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SCENE014 ギブアンドテイク
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「はぁ……」
僕はため息をついている。
「どうしたのですかな、プリンセス」
バトラーが心配そうに僕に声をかけてくる。
「いや、僕の家族がどうしてるかなって。環境の変化のせいですっかり意識から消えちゃってたけど、よくよく思ってみれば、お母さんや妹が特に心配してないかなって気になってきちゃった」
「ふむふむ。それは確かに問題ですな」
そう、今さらではあるんだけど、僕は家族のことが気になっていた。
世間的には、僕は行方不明になっているはずだから、みんな心配してるんじゃないかと思う。もう十日は経っているんだもん。
でも、バトラーに確認すると、僕は外には出られないらしい。確かに、二回目の配信の時、入口まで行って外に出てみようとした。だけど、見えない壁があって外には出られなかった。
モンスターたちは、マナがあるからこそ動けるらしい。だから、マナの薄い外には出ていけないということらしいんだ。だから、外の世界は平和に暮らしてられるってわけらしい。
ならば、ダンジョンを放っておけばいいってことになるんだろうけど、じわじわと少しずつ、マナは外の世界にも漏れていっている。放っておけば、マナ濃度が上がってモンスターが外に出ていってしまうらしいんだ。
そうなれば、僕も外に出られるようになるんだけど、具体的にいつになるかは分からない。どうしたものかと、僕はボス部屋の中でうろちょろとしている。
思い悩んでいると、体がぞわっとする。ダンジョンに人が入ってきたってことだ。
誰が来たのかと思って構えていると、先日やってきた男女が僕のところまでやってきた。
「こんにちは。今日は報告がありまして訪れさせて頂きました」
「はい、何でしょうか」
ダンジョン管理局の職員たちが、なにやら書類を持ってきたみたいだ。
僕はティータイム用のテーブルに案内して、話を聞くことにする。下半身が蛇だからっていっても、ちゃんと椅子には座れるからね?
「お話を聞きましょう」
きちんと姿勢を正して、僕は二人の話を聞くことにする。
「管理局の上部と話をしまして、そちらのパイソニアの出された提案が認められることとなりました。こちらのダンジョンは、ダンジョン研究や探索者育成のために活用させていただくことになったのです」
「ほう、話の分かる人物がいたようですな」
説明を聞いていたバトラーが、あごに手を添えながら満足そうな顔をしている。
「はい。ですが、こちらのダンジョンは本格的なダンジョンとなったのは最近ということで、少々猶予が持たれることになりました」
「具体的な期間は、どのくらいですかな?」
「半年、くらいですかね」
「半年かぁ。今の状況でうまくいくかな」
「そうですな。ダンジョンを作るにも必要なものがありますからな。材料が不足していては、作れるものも作れませんからな」
僕とバトラーは、考え込んでしまう。
設備を造るとなると、ダンジョンポイントがかなり必要だ。
僕の今のダンジョンポイントの取得方法は限られている。配信を行ってチャンネル登録者を増やすと、それだけでダンジョンポイントが増えるということは分かっている。これは探索者であってもそうでなくても、関係なく増えていくみたい。
魅了の程度にもよるけれど、僕の配信で手に入ったダンジョンポイントは、ここまで2000ちょっとだ。
「ちょっと待ってて下さい」
管理局がここを利用してくれるということなので、僕は協力姿勢を見せるために、ちょっとダンジョンをいじることにした。
僕が離れている間、二人の相手はバトラーに任せる。
「お待たせしました。ダンジョンの入口の横に部屋を追加しましたので、よかったらお使いください。どうせこのダンジョンのモンスターはまだ僕たちだけなので、安心して作業できるでしょうからね」
「これはありがたい」
管理局の人たちは、感謝してくれているようだ。
ここで、僕はちょっと頼みごとをしようと思った。
「そうだ。ついでなので頼みごとをしてもいいでしょうか」
「なんでしょう?」
驚いた顔をして、何度も瞬きをしている。モンスターからの頼みごとだからかな?
とりあえず、気にしないで話を進めよう。
「手紙を、このダンジョンのある街の三枝っていう家に届けてもらいたいんです。男の子が行方不明になって、必死に探していると思いますから」
「……まさか、君が三枝瞬くんだというのかな?」
あ、僕の名前を知ってるみたいだ。これなら話が早いかな?
「実は、行方不明者が出た場合、ダンジョンに入っていった可能性もあるとして、私たち管理局にも情報が来るんですよ」
「そうなんですね。はい、僕が三枝瞬です。今はラミアプリンセスのウィンクって言いますけれどね。あっ、これは他の人には秘密でお願いしますね。なんだか恥ずかしいですから」
「分かりました。あっ、そういえば、私たちが名乗っていませんでしたね。私はダンジョン管理局の谷地翔と申します」
「同じく、日下まことと申します。これからお世話になります」
職員さんたちは、丁寧に名前を教えてくれた。
「谷地さんと日下さんですね。よろしくお願いします」
僕は二人と握手をすると、家族に僕のことを伝える手紙を持って、ダンジョンを去っていった。
ちなみに二人と握手をして帰らせた後、ダンジョンポイントが100増えていたのは内緒だよ。
僕はため息をついている。
「どうしたのですかな、プリンセス」
バトラーが心配そうに僕に声をかけてくる。
「いや、僕の家族がどうしてるかなって。環境の変化のせいですっかり意識から消えちゃってたけど、よくよく思ってみれば、お母さんや妹が特に心配してないかなって気になってきちゃった」
「ふむふむ。それは確かに問題ですな」
そう、今さらではあるんだけど、僕は家族のことが気になっていた。
世間的には、僕は行方不明になっているはずだから、みんな心配してるんじゃないかと思う。もう十日は経っているんだもん。
でも、バトラーに確認すると、僕は外には出られないらしい。確かに、二回目の配信の時、入口まで行って外に出てみようとした。だけど、見えない壁があって外には出られなかった。
モンスターたちは、マナがあるからこそ動けるらしい。だから、マナの薄い外には出ていけないということらしいんだ。だから、外の世界は平和に暮らしてられるってわけらしい。
ならば、ダンジョンを放っておけばいいってことになるんだろうけど、じわじわと少しずつ、マナは外の世界にも漏れていっている。放っておけば、マナ濃度が上がってモンスターが外に出ていってしまうらしいんだ。
そうなれば、僕も外に出られるようになるんだけど、具体的にいつになるかは分からない。どうしたものかと、僕はボス部屋の中でうろちょろとしている。
思い悩んでいると、体がぞわっとする。ダンジョンに人が入ってきたってことだ。
誰が来たのかと思って構えていると、先日やってきた男女が僕のところまでやってきた。
「こんにちは。今日は報告がありまして訪れさせて頂きました」
「はい、何でしょうか」
ダンジョン管理局の職員たちが、なにやら書類を持ってきたみたいだ。
僕はティータイム用のテーブルに案内して、話を聞くことにする。下半身が蛇だからっていっても、ちゃんと椅子には座れるからね?
「お話を聞きましょう」
きちんと姿勢を正して、僕は二人の話を聞くことにする。
「管理局の上部と話をしまして、そちらのパイソニアの出された提案が認められることとなりました。こちらのダンジョンは、ダンジョン研究や探索者育成のために活用させていただくことになったのです」
「ほう、話の分かる人物がいたようですな」
説明を聞いていたバトラーが、あごに手を添えながら満足そうな顔をしている。
「はい。ですが、こちらのダンジョンは本格的なダンジョンとなったのは最近ということで、少々猶予が持たれることになりました」
「具体的な期間は、どのくらいですかな?」
「半年、くらいですかね」
「半年かぁ。今の状況でうまくいくかな」
「そうですな。ダンジョンを作るにも必要なものがありますからな。材料が不足していては、作れるものも作れませんからな」
僕とバトラーは、考え込んでしまう。
設備を造るとなると、ダンジョンポイントがかなり必要だ。
僕の今のダンジョンポイントの取得方法は限られている。配信を行ってチャンネル登録者を増やすと、それだけでダンジョンポイントが増えるということは分かっている。これは探索者であってもそうでなくても、関係なく増えていくみたい。
魅了の程度にもよるけれど、僕の配信で手に入ったダンジョンポイントは、ここまで2000ちょっとだ。
「ちょっと待ってて下さい」
管理局がここを利用してくれるということなので、僕は協力姿勢を見せるために、ちょっとダンジョンをいじることにした。
僕が離れている間、二人の相手はバトラーに任せる。
「お待たせしました。ダンジョンの入口の横に部屋を追加しましたので、よかったらお使いください。どうせこのダンジョンのモンスターはまだ僕たちだけなので、安心して作業できるでしょうからね」
「これはありがたい」
管理局の人たちは、感謝してくれているようだ。
ここで、僕はちょっと頼みごとをしようと思った。
「そうだ。ついでなので頼みごとをしてもいいでしょうか」
「なんでしょう?」
驚いた顔をして、何度も瞬きをしている。モンスターからの頼みごとだからかな?
とりあえず、気にしないで話を進めよう。
「手紙を、このダンジョンのある街の三枝っていう家に届けてもらいたいんです。男の子が行方不明になって、必死に探していると思いますから」
「……まさか、君が三枝瞬くんだというのかな?」
あ、僕の名前を知ってるみたいだ。これなら話が早いかな?
「実は、行方不明者が出た場合、ダンジョンに入っていった可能性もあるとして、私たち管理局にも情報が来るんですよ」
「そうなんですね。はい、僕が三枝瞬です。今はラミアプリンセスのウィンクって言いますけれどね。あっ、これは他の人には秘密でお願いしますね。なんだか恥ずかしいですから」
「分かりました。あっ、そういえば、私たちが名乗っていませんでしたね。私はダンジョン管理局の谷地翔と申します」
「同じく、日下まことと申します。これからお世話になります」
職員さんたちは、丁寧に名前を教えてくれた。
「谷地さんと日下さんですね。よろしくお願いします」
僕は二人と握手をすると、家族に僕のことを伝える手紙を持って、ダンジョンを去っていった。
ちなみに二人と握手をして帰らせた後、ダンジョンポイントが100増えていたのは内緒だよ。
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