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第65話
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結果からいうと、獣医師は無事だった。
朝から呼び鈴を鳴らすと、眠そうな目をしながらも玄関に出てきてたことで確認ができた。
一度目をつけられた堀田たちとかかわったというのに彼は無事だったのだ。
どうやら、渋々ながらも治療をしてくれた相手なので襲撃しなかったようである。あの犬たちも、恩は感じるらしい。
ただ、地面を見ると血痕が落ちていることが確認できた。
(ふむ、どうやら我が家に寄った後にここにも来たようだな。治療してもらえるとでも思ったのだろうかな)
堀田は獣医師の家の前に落ちていた血痕を、念のため写真に収めていく。
あまりにも明確な証拠が落ちているために、堀田はそのまま血痕の跡を追いかけることにする。
だが、その途中で堀田は驚いてしまう。
(ここで血痕が消えている……。こんなに血痕が滴るようなケガなら、簡単には治らないはずなんだが、これも超常的な力のためなのだろうかな)
住宅街に差し掛かろうかというところで、ぱったりと血痕が途切れてしまっていた。辺りを見てみても飛び散ったような形跡がないので、ここで血が止まったということになるのだろう。まったく不可解な現象である。
堀田は首を捻りながらも、やって来た道を引き返しながら、堀田は動物病院までの足取りを確認することにしたのだった。
しばらくして、堀田は家に戻ってきた。
家ではまだ泊まりに来ていた鑑識による現場検証の真っ只中だった。
「あっ、お帰りなさい」
「やあ、勇人くんだったね。どうだい、誰か来たかい?」
堀田の姿を確認した勇人が挨拶をする。
堀田から状況の確認をされた勇人は、特に誰も来ていないという報告をしていた。
「よかった。あれだけ物音がしていれば、近所の誰かから苦情が入りそうなものだが、さすが怪異事件の続く状況だと違うものだな」
堀田は家への怒鳴り込みがないことにひとまず安心をしていた。
そのような状況の中でも鑑識による現場検証が続く。そんな中、堀田が鑑識に声をかける。
「なんでしょうか」
「検証中すまないな。実は獣医師のところまで向かった時なんだが、道路に血痕がたくさん落ちていた。写真には撮っておいたんだが、どうだろうか」
堀田は自分のスマートフォンで撮影した画像を鑑識に見せる。
だが、鑑識は渋い顔をしているようだ。
「現物を見てみないとなんとも言えませんな。今の時期だと血はあっという間に乾いてしまいますし」
「そうか。家の前から点々と続いているから、合間を見て確認してくれ」
「分かりました」
話を終えた鑑識は、黙々と足型などを取り続けていた。
朝食の支度ができたらしく、手伝っていた都たちが勇人たちを呼びに来る。
作業をしていた鑑識も、ある程度作業が終わったらしく、朝食の誘いに応じている。
夜中はあれだけ恐怖体験をした勇人ですらも、朝食はしっかりもりもりと食べていた。
「私たち二人はこのまま出勤になる。勇人くんたちは夕方までは好きなように行動をしてもらっても構わないが、今はまだ攻め時ではないから準備に専念していてくれ」
「はい、分かりました」
堀田たちは出勤を前に勇人たちにしっかりと釘を刺していくことを忘れなかった。
少しずつではあるものの、着実に捜査の網は獲物を捉えつつある。
襟峰市内を恐怖に叩き落とした怪異事件。その終焉の日は近いのかもしれない。
朝から呼び鈴を鳴らすと、眠そうな目をしながらも玄関に出てきてたことで確認ができた。
一度目をつけられた堀田たちとかかわったというのに彼は無事だったのだ。
どうやら、渋々ながらも治療をしてくれた相手なので襲撃しなかったようである。あの犬たちも、恩は感じるらしい。
ただ、地面を見ると血痕が落ちていることが確認できた。
(ふむ、どうやら我が家に寄った後にここにも来たようだな。治療してもらえるとでも思ったのだろうかな)
堀田は獣医師の家の前に落ちていた血痕を、念のため写真に収めていく。
あまりにも明確な証拠が落ちているために、堀田はそのまま血痕の跡を追いかけることにする。
だが、その途中で堀田は驚いてしまう。
(ここで血痕が消えている……。こんなに血痕が滴るようなケガなら、簡単には治らないはずなんだが、これも超常的な力のためなのだろうかな)
住宅街に差し掛かろうかというところで、ぱったりと血痕が途切れてしまっていた。辺りを見てみても飛び散ったような形跡がないので、ここで血が止まったということになるのだろう。まったく不可解な現象である。
堀田は首を捻りながらも、やって来た道を引き返しながら、堀田は動物病院までの足取りを確認することにしたのだった。
しばらくして、堀田は家に戻ってきた。
家ではまだ泊まりに来ていた鑑識による現場検証の真っ只中だった。
「あっ、お帰りなさい」
「やあ、勇人くんだったね。どうだい、誰か来たかい?」
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「よかった。あれだけ物音がしていれば、近所の誰かから苦情が入りそうなものだが、さすが怪異事件の続く状況だと違うものだな」
堀田は家への怒鳴り込みがないことにひとまず安心をしていた。
そのような状況の中でも鑑識による現場検証が続く。そんな中、堀田が鑑識に声をかける。
「なんでしょうか」
「検証中すまないな。実は獣医師のところまで向かった時なんだが、道路に血痕がたくさん落ちていた。写真には撮っておいたんだが、どうだろうか」
堀田は自分のスマートフォンで撮影した画像を鑑識に見せる。
だが、鑑識は渋い顔をしているようだ。
「現物を見てみないとなんとも言えませんな。今の時期だと血はあっという間に乾いてしまいますし」
「そうか。家の前から点々と続いているから、合間を見て確認してくれ」
「分かりました」
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