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SCENE015 残された家族
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ピンポーン。
家の呼び鈴が鳴る。
「はい、どちら様でしょうか」
私は今にあるインターフォンを取って、対応をする。
『三枝瞬くんのお宅でしょうか。ダンジョン管理局の者です』
「えっ、ダンジョン管理局の人?!」
私はすごく驚いた。
ダンジョン管理局の人が、お兄ちゃんの名前を口にしたんだもの。というか、ダンジョン管理局の人がなんでうちに来るの?
よく分からないけれど、身分証のタグを見せているので間違いなさそう。
お兄ちゃんが行方不明になってからすでに二週間。ようやく落ち着いて普段の生活ができるようになってきたのに、どういうことなのかな。
同じく居間にいたお母さんと一緒に、私は玄関に向かう。
がちゃりと玄関を開けると、そこにはスーツ姿の男性と女性が立っていた。
二人は名刺を取り出してきて自己紹介を始める。
「初めまして、ダンジョン管理局の谷地翔と申します」
「同じく、日下まことと申します」
「こちらは三枝瞬くんのお宅で、間違いございませんね?」
「はい、瞬はうちの息子です。一体どうしたというのですか」
自己紹介から、お兄ちゃんのことを確認してきた。
「実は、三枝瞬と名乗る人物からの手紙を受け取ってきたのです。中でお話はよろしいでしょうか」
「わ、分かりました。お上がり下さい」
お、お兄ちゃんからの手紙?!
私はびっくりして、二人のことをじっと見つめていた。
あっ、自己紹介が遅れました。
私は三枝瞳。現在中学一年生です。
話に出てきた瞬というのは、私のお兄ちゃん。半年もすれば高校生になる、私の頼りになるお兄ちゃんです。
そんなお兄ちゃんが、二週間前から行方不明になっていて、家の中は大騒ぎになりました。私たちはしばらく生活が落ち着かないものになっていたけれど、今回のことはようやく落ち着いてきた矢先のことなんですよ。
では、また語り部に戻るので丁寧語をやめますね。
私とお母さんが、ダンジョン管理局の人たちを向かい合う。
「こちら、預かってきた手紙でございます。どうぞ、ご確認ください」
一通の手紙を渡されて、お母さんが開けて確認をします。
『お父さん、お母さん、瞳、ごめんなさい。僕は、事情があって家に帰れなくなりました。でも、元気でやっているので心配しないで下さい。瞬より』
短い文章だけど、無事を知らせる内容だった。
だけど、私たちがそんなに簡単に信じられるわけがなかった。
「確かに、あの子の字だけど、こんな手紙ひとつで信じられると思うのですか?」
「心中お察しします。ですが、その手紙にも書いてある通り、彼は今、特殊な状況下にあるんです」
「どういう状況なんですか!」
お母さんがテーブルを叩いて大声を出している。やっと落ち着いてきたのに、また精神的に不安定になってしまうわ。
私は心配そうな表情をお母さんに向けます。
「あの……」
あまりにも見ていられないお母さんの状態に、私は管理局の人に声をかけます。
「なんでしょうか」
「お兄ちゃんの状況を、教えてくれませんか?」
お母さんが怒鳴りつけた内容と同じだけど、私は気持ちを落ち着けながら丁寧に頼みこむ。
管理局の人たちは、一度互いに視線を送り合い、再び私たちに向かい合う。
「初めての事態ですので、私たちも混乱しております」
「本人たちの話からしますと、三枝瞬くんはダンジョンマスターとなってしまったようなのです」
「ダンジョンマスター?!」
私たちは大声で驚く。
それもそのはず。ダンジョンマスターということは、モンスターということ。お兄ちゃんは探索者適性のある人間だもん、モンスターなわけがない。信じられるわけがないよ。
「証拠は、あるんですか?」
「こちらをご覧ください」
お母さんが怒りをにじませた表情で管理局の人たちに鋭い視線を送っている。だけど、管理局の人たちはとても落ち着いているみたい。
ダンジョン管理局の谷地さんが取り出したスマートフォンには、何か動画が映し出されました。
『こんにちは、ダンジョンマスターのウィンクです』
映し出されたのは、髪の長い女の子だった。
誰だろうって見ていたけど、その顔をじっと見つめていると、私は気が付いてしまった。
「この顔、お兄ちゃんだ!」
「間違いないわね、瞬だわ」
声はちょっと高くなっているし、髪の毛はなんか銀髪になってるし、目も赤い。だけど、顔立ちと喋り方は間違いなくお兄ちゃんだった。
お母さんもすぐに分かったみたい。お兄ちゃん、顔に特徴あるからなぁ……。
「でも、この姿って……?」
「はい、ラミアプリンセスというモンスターだそうです。この配信システムは探索者にしか使えません。つまり、この配信を行っている時点で、彼女が元人間で探索者適性のある人物であることは間違いないんです」
「はっ、確かに!」
私は思い出した。私だって探索者適性があるから、配信のシステムのことだって知ってるもん。
「それで現在の探索者登録をしている人物のうち、行方不明者を絞り込んでいった結果、三枝瞬くんしか該当がありませんでした」
私たちは言葉を失った。
行方不明になったお兄ちゃんが、モンスターになってダンジョンマスターをしているなんて、誰が信じられるというのかしら。
「それで、提案なのですが」
「はい、何でしょう」
「ウィンクと名乗るラミアプリンセスに会ってみませんか?」
予想外の提案にびっくりして、私たちはお互いの顔を見てしまう。
「今すぐ決める必要はありません。私どもは一度報告に向かわせて頂きますので、じっくりお考えになって下さい」
ダンジョン管理局の人たちは、そう言い残すと帰っていく。
私たちはどうしたものかと、しばらくの間、椅子に座ったまま動けなかった。
家の呼び鈴が鳴る。
「はい、どちら様でしょうか」
私は今にあるインターフォンを取って、対応をする。
『三枝瞬くんのお宅でしょうか。ダンジョン管理局の者です』
「えっ、ダンジョン管理局の人?!」
私はすごく驚いた。
ダンジョン管理局の人が、お兄ちゃんの名前を口にしたんだもの。というか、ダンジョン管理局の人がなんでうちに来るの?
よく分からないけれど、身分証のタグを見せているので間違いなさそう。
お兄ちゃんが行方不明になってからすでに二週間。ようやく落ち着いて普段の生活ができるようになってきたのに、どういうことなのかな。
同じく居間にいたお母さんと一緒に、私は玄関に向かう。
がちゃりと玄関を開けると、そこにはスーツ姿の男性と女性が立っていた。
二人は名刺を取り出してきて自己紹介を始める。
「初めまして、ダンジョン管理局の谷地翔と申します」
「同じく、日下まことと申します」
「こちらは三枝瞬くんのお宅で、間違いございませんね?」
「はい、瞬はうちの息子です。一体どうしたというのですか」
自己紹介から、お兄ちゃんのことを確認してきた。
「実は、三枝瞬と名乗る人物からの手紙を受け取ってきたのです。中でお話はよろしいでしょうか」
「わ、分かりました。お上がり下さい」
お、お兄ちゃんからの手紙?!
私はびっくりして、二人のことをじっと見つめていた。
あっ、自己紹介が遅れました。
私は三枝瞳。現在中学一年生です。
話に出てきた瞬というのは、私のお兄ちゃん。半年もすれば高校生になる、私の頼りになるお兄ちゃんです。
そんなお兄ちゃんが、二週間前から行方不明になっていて、家の中は大騒ぎになりました。私たちはしばらく生活が落ち着かないものになっていたけれど、今回のことはようやく落ち着いてきた矢先のことなんですよ。
では、また語り部に戻るので丁寧語をやめますね。
私とお母さんが、ダンジョン管理局の人たちを向かい合う。
「こちら、預かってきた手紙でございます。どうぞ、ご確認ください」
一通の手紙を渡されて、お母さんが開けて確認をします。
『お父さん、お母さん、瞳、ごめんなさい。僕は、事情があって家に帰れなくなりました。でも、元気でやっているので心配しないで下さい。瞬より』
短い文章だけど、無事を知らせる内容だった。
だけど、私たちがそんなに簡単に信じられるわけがなかった。
「確かに、あの子の字だけど、こんな手紙ひとつで信じられると思うのですか?」
「心中お察しします。ですが、その手紙にも書いてある通り、彼は今、特殊な状況下にあるんです」
「どういう状況なんですか!」
お母さんがテーブルを叩いて大声を出している。やっと落ち着いてきたのに、また精神的に不安定になってしまうわ。
私は心配そうな表情をお母さんに向けます。
「あの……」
あまりにも見ていられないお母さんの状態に、私は管理局の人に声をかけます。
「なんでしょうか」
「お兄ちゃんの状況を、教えてくれませんか?」
お母さんが怒鳴りつけた内容と同じだけど、私は気持ちを落ち着けながら丁寧に頼みこむ。
管理局の人たちは、一度互いに視線を送り合い、再び私たちに向かい合う。
「初めての事態ですので、私たちも混乱しております」
「本人たちの話からしますと、三枝瞬くんはダンジョンマスターとなってしまったようなのです」
「ダンジョンマスター?!」
私たちは大声で驚く。
それもそのはず。ダンジョンマスターということは、モンスターということ。お兄ちゃんは探索者適性のある人間だもん、モンスターなわけがない。信じられるわけがないよ。
「証拠は、あるんですか?」
「こちらをご覧ください」
お母さんが怒りをにじませた表情で管理局の人たちに鋭い視線を送っている。だけど、管理局の人たちはとても落ち着いているみたい。
ダンジョン管理局の谷地さんが取り出したスマートフォンには、何か動画が映し出されました。
『こんにちは、ダンジョンマスターのウィンクです』
映し出されたのは、髪の長い女の子だった。
誰だろうって見ていたけど、その顔をじっと見つめていると、私は気が付いてしまった。
「この顔、お兄ちゃんだ!」
「間違いないわね、瞬だわ」
声はちょっと高くなっているし、髪の毛はなんか銀髪になってるし、目も赤い。だけど、顔立ちと喋り方は間違いなくお兄ちゃんだった。
お母さんもすぐに分かったみたい。お兄ちゃん、顔に特徴あるからなぁ……。
「でも、この姿って……?」
「はい、ラミアプリンセスというモンスターだそうです。この配信システムは探索者にしか使えません。つまり、この配信を行っている時点で、彼女が元人間で探索者適性のある人物であることは間違いないんです」
「はっ、確かに!」
私は思い出した。私だって探索者適性があるから、配信のシステムのことだって知ってるもん。
「それで現在の探索者登録をしている人物のうち、行方不明者を絞り込んでいった結果、三枝瞬くんしか該当がありませんでした」
私たちは言葉を失った。
行方不明になったお兄ちゃんが、モンスターになってダンジョンマスターをしているなんて、誰が信じられるというのかしら。
「それで、提案なのですが」
「はい、何でしょう」
「ウィンクと名乗るラミアプリンセスに会ってみませんか?」
予想外の提案にびっくりして、私たちはお互いの顔を見てしまう。
「今すぐ決める必要はありません。私どもは一度報告に向かわせて頂きますので、じっくりお考えになって下さい」
ダンジョン管理局の人たちは、そう言い残すと帰っていく。
私たちはどうしたものかと、しばらくの間、椅子に座ったまま動けなかった。
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