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SCENE042 複雑な巨大ダンジョンの奥へ
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ウィンクスダンジョンから戻ってきた俺は、早速、ダンジョン配信用のドローンを購入する。実はまだ持っていなかったんだけど、この間のセイレーンさんのうろこのおかげで購入することができた。
なんで持ってなかったかというと、俺のダンジョン探索は実に地味だからだ。
なにせ周りの冒険者にもモンスターにも気付いてもらえない。そのくらい影が薄い。
だけど、そんなスキルがいよいよ役に立つ時が来たんだ。
配信用ドローンを購入した俺は、早速アカウントを取得する。
アカウントとチャンネル名は、俺ではなくセイレーンさんに設定しておく。
スパチャは……、設定しないでおこう。セイレーンさんの魅力を伝えるチャンネルなんだ。俺がその恩恵のおこぼれにあずかるわけにはいかない。スキル同様にあくまでも陰に徹するんだ。
無事に設定を終えた俺は、今日も横浜ダンジョンへと突入していく。
複雑巨大な駅の地下のとある場所にできた亀裂。ダンジョンの入口はそんなところにある。
中に入ると、完全に別世界だ。
元が巨大建造物であるために、その構造物にならったダンジョンの内装になっている。
ただし、それは一階層から三階層までの話。四階層からは、先日のウィンクスダンジョンと同じように、岩肌を持ったダンジョンになる。
ダンジョンの中は複雑になっていて、部屋同士を結ぶ狭い通路の途中には、魔力の壁が存在している。
その魔力の壁の内側に誰もいなくなると、その部分は大きく組み変わってしまう。一人でも残っていれば組み変わらないものの、しつこく残っていると、中に徘徊するモンスターがやって来て排除される。
最下層が近くなってくると、港町横浜らしい、水の多いダンジョンに変わる。
中には滝があったり川が流れていたりするし、ボス部屋のある最下層ははっきりいって海だ。ボス部屋までの道には海の中に見えない足場があるけど、周りにはサメなどのモンスターが泳いでいる姿が見える。
普通にやっていれば、絶対にたどり着けない場所だ。
(はあ、俺の隠密スキルと直感スキルがなければ、上層で死にまくってるんだろうな……)
この二つのスキルのおかげで、俺はすべての罠にかからず、モンスターにも襲われずにやって来れる。
最下層の一番奥にやって来ると、神殿のような場所に出る。ここがセイレーンさんの暮らすボス部屋だ。
「セイレーンさん、いらっしゃいますか?」
「あら、下僕じゃないの。どうしたのかしら」
奥にある貝殻を模したようなソファーの上で、セイレーンさんが俺の方を見てくる。
「待ちくたびれましたぞ。きちんと配信ができるようにしてきたのでしょうな?」
「はい、そこは問題なく用意できています」
シードラゴンさんの質問に、俺はしっかりと答える。
俺が配信の準備を始めようとすると、携帯電話が鳴る音が聞こえてくる。
「あら、これの音かしら」
どうやらセイレーンさんの携帯電話らしい。
「えっと、どうすればよろしかったかしら」
「あっ、緑色のマークをタッチすればいいですよ」
「ああ、これですわね」
セイレーンさんが画面をタップします。
『あー、よかった。高志さんから聞いていた番号、合ってたんですね』
聞いたことのある声が聞こえてくる。
この声は間違いなく、先日俺が訪れたダンジョンのマスターであるウィンクさんの声だ。
「あら、その声は確かウィンクさんかしら」
『はい、そうですよ。僕の携帯電話が新しくなったので、いろいろ確かめたくて電話をさせてもらっています。いや、よかったですよ、番号間違えてなくて』
なんとも明るい声で喋っている。
「まったく、新参者の分際で馴れ馴れしいですわね」
『でも、いいじゃないですか。お互いに暇つぶしができそうですし』
「ま、まあ、そうですわね」
セイレーンさんはなんか恥ずかしそうにしている。
あんなに気丈に振る舞っているけれど、やっぱりこんなところにずっといて寂しかったのかもしれない。俺はそのように感じてしまった。
「そうですわ、ウィンクさん」
『なんでしょうか、セイレーンさん』
「あたし、これから配信を行おうと思いますのよ。よろしければ見ていただくことはできますかしら」
「ええ、構いませんよ。チャンネル名さえ教えていただければ、見させていただきますよ」
話を聞いていた俺は、なんともいえない緊張感に襲われていた。
あの可愛らしいラミアプリンセスのウィンクさんに、俺の配信を見てもらえるだなんて、考えただけでものすごく緊張してしまう。
俺は、思わず胸に手を当ててしまう。
「下僕、ちょっと話を代わって下さいませんかしら。あたしには何のことやらさっぱり分かりませんのでね」
「わ、分かりました。今、代わります」
俺はセイレーンさんと電話を代わり、ウィンクさんといろいろ話をさせてもらう。
ウィンクさんはもう何度も配信を行われている方なので、初心者の俺はいろいろとアドバイスをもらうことになった。
こうして、ウィンクさんに指導してもらいながら、いよいよ配信を行うことになる。
世界第二例目となる、ダンジョンマスターによる配信。
どうかうまくいってくれと、俺は強く願いながら準備を進めた。
なんで持ってなかったかというと、俺のダンジョン探索は実に地味だからだ。
なにせ周りの冒険者にもモンスターにも気付いてもらえない。そのくらい影が薄い。
だけど、そんなスキルがいよいよ役に立つ時が来たんだ。
配信用ドローンを購入した俺は、早速アカウントを取得する。
アカウントとチャンネル名は、俺ではなくセイレーンさんに設定しておく。
スパチャは……、設定しないでおこう。セイレーンさんの魅力を伝えるチャンネルなんだ。俺がその恩恵のおこぼれにあずかるわけにはいかない。スキル同様にあくまでも陰に徹するんだ。
無事に設定を終えた俺は、今日も横浜ダンジョンへと突入していく。
複雑巨大な駅の地下のとある場所にできた亀裂。ダンジョンの入口はそんなところにある。
中に入ると、完全に別世界だ。
元が巨大建造物であるために、その構造物にならったダンジョンの内装になっている。
ただし、それは一階層から三階層までの話。四階層からは、先日のウィンクスダンジョンと同じように、岩肌を持ったダンジョンになる。
ダンジョンの中は複雑になっていて、部屋同士を結ぶ狭い通路の途中には、魔力の壁が存在している。
その魔力の壁の内側に誰もいなくなると、その部分は大きく組み変わってしまう。一人でも残っていれば組み変わらないものの、しつこく残っていると、中に徘徊するモンスターがやって来て排除される。
最下層が近くなってくると、港町横浜らしい、水の多いダンジョンに変わる。
中には滝があったり川が流れていたりするし、ボス部屋のある最下層ははっきりいって海だ。ボス部屋までの道には海の中に見えない足場があるけど、周りにはサメなどのモンスターが泳いでいる姿が見える。
普通にやっていれば、絶対にたどり着けない場所だ。
(はあ、俺の隠密スキルと直感スキルがなければ、上層で死にまくってるんだろうな……)
この二つのスキルのおかげで、俺はすべての罠にかからず、モンスターにも襲われずにやって来れる。
最下層の一番奥にやって来ると、神殿のような場所に出る。ここがセイレーンさんの暮らすボス部屋だ。
「セイレーンさん、いらっしゃいますか?」
「あら、下僕じゃないの。どうしたのかしら」
奥にある貝殻を模したようなソファーの上で、セイレーンさんが俺の方を見てくる。
「待ちくたびれましたぞ。きちんと配信ができるようにしてきたのでしょうな?」
「はい、そこは問題なく用意できています」
シードラゴンさんの質問に、俺はしっかりと答える。
俺が配信の準備を始めようとすると、携帯電話が鳴る音が聞こえてくる。
「あら、これの音かしら」
どうやらセイレーンさんの携帯電話らしい。
「えっと、どうすればよろしかったかしら」
「あっ、緑色のマークをタッチすればいいですよ」
「ああ、これですわね」
セイレーンさんが画面をタップします。
『あー、よかった。高志さんから聞いていた番号、合ってたんですね』
聞いたことのある声が聞こえてくる。
この声は間違いなく、先日俺が訪れたダンジョンのマスターであるウィンクさんの声だ。
「あら、その声は確かウィンクさんかしら」
『はい、そうですよ。僕の携帯電話が新しくなったので、いろいろ確かめたくて電話をさせてもらっています。いや、よかったですよ、番号間違えてなくて』
なんとも明るい声で喋っている。
「まったく、新参者の分際で馴れ馴れしいですわね」
『でも、いいじゃないですか。お互いに暇つぶしができそうですし』
「ま、まあ、そうですわね」
セイレーンさんはなんか恥ずかしそうにしている。
あんなに気丈に振る舞っているけれど、やっぱりこんなところにずっといて寂しかったのかもしれない。俺はそのように感じてしまった。
「そうですわ、ウィンクさん」
『なんでしょうか、セイレーンさん』
「あたし、これから配信を行おうと思いますのよ。よろしければ見ていただくことはできますかしら」
「ええ、構いませんよ。チャンネル名さえ教えていただければ、見させていただきますよ」
話を聞いていた俺は、なんともいえない緊張感に襲われていた。
あの可愛らしいラミアプリンセスのウィンクさんに、俺の配信を見てもらえるだなんて、考えただけでものすごく緊張してしまう。
俺は、思わず胸に手を当ててしまう。
「下僕、ちょっと話を代わって下さいませんかしら。あたしには何のことやらさっぱり分かりませんのでね」
「わ、分かりました。今、代わります」
俺はセイレーンさんと電話を代わり、ウィンクさんといろいろ話をさせてもらう。
ウィンクさんはもう何度も配信を行われている方なので、初心者の俺はいろいろとアドバイスをもらうことになった。
こうして、ウィンクさんに指導してもらいながら、いよいよ配信を行うことになる。
世界第二例目となる、ダンジョンマスターによる配信。
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