笑ましそうに笑っている。
このあとの二人はどう行動するのか。すっかり親目線となっているルナ・フォルモントなのであった。
呼び鈴を鳴らして呼び掛けると、家の中から満が姿を見せた。
「わ、わあ……、今日も女の子なんだ……」
「小麦さん、おはようございます。うん、なんか戻らなくてね。ルナさんと一緒だった時のように、吸血すれば戻るってわけじゃないみたいなんだよね」
「そうなんだね。ま、まあ、出かけるのならどっちでも構わないわよ」
目の前に現れた女の子状態の満を見て、小麦はちょっと戸惑った様子を見せている。
だが、自分の好きな相手と一緒に出掛けるのだから、どっちでもいいかと、ひとまず割り切ることにしたようだ。
小麦の目の前にいる満も、よくよく見てみればかなり服装を整えている。自分と一緒に出掛けることは、やっぱり特別なのかなと、小麦はちょっと嬉しくなったようだ。
「それで小麦さん」
「うん、なに、満くん」
「どこに出かけるんですか?」
いざ家を出たところで、満が素朴な疑問をぶつけてきた。
まあ、当然気にはなるだろう。自分と付き合ってくれと言われて出かけるのだから。
「それじゃ、よく行く河川敷の公園に行こうっか」
「ああ、桜を見に行ったあそこですね。いいですよ」
小麦が場所を提案すると、満はすぐさま思い出していたようだ。
そう、小麦が大学に進学するために引っ越す前に、二人でやって来た河川敷である。そこで、小麦は満の頬に口づけをしていた。
当然、満だって忘れてはいないだろうが、ものすごくあっけらかんとした様子で答えていた。満のあっさりとした態度には、小麦はちょっとだけやきもきしたようである。
そんなこんなで、小麦と満は河川敷までやって来た。
ここは先日に初詣をした神社と比べるとちょっとだけ遠い。その上、どことなく気まずい雰囲気があったので、さらに遠く感じられたようである。
「あっ、ここも縁日をしているみたいですね。小麦さん、ちょっと見ていきませんか?」
「うん、そうだね。あったかいものを買い食いするのもいいよね」
満が提案すると、小麦ははにかみながら同意をしたようだ。どことなく、気持ちが落ち着かないのだろう。
二人は、河川敷の公園から、広場の方へと移っていく。
その様子を見守る、怪しい影がいる。
帽子をかぶり、サングラスをかけ、さらにはコートを着ている。いかにもというくらいの怪しさ満点の人物がいた。
「むむむ……。今のところは問題はないようだな」
そう、ルナ・フォルモントである。
昨夜、小麦を焚きつけたということもあってか、グラッサの夫婦の仲を邪魔するわけにもいかないので、こうやって尾行をしているというわけだ。
本来、吸血鬼は真昼間を移動することはできないものだが、真祖であるルナ・フォルモントにはそのような制約はない。足元もショートパンツにタイツにロングブーツとガッチガチに固めているので、日光対策は完璧である。
「まったく、妾がこのようなことをせねばならんとはな……。あの二人、そろってどことなく奥手だからのう。小麦はまだグラッサの娘ということで、積極的ではあるのだが……。問題は満だ。あそこまで鈍いのはなかなか見んぞ」
もはや親の心境である。
二人が河川敷から離れた広場の方へと移動していくと、ルナ・フォルモントもそれについていく。
ただ、まだ三が日ということもあって、近くの神社の影響でこの河川敷の広場もかなりの人でにぎわっている。見失わないように移動するのはなかなか大変である。
なにせ、こうも明るいと、吸血鬼の能力が使えないのだから仕方がない。下手に使えば、どこかに潜んでいる退治屋が動くかもしれないので、ルナ・フォルモントは慎重にならざるを得ないのである。
「ふむ、どうやらまずは神社に向かうようだな。こっちにもあるとはな」
人の波をかき分けながら、手をつないで歩く二人を追跡する。
手をつないでいるので進展はあるのだろうが、あの二人ゆえにただはぐれないようにしているだけかもしれない。
「やれやれ、これだけ混んでいると告白どころではないのう。どうするつもりなんだろうかな、小麦のやつは……」
追跡するも、人の多さにルナ・フォルモントはかなり参ってきているようだ。
やむなく神社の入口まで来たところで追跡を一度打ち切ることにした。
「う~む、やはり人馴れしていないとこの混み具合は耐えられん。近くの木の上からでいいから、遠目に見守ることにするか」
真祖とはいえども、さすがに人混みには勝てなかったのだ。
人目につかないところに移動すると服ごとコウモリに変身して、神社がよく見えるちょっと高い木まで飛んでいく。
混雑から抜け出したルナ・フォルモントは、木の上で変身を解除して、じっと神社の中を見つめている。
「ぐぐっ……。着込んでおっても、さすがに日本の冬は体にしみる。さて……、満と小麦はどこにおるかのう……?」
着の上で寒風に震えながら、ルナ・フォルモントは二人の姿を探す。
「おっ、おったな。ふむふむ、一緒にお参りをして、おみくじを引いておるわ。まあ、この辺りは普通かの」
おみくじの結果を見て一喜一憂する姿を見て、ルナ・フォルモントは微笑ましそうに笑っている。
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