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第一章 大陸編
第102話 転生者、友人関係に首を突っ込む
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一番魔王城に近い宿場町はまったく問題がなかったので、俺はあっさりと魔王城まで戻ってきた。
ただ、あそこの町長はコボルト族とあって一番親近感が湧いたのはいうまでもない。なにせ今の俺は獣人だからな。
魔王城へと戻って来た俺は、早速キリエとバフォメットに命じて宿場町の本格的な運用に乗り出した。キリエが動いている間は、俺がウネや薬師たちの相手をする事にした。
「よう、ウネ。元気にしてるか」
「あっ、魔王様なのー」
久々にやって来て挨拶をすると、やっぱり語尾の伸びた気の抜けるような返事をしてくる。
ちょうどいいので、ちょっと話にでも付き合ってもらうかな。
「なあ、ウネ。ちょっと聞いてもいいかな?」
「何なのですー?」
こてんと首を傾げるウネ。その姿に思わず吹き出しそうになってしまった。
「魔王様ー?」
ウネは首を傾げたまま、怒っているかのように強い口調だ。この態度はちょっと珍しい。
「いや、悪い。ウネってハナやペタルっていうアルラウネの事は知ってるか?」
俺が直球に質問をすると、ウネは珍しく表情を歪めていた。この反応はどうやら知っているといったところだろう。
あちこちに視線を向けて悩んだような様子を見せていたウネだったが、最終的には諦めたように下を向く。そして、顔を上げると俺に話し掛けてきた。
「魔王様がどうしてもっていうのなら、あいつのことを話してやるのー」
眉間にしわを寄せているウネ。本当に珍しい表情を見せるものだ。
これから察するに、相当何かしらの因縁があるのだろうな。
とはいえ、話を振っておいてやっぱりいいというのも悪いと思ったので、俺はウネにハナたちの話をするように頼んだ。
「しょうがないのー。魔王様だから特別」
ウネは諦めたように話をし始めた。
ウネの話によると、ハナとは友人関係らしい。ハナもウネの名前を聞いて反応していたので、これは間違いないことだろう。
ついでにいうと、ウネはペタルのことは嫌いな様子。まぁストッパーみたいな感じだしな、しょうがないかなとは思う。自由気ままに振る舞うウネからしたら、いちいち口を挟まれるのは耐えられないってことだよな。
「ハナとは今も交流はしてるー。ペタルは嫌い」
最後にそう言い切って話を締めていた。
「そうかそうか」
「でも、魔王様ー。なんで急にあの二人の話ー?」
俺が頷いて反応していると、急に話を振られたことに疑問を呈してきた。
「いやな、その二人なんだけど、魔王城から三つ目の宿場町で町長と補佐を務めてるんだよ。ウネの話をしたら知っているような反応をしてたんでな、それで聞いてみたんだ」
「そういうわけなのねー」
ウネは納得したような反応を示しながらも、庭いじりを続けていた。
ちなみにだが、俺との話の最中、ウネはずっと庭をいじり倒していた。なので、それに付きあうようにして俺も移動しながら話をしていたのだ。まぁ話してるだけなのもなんだから、俺も手伝ってはいるんだがな。
「悪かったな、話したくないところもあったかもしれないが、俺がすっきりしなかったんだ」
「別にいいのよー。魔王様だから特別って言ったのー」
気にしないでといった感じで笑うウネである。
「でも、ハナかー。久しぶりに会ってみたいのー。でも、それだと庭がー」
庭いじりの手を止めて、ゆらゆらと揺れながらウネは悩んでいるようだ。
それというのも、懐かしい友人に会いたいものの、自分は魔王城の庭園の世話を任されている。自由気ままとはいえ、魔王から与えられた仕事を放り出していくのは忍びないというわけだ。
「だったら、あっちに頼んでみないか?」
「あっち?」
「ほら、クルルとルククだよ。同じドライアドだし、言えば分かってもらえるだろう?」
「うーん?」
俺の提案に、ウネは頭をぐるんぐるんと回して悩んでいる。ずいぶんと大げさな動作で、どう反応していいのか分からない。
「クルクーの世話の仕方は魔王城の使用人にも教えてるから、どちらか一方だけでもどうにかできると思うんだ」
「うーん、それならなんとかなるー?」
ウネはさっきから首を捻りっぱなしだった。
ずっと動いてばかりだったウネの動きがようやく止まる。おそらく結論が出たのだろう。
「うん、前の前の魔王様以来だから、会いに行くのー」
「よし分かった。それじゃ俺はクルルとルククと交渉してくる。了承が得られたら準備をして出るとしようか」
「分かったのー」
というわけで、ウネとハナという違う種族の二人を久々に引き合わせることに決まったので、俺は早速クルクーの世話を担当するクルルとルククに相談を持ち掛ける。
「そういうことならいいですよ。私がそちらを担当します」
あっさりルククから了承が得られた。クルルの方も特に反対している様子もないので、これで決定でよさそうだった。
というわけで、しばらく留守にするウネからルククへと、庭園の手入れについていろいろと注意事項などが伝えられる。
無事に引継ぎが終わると、いよいよ俺たちは三つ目の宿場町へと再び向かうことになったのだった。
ただ、あそこの町長はコボルト族とあって一番親近感が湧いたのはいうまでもない。なにせ今の俺は獣人だからな。
魔王城へと戻って来た俺は、早速キリエとバフォメットに命じて宿場町の本格的な運用に乗り出した。キリエが動いている間は、俺がウネや薬師たちの相手をする事にした。
「よう、ウネ。元気にしてるか」
「あっ、魔王様なのー」
久々にやって来て挨拶をすると、やっぱり語尾の伸びた気の抜けるような返事をしてくる。
ちょうどいいので、ちょっと話にでも付き合ってもらうかな。
「なあ、ウネ。ちょっと聞いてもいいかな?」
「何なのですー?」
こてんと首を傾げるウネ。その姿に思わず吹き出しそうになってしまった。
「魔王様ー?」
ウネは首を傾げたまま、怒っているかのように強い口調だ。この態度はちょっと珍しい。
「いや、悪い。ウネってハナやペタルっていうアルラウネの事は知ってるか?」
俺が直球に質問をすると、ウネは珍しく表情を歪めていた。この反応はどうやら知っているといったところだろう。
あちこちに視線を向けて悩んだような様子を見せていたウネだったが、最終的には諦めたように下を向く。そして、顔を上げると俺に話し掛けてきた。
「魔王様がどうしてもっていうのなら、あいつのことを話してやるのー」
眉間にしわを寄せているウネ。本当に珍しい表情を見せるものだ。
これから察するに、相当何かしらの因縁があるのだろうな。
とはいえ、話を振っておいてやっぱりいいというのも悪いと思ったので、俺はウネにハナたちの話をするように頼んだ。
「しょうがないのー。魔王様だから特別」
ウネは諦めたように話をし始めた。
ウネの話によると、ハナとは友人関係らしい。ハナもウネの名前を聞いて反応していたので、これは間違いないことだろう。
ついでにいうと、ウネはペタルのことは嫌いな様子。まぁストッパーみたいな感じだしな、しょうがないかなとは思う。自由気ままに振る舞うウネからしたら、いちいち口を挟まれるのは耐えられないってことだよな。
「ハナとは今も交流はしてるー。ペタルは嫌い」
最後にそう言い切って話を締めていた。
「そうかそうか」
「でも、魔王様ー。なんで急にあの二人の話ー?」
俺が頷いて反応していると、急に話を振られたことに疑問を呈してきた。
「いやな、その二人なんだけど、魔王城から三つ目の宿場町で町長と補佐を務めてるんだよ。ウネの話をしたら知っているような反応をしてたんでな、それで聞いてみたんだ」
「そういうわけなのねー」
ウネは納得したような反応を示しながらも、庭いじりを続けていた。
ちなみにだが、俺との話の最中、ウネはずっと庭をいじり倒していた。なので、それに付きあうようにして俺も移動しながら話をしていたのだ。まぁ話してるだけなのもなんだから、俺も手伝ってはいるんだがな。
「悪かったな、話したくないところもあったかもしれないが、俺がすっきりしなかったんだ」
「別にいいのよー。魔王様だから特別って言ったのー」
気にしないでといった感じで笑うウネである。
「でも、ハナかー。久しぶりに会ってみたいのー。でも、それだと庭がー」
庭いじりの手を止めて、ゆらゆらと揺れながらウネは悩んでいるようだ。
それというのも、懐かしい友人に会いたいものの、自分は魔王城の庭園の世話を任されている。自由気ままとはいえ、魔王から与えられた仕事を放り出していくのは忍びないというわけだ。
「だったら、あっちに頼んでみないか?」
「あっち?」
「ほら、クルルとルククだよ。同じドライアドだし、言えば分かってもらえるだろう?」
「うーん?」
俺の提案に、ウネは頭をぐるんぐるんと回して悩んでいる。ずいぶんと大げさな動作で、どう反応していいのか分からない。
「クルクーの世話の仕方は魔王城の使用人にも教えてるから、どちらか一方だけでもどうにかできると思うんだ」
「うーん、それならなんとかなるー?」
ウネはさっきから首を捻りっぱなしだった。
ずっと動いてばかりだったウネの動きがようやく止まる。おそらく結論が出たのだろう。
「うん、前の前の魔王様以来だから、会いに行くのー」
「よし分かった。それじゃ俺はクルルとルククと交渉してくる。了承が得られたら準備をして出るとしようか」
「分かったのー」
というわけで、ウネとハナという違う種族の二人を久々に引き合わせることに決まったので、俺は早速クルクーの世話を担当するクルルとルククに相談を持ち掛ける。
「そういうことならいいですよ。私がそちらを担当します」
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