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第154話 ダクネースという存在
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「お前たちを倒してパステル王国を完全に滅ぼし、そして、すべての世界を支配する! パステル王国の犬どもよ、我の覇道の礎となれっ!!」
ダクネースが体を広げて襲い掛かってくる。
パステルピンクたちは、ダクネースの攻撃を躱していく。しかし、その不定形の体から繰り広げられる攻撃は、なかなか動きが読みづらい。段々と追い詰められていってしまう。
「くそっ、実にやらしい攻撃だなっ!」
「なんとでもほざくがいい! 我としてはお前たちを葬り去れればいいのだからな!」
「付き合ってられないわっ!」
ダクネースの叫びにパステルオレンジが動く。
「パステル・ヴァイン・バインド!」
パステルオレンジの鞭がしなって、ダクネースの体を縛り付けていく。
「ふん、甘いわっ!」
ダクネースの体が変化して、鞭の拘束を振りほどく。やはり不定形であるダクネースに、拘束系の技は通じないようである。
「まったく、相変わらずいやらしい奴ね」
パステルブラウンがぎりっと歯を食いしばっている。
「ふん、我の娘と偽って潜んでおったお前に言われたくはないな」
「はん、どういう理由であれ、あんたはそれは放っておいたんだものね。四天王を壊滅に追い込んだのは誰のせいかしらね」
「そんなもの、大事の前の小事にすぎぬ。少しぐらい軌道をずらしたところで、我の全世界征服の大筋に影響は皆無ぞ!」
パステルブラウンと口でやり合ったダクネースは、黒いもやを広げて、一気に襲い掛かってくる。パステル戦士たちの前方すべてから襲い来る黒いもや。しかし、その攻撃は速く、対処をゆっくり考えている暇はなかった。
「パステル・ヴァニッシング・ブリザード!」
パステルパープルが吹雪を起こす。だが、その程度ではダクネースの攻撃を少し鈍らせる程度しかできなかった。
「なんて事ですの。攻撃が強すぎますわ」
「いや、押しとどめられればそれだけ余裕ができる」
パステルパープルは焦っているが、パステルブラウンは落ち着いている。
「パステルペンシル、フォームチェンジ、ペンシルサーベル!」
パステルブラウンの鉛筆がサーベルに変化する。そして、剣を構えるとパステルブラウンはカッと目を見開く。
「パステル・ハーベスト・スプラッシュ!」
パステルブラウンの高速の突きが炸裂する。すると、パステルパープルの攻撃で凍った部分がその突きによって砕け散る。
「ぐぬぅ!」
どうやらこれはダクネースに対して有効のようだ。
その様子を見ていたパステルピンクは、それならば自分もという感じでブラシをクレイモアへと変化させる。
「パステル・プリズム・レインボー!」
浄化技である突きを繰り出す。はっきり言ってパステルブラウンの受け売りである。
「ぬおおっ!!」
だがしかし、さすがは浄化技であるためか、ダクネースに対してかなり有効だった。かなり効いている。
「お、おのれえっ!」
いくら連携とはいっても、自分の攻撃をこうも止められてしまえば、それは頭に来るというものだ。
「調子に乗るなよ、小娘どもがっ!!」
ダクネースの体が少しずつぼやけていく。それと同時に、視界が少しずつ黒く染まっていく。一体何が起きてるというのだろうか。
『気を付けて! この黒いもやはダクネースの体そのものだ。僕も戦いたいけれど、力の充填中でまだ何もできない。せいぜい自分の身を守るくらいだ』
「ほぉ、それはいい事を聞いたな」
フォシンズが叫ぶと、ダクネースの声が聞こえてくる。
『ダクネース、いいのかい? 僕を狙うという事は、君の本体の位置を知らせるという事だよ? それに、僕が一方的にやられるだけだと思っているのかい?』
「まあ、おまえはそうだろうなぁ。だが、その背中の連中ははたしてどうだろうかな?」
フォシンズの言葉に、ダクネースは気味悪く笑いながら返している。
『ふーん、ずいぶんと聖獣の事も甘く見られたものだ。心外だなぁ』
「まったくだぜ。少なくとも俺っちの事は、甘く見てもらっちゃ困るってもんだぜ」
ダクネースの言葉に、フォシンズとワイスが反論している。
「たかだかお飾りのくせに、ほざきよるわ!」
ワイスに向けて黒いもやが襲い掛かる。だが、その攻撃はワイスには届かなかった。
「な……に……」
よく見ると、ワイスに到達するはずのもやが、そこで凍り付いているではないか。
「俺っちを誰だと思ってるんだい? 冬と静寂の聖獣ワイス様だぜ?」
この羊、無駄にかっこいいではないか。
「パステル・シュトローム・アロー!」
「ぐおおっ!」
ワイスの声を頼りに、パステルシアンの蒼銀の矢がダクネースを貫く。
「ナイスだ、パステルシアン」
ワイスの褒める声が響き渡る。
「くっ、思ったよりやるではないか。ここまで本気にさせるとはな」
ダクネースの作り出すもやが、さらに変化をしていく。どんどんと黒が濃くなり、視界が奪われていく。
「恨みつらみの漆黒こそ、我が本体。失われぬこの感情がある限り、我は滅びる事はない! さあ、お前たちも絶望に飲まれ、我の糧となれいっ!」
辺り一帯に寒気を伴った黒いもやがあふれていく。こうして辺り一帯は、ダクネースが生み出した黒いもやにすべてが包み込まれてしまった。
パステルピンクたちは一体どうなってしまうのだろうか。
ダクネースが体を広げて襲い掛かってくる。
パステルピンクたちは、ダクネースの攻撃を躱していく。しかし、その不定形の体から繰り広げられる攻撃は、なかなか動きが読みづらい。段々と追い詰められていってしまう。
「くそっ、実にやらしい攻撃だなっ!」
「なんとでもほざくがいい! 我としてはお前たちを葬り去れればいいのだからな!」
「付き合ってられないわっ!」
ダクネースの叫びにパステルオレンジが動く。
「パステル・ヴァイン・バインド!」
パステルオレンジの鞭がしなって、ダクネースの体を縛り付けていく。
「ふん、甘いわっ!」
ダクネースの体が変化して、鞭の拘束を振りほどく。やはり不定形であるダクネースに、拘束系の技は通じないようである。
「まったく、相変わらずいやらしい奴ね」
パステルブラウンがぎりっと歯を食いしばっている。
「ふん、我の娘と偽って潜んでおったお前に言われたくはないな」
「はん、どういう理由であれ、あんたはそれは放っておいたんだものね。四天王を壊滅に追い込んだのは誰のせいかしらね」
「そんなもの、大事の前の小事にすぎぬ。少しぐらい軌道をずらしたところで、我の全世界征服の大筋に影響は皆無ぞ!」
パステルブラウンと口でやり合ったダクネースは、黒いもやを広げて、一気に襲い掛かってくる。パステル戦士たちの前方すべてから襲い来る黒いもや。しかし、その攻撃は速く、対処をゆっくり考えている暇はなかった。
「パステル・ヴァニッシング・ブリザード!」
パステルパープルが吹雪を起こす。だが、その程度ではダクネースの攻撃を少し鈍らせる程度しかできなかった。
「なんて事ですの。攻撃が強すぎますわ」
「いや、押しとどめられればそれだけ余裕ができる」
パステルパープルは焦っているが、パステルブラウンは落ち着いている。
「パステルペンシル、フォームチェンジ、ペンシルサーベル!」
パステルブラウンの鉛筆がサーベルに変化する。そして、剣を構えるとパステルブラウンはカッと目を見開く。
「パステル・ハーベスト・スプラッシュ!」
パステルブラウンの高速の突きが炸裂する。すると、パステルパープルの攻撃で凍った部分がその突きによって砕け散る。
「ぐぬぅ!」
どうやらこれはダクネースに対して有効のようだ。
その様子を見ていたパステルピンクは、それならば自分もという感じでブラシをクレイモアへと変化させる。
「パステル・プリズム・レインボー!」
浄化技である突きを繰り出す。はっきり言ってパステルブラウンの受け売りである。
「ぬおおっ!!」
だがしかし、さすがは浄化技であるためか、ダクネースに対してかなり有効だった。かなり効いている。
「お、おのれえっ!」
いくら連携とはいっても、自分の攻撃をこうも止められてしまえば、それは頭に来るというものだ。
「調子に乗るなよ、小娘どもがっ!!」
ダクネースの体が少しずつぼやけていく。それと同時に、視界が少しずつ黒く染まっていく。一体何が起きてるというのだろうか。
『気を付けて! この黒いもやはダクネースの体そのものだ。僕も戦いたいけれど、力の充填中でまだ何もできない。せいぜい自分の身を守るくらいだ』
「ほぉ、それはいい事を聞いたな」
フォシンズが叫ぶと、ダクネースの声が聞こえてくる。
『ダクネース、いいのかい? 僕を狙うという事は、君の本体の位置を知らせるという事だよ? それに、僕が一方的にやられるだけだと思っているのかい?』
「まあ、おまえはそうだろうなぁ。だが、その背中の連中ははたしてどうだろうかな?」
フォシンズの言葉に、ダクネースは気味悪く笑いながら返している。
『ふーん、ずいぶんと聖獣の事も甘く見られたものだ。心外だなぁ』
「まったくだぜ。少なくとも俺っちの事は、甘く見てもらっちゃ困るってもんだぜ」
ダクネースの言葉に、フォシンズとワイスが反論している。
「たかだかお飾りのくせに、ほざきよるわ!」
ワイスに向けて黒いもやが襲い掛かる。だが、その攻撃はワイスには届かなかった。
「な……に……」
よく見ると、ワイスに到達するはずのもやが、そこで凍り付いているではないか。
「俺っちを誰だと思ってるんだい? 冬と静寂の聖獣ワイス様だぜ?」
この羊、無駄にかっこいいではないか。
「パステル・シュトローム・アロー!」
「ぐおおっ!」
ワイスの声を頼りに、パステルシアンの蒼銀の矢がダクネースを貫く。
「ナイスだ、パステルシアン」
ワイスの褒める声が響き渡る。
「くっ、思ったよりやるではないか。ここまで本気にさせるとはな」
ダクネースの作り出すもやが、さらに変化をしていく。どんどんと黒が濃くなり、視界が奪われていく。
「恨みつらみの漆黒こそ、我が本体。失われぬこの感情がある限り、我は滅びる事はない! さあ、お前たちも絶望に飲まれ、我の糧となれいっ!」
辺り一帯に寒気を伴った黒いもやがあふれていく。こうして辺り一帯は、ダクネースが生み出した黒いもやにすべてが包み込まれてしまった。
パステルピンクたちは一体どうなってしまうのだろうか。
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