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SCENE046 電話をするのを忘れてた
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配信をした日の夜のこと、僕の携帯電話が鳴った。
着信を見てみると、『三枝瞳』の文字があった。あっ、妹からの電話だ。
新しい携帯電話ってすごいな。ダンジョンの一番奥にいても電波が届くんだもん。前の携帯電話だと圏外で電話できなかったもんね。
っと、このまま放っておくと瞳が拗ねちゃう。
僕は通話を推して電話に出る。
「もしもし、瞳?」
『あー、やっと出たよ、お兄ちゃん』
なんだろう。瞳の声が何か怒っているように聞こえる。
『衣織お姉ちゃんから携帯を新しくしたって聞いたのに、お兄ちゃんからはまったく連絡がないんだもん。我慢できずに私からかけちゃったじゃないのよ』
ああ、そういうことか。
瞳ってば僕からの電話をずっと待ってたんだ。ごめん、忘れてたよ。
「ごめん、瞳。びっくりすることがあって忘れてたよ」
『ひっどーいっ!』
正直にいったら、怒られたよ。
でも、すぐに瞳からは普段の声で話し掛けられる。
『お兄ちゃん、そこのダンジョンに星空の部屋作ったんだね。配信見てたよ』
「あ、うん。ほら、僕ってばダンジョンから出られないでしょ。目の前は森が広がってるからほとんど外の景色が見えないからね。それで、作ってみたんだ」
『そっかぁ。悠々自適そうなけど、モンスターって大変なんだね』
「僕もこんな風になるとは思ってもみなかったよ。瞳も中学三年生になったら、一緒に星空を眺めよう」
『うん、約束だよ、お兄ちゃん』
僕が約束を持ちかけると、瞳の声が優しくなった気がした。
かと思ったら、なんだか今度は慌ただしい感じで話し掛けてくる。
『そうだ、お兄ちゃん。あの配信、見た?』
「あの配信ってなに、瞳」
ものすごく興奮しているような感じだけど、一体どうしたんだろう。
心当たりはあるんだけど、僕はあえて瞳に確認をしてみる。
『お兄ちゃん以外にも、モンスターが配信してたんだよ。見た時ものすごくびっくりしたんだから。どうやって配信しているの、あれ!』
やっぱり、セイレーンさんによる配信の話だった。
瞳にだったら正直に話してもいいかなと思ったので、僕は話すことにする。
「もちろん知っているよ。だって、配信の仕方を教えたのは僕だしね」
『えええっ!? なんで、なんで教えちゃったのよ。でも、配信用の機材はモンスターの元にはないはずだよ?! どうやったのよ』
ものすごく興奮しているな。教えないと落ち着かない気がするし、僕はちょっと真面目にいうことにする。
「瞳、ここからは他言無用だよ。守れる?」
『う、うん。お兄ちゃんとの約束だもん、絶対守るよ』
僕の真剣な声に、瞳は戸惑っているみたいだ。これなら話しても広まらずに済むかな。
うん、妹を信じよう。
「実は、セイレーンさんのところまでたどり着いた探索者がいるんだ。その人のおかげで、セイレーンさんはああやって配信できているんだよ」
『えっ、えっ? あそこって最高難易度クラスの横浜ダンジョンだよね?』
「うん、そうだよ」
『トップクラスの探索者でも六階層くらいだって言ってるのに、ボス部屋にたどり着いちゃった人がいるの?!』
ああ、やっぱり驚くよね。でも、事実だから仕方がないよ。そうでなければ、モンスターが配信するなんて、僕みたいな特殊な例を除いて存在しないんだから。
とはいっても、僕も配信用のドローン持ち込んでなかったら配信できてなかったもんね。あの時、何を思ったのか持ち込んどいて正解だったよ。
「うん、これは紛れもない事実だよ。その人、僕のところにも来たし、セイレーンさん自身が認めていたからね」
僕がこう告げても、瞳からはすぐに反応が返ってこなかった。驚きすぎて、放心しちゃってるのかな?
「……瞳?」
『あっ、なに、お兄ちゃん』
僕が声をかけると、瞳は慌てたように反応を返してきた。やっぱりぼーっとしてたみたいだ。
「横浜ダンジョンのボス部屋に冒険者がたどり着いた話は、誰にもしないでよ。特に、衣織お姉さんには絶対」
『わかってるって。衣織お姉ちゃんが知ったら、絶対悔しがるだろうからね』
「ほう、私がどうかしたのかな?」
「へ?」
瞳と話をしていると、不意に声が聞こえてきた。
「えっ、なんでこんな時間に衣織お姉さんがここにいるの?!」
『えっ、衣織お姉ちゃんが来てるの?!』
僕も瞳もびっくりだ。
「な、なんで衣織お姉さんがいるの?」
「なにって、瞬の配信を見たからに決まっているだろうが」
そういって、衣織お姉さんは僕に顔を近付けてくる。
「それより、さっきの話は本当か? あの横浜ダンジョンのボス部屋にたどり着いた人間がいるというのは」
ものすごい圧力だ。僕なんて一瞬で消し飛びそうなくらいな気配がするよ。
「そこまでですぞ、衣織殿」
「ば、バトラー」
僕のピンチに颯爽と駆けつけたのは、バトラーだった。
「まったく、妹君からの電話ということで気を遣って離れておりましたのに……。プリンセスのお知り合いであるあなたがそんな気遣いのない行動をとられては困りますな」
バトラーが衣織お姉さんに説教をしている。さすがバトラーは強いな。
「おっと、そうだったな。だが、やってきたところで自分の話が出れば、気になって首を突っ込みたくなるというものではないかな?」
「まあ、気持ちは分かりますな」
衣織お姉さんの言い分に、バトラーがあっさり首を縦に振っちゃった。
どうしよう。瞳と話をしていただけなのに、衣織お姉さんが登場して話がややこしくなっちゃった。
着信を見てみると、『三枝瞳』の文字があった。あっ、妹からの電話だ。
新しい携帯電話ってすごいな。ダンジョンの一番奥にいても電波が届くんだもん。前の携帯電話だと圏外で電話できなかったもんね。
っと、このまま放っておくと瞳が拗ねちゃう。
僕は通話を推して電話に出る。
「もしもし、瞳?」
『あー、やっと出たよ、お兄ちゃん』
なんだろう。瞳の声が何か怒っているように聞こえる。
『衣織お姉ちゃんから携帯を新しくしたって聞いたのに、お兄ちゃんからはまったく連絡がないんだもん。我慢できずに私からかけちゃったじゃないのよ』
ああ、そういうことか。
瞳ってば僕からの電話をずっと待ってたんだ。ごめん、忘れてたよ。
「ごめん、瞳。びっくりすることがあって忘れてたよ」
『ひっどーいっ!』
正直にいったら、怒られたよ。
でも、すぐに瞳からは普段の声で話し掛けられる。
『お兄ちゃん、そこのダンジョンに星空の部屋作ったんだね。配信見てたよ』
「あ、うん。ほら、僕ってばダンジョンから出られないでしょ。目の前は森が広がってるからほとんど外の景色が見えないからね。それで、作ってみたんだ」
『そっかぁ。悠々自適そうなけど、モンスターって大変なんだね』
「僕もこんな風になるとは思ってもみなかったよ。瞳も中学三年生になったら、一緒に星空を眺めよう」
『うん、約束だよ、お兄ちゃん』
僕が約束を持ちかけると、瞳の声が優しくなった気がした。
かと思ったら、なんだか今度は慌ただしい感じで話し掛けてくる。
『そうだ、お兄ちゃん。あの配信、見た?』
「あの配信ってなに、瞳」
ものすごく興奮しているような感じだけど、一体どうしたんだろう。
心当たりはあるんだけど、僕はあえて瞳に確認をしてみる。
『お兄ちゃん以外にも、モンスターが配信してたんだよ。見た時ものすごくびっくりしたんだから。どうやって配信しているの、あれ!』
やっぱり、セイレーンさんによる配信の話だった。
瞳にだったら正直に話してもいいかなと思ったので、僕は話すことにする。
「もちろん知っているよ。だって、配信の仕方を教えたのは僕だしね」
『えええっ!? なんで、なんで教えちゃったのよ。でも、配信用の機材はモンスターの元にはないはずだよ?! どうやったのよ』
ものすごく興奮しているな。教えないと落ち着かない気がするし、僕はちょっと真面目にいうことにする。
「瞳、ここからは他言無用だよ。守れる?」
『う、うん。お兄ちゃんとの約束だもん、絶対守るよ』
僕の真剣な声に、瞳は戸惑っているみたいだ。これなら話しても広まらずに済むかな。
うん、妹を信じよう。
「実は、セイレーンさんのところまでたどり着いた探索者がいるんだ。その人のおかげで、セイレーンさんはああやって配信できているんだよ」
『えっ、えっ? あそこって最高難易度クラスの横浜ダンジョンだよね?』
「うん、そうだよ」
『トップクラスの探索者でも六階層くらいだって言ってるのに、ボス部屋にたどり着いちゃった人がいるの?!』
ああ、やっぱり驚くよね。でも、事実だから仕方がないよ。そうでなければ、モンスターが配信するなんて、僕みたいな特殊な例を除いて存在しないんだから。
とはいっても、僕も配信用のドローン持ち込んでなかったら配信できてなかったもんね。あの時、何を思ったのか持ち込んどいて正解だったよ。
「うん、これは紛れもない事実だよ。その人、僕のところにも来たし、セイレーンさん自身が認めていたからね」
僕がこう告げても、瞳からはすぐに反応が返ってこなかった。驚きすぎて、放心しちゃってるのかな?
「……瞳?」
『あっ、なに、お兄ちゃん』
僕が声をかけると、瞳は慌てたように反応を返してきた。やっぱりぼーっとしてたみたいだ。
「横浜ダンジョンのボス部屋に冒険者がたどり着いた話は、誰にもしないでよ。特に、衣織お姉さんには絶対」
『わかってるって。衣織お姉ちゃんが知ったら、絶対悔しがるだろうからね』
「ほう、私がどうかしたのかな?」
「へ?」
瞳と話をしていると、不意に声が聞こえてきた。
「えっ、なんでこんな時間に衣織お姉さんがここにいるの?!」
『えっ、衣織お姉ちゃんが来てるの?!』
僕も瞳もびっくりだ。
「な、なんで衣織お姉さんがいるの?」
「なにって、瞬の配信を見たからに決まっているだろうが」
そういって、衣織お姉さんは僕に顔を近付けてくる。
「それより、さっきの話は本当か? あの横浜ダンジョンのボス部屋にたどり着いた人間がいるというのは」
ものすごい圧力だ。僕なんて一瞬で消し飛びそうなくらいな気配がするよ。
「そこまでですぞ、衣織殿」
「ば、バトラー」
僕のピンチに颯爽と駆けつけたのは、バトラーだった。
「まったく、妹君からの電話ということで気を遣って離れておりましたのに……。プリンセスのお知り合いであるあなたがそんな気遣いのない行動をとられては困りますな」
バトラーが衣織お姉さんに説教をしている。さすがバトラーは強いな。
「おっと、そうだったな。だが、やってきたところで自分の話が出れば、気になって首を突っ込みたくなるというものではないかな?」
「まあ、気持ちは分かりますな」
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