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第87話 実は人のよい最強聖女
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翌日、朝食の席でエリスはキャサリーンから報告を受ける。
「エリス、あなたにお話があります」
「なんでしょうか、キャサリーン様」
体をビクッと震わせて、エリスはキャサリーンの方を見る。
「あなたが不甲斐ないので、このゼラブの結界を勝手ながら私が強化させました。これでも少しは神様の恩恵を受けられるようになるでしょう」
「あ、ありがとうございます、キャサリーン様。申し訳ありません、ボクが未熟なせいでお手を煩わせてしまって……」
キャサリーンから話を聞かされたエリスは、素直にお礼を言っている。
一方のキャサリーンだが、余計なことをさせられたのは事実だが、あまり怒ってはいないようだった。
「別によろしいのですよ。ゼラブの状況は、隣国であるテレグロスにも影響を及ぼすのですから。自国を守るためでしたら、周辺各国であろうと、私は遠慮はしませんよ」
「さ、さすがキャサリーン様。ぼ、ボクも見習わなくちゃ……」
エリスは朝食の野菜を一口含んで、むんと気合いを入れている。
気合いを入れるエリスの姿を見て、キャサリーンはちょっと心配そうな顔をしている。
「あなたは、自分に自信を持ち切れていないようですね」
「そ、そうでしょうか」
キャサリーンの言葉に、エリスはつい下を向いてしまう。
エリスの姿に、キャサリーンはつい表情を曇らせてしまう。
「私が帰るまでにはまだ少し時間があります。ちょっとくらい二人きりで話をしましょう」
「え、ええっ?! それは、おそれ多すぎます……」
キャサリーンからかけられた言葉に、エリスは首と両手を同時に左右に振っている。
隣国だから会ってもらえるだけと思っている上に、昨日の説教のことが頭をよぎったからだ。二日連続でお小言を言われると、強く警戒しているのである。
とはいえ、キャサリーンからの誘いを断れるわけもなく、エリスはちまちまと朝食を食べ続けるしかなかった。
朝食を終えて、エリスはキャサリーンの泊まっている部屋……ではなく、エリスの私室にキャサリーンを迎え入れることになってしまった。
もはやエリスの心臓はばっくばくと鼓動が速くなっていた。
「こ、こちらです、キャサリーン様」
「ええ、お邪魔しますよ」
エリスの部屋に入ったキャサリーンは、部屋の中をひと通り見まわしていた。
キャサリーンも見覚えのある、実に殺風景な部屋の様子が目の前に広がっている。
「な、何もなくて申し訳ありません」
「いえ、私もこういう部屋ですから、問題ありませんよ」
謝るエリスに、キャサリーンはフォローを入れておく。
部屋に問題はなさそうだと思ったキャサリーンだったが、部屋に漂っているかすかな気配に表情を歪ませる。
「どうか、なさいましたか?」
「魔族の気配がありますね……」
「えっ?」
キャサリーンの言葉に、エリスはびっくりする。
「まったく、こんな教会にまで手を出すとは、浄化しておきましょう」
キャサリーンが魔法を使うと、空中に漂っている魔族の気配がすっと消えてしまった。
一瞬で浄化してしまうのだから、キャサリーンの魔力はすごいとしか言いようがない。
「身に覚えはありますか?」
キャサリーンが問い掛けると、エリスは強く首を横に振っていた。
エリスもまさか自分の角から漏れ出た魔力が部屋に漂っているとも思わなかった。角を見せる時は、考えなきゃいけないと思うエリスであった。
「さて、エリスの話ですが、私が見るに、神聖力はかなりのものだと思います」
「そ、そうなんですね。ありがとうございます」
神聖力がかなりあると言われて、エリスはほっとする。
「ですが、その魔力をまったくうまく使いこなせていません。あなたが自分の国を守り切れないのは、魔力を扱う技術が未熟なためです」
「ガーンッ!」
キャサリーンからはっきりと指摘を受けてしまい、エリスのショックは計り知れなかった。
「ですので、あなたは一度しっかりと魔力の扱い方をどなたかからしっかりと学んでおくべきです」
「そ、そうなんですか!」
確かに小さい頃からそうだった気がする。
おそらく自分の中に魔族の血が流れていることが影響しているのだろう。その影響を気にして、エリスはしっかりと魔法を使うことができていない可能性が考えられる。
それが今、エリスの中で無意識の魔力抑制となってしまい、力を十分発揮できなくなっているのだ。
「私が一番近くにいますから、見てあげれればいいのですがね。テレグロス王国の状況もあまりよろしくないゆえに、どうにもあまり離れることができないのです」
「そうなんですね。残念です……」
キャサリーンから教えてもらえれば、一番楽だった。それだというのに現状では無理なのだという。
しゅんと落ち込んでしまうエリスなのである。
ところが、キャサリーンから思わぬ提案を出されてしまう。
「アリエスでしたっけか。サンカサス王国の聖女なら時間もあるでしょう。年末に魔力暴走を起こしていたので、制御方法を習得するとか言っていました。彼女ならばきっとエリスに必要なものを教えてくれると思いますよ」
「ほ、本当ですか?!」
「ええ。せっかくですし、私も筆を執っておきましょうか」
なんということだろうか。エリスが手紙を出そうとした相手と、近いうちに会うことができそうなのだ。
エリスは思わずキャサリーンの手を握ってしまい。嬉しそうに涙を流し始めたのだった。
「エリス、あなたにお話があります」
「なんでしょうか、キャサリーン様」
体をビクッと震わせて、エリスはキャサリーンの方を見る。
「あなたが不甲斐ないので、このゼラブの結界を勝手ながら私が強化させました。これでも少しは神様の恩恵を受けられるようになるでしょう」
「あ、ありがとうございます、キャサリーン様。申し訳ありません、ボクが未熟なせいでお手を煩わせてしまって……」
キャサリーンから話を聞かされたエリスは、素直にお礼を言っている。
一方のキャサリーンだが、余計なことをさせられたのは事実だが、あまり怒ってはいないようだった。
「別によろしいのですよ。ゼラブの状況は、隣国であるテレグロスにも影響を及ぼすのですから。自国を守るためでしたら、周辺各国であろうと、私は遠慮はしませんよ」
「さ、さすがキャサリーン様。ぼ、ボクも見習わなくちゃ……」
エリスは朝食の野菜を一口含んで、むんと気合いを入れている。
気合いを入れるエリスの姿を見て、キャサリーンはちょっと心配そうな顔をしている。
「あなたは、自分に自信を持ち切れていないようですね」
「そ、そうでしょうか」
キャサリーンの言葉に、エリスはつい下を向いてしまう。
エリスの姿に、キャサリーンはつい表情を曇らせてしまう。
「私が帰るまでにはまだ少し時間があります。ちょっとくらい二人きりで話をしましょう」
「え、ええっ?! それは、おそれ多すぎます……」
キャサリーンからかけられた言葉に、エリスは首と両手を同時に左右に振っている。
隣国だから会ってもらえるだけと思っている上に、昨日の説教のことが頭をよぎったからだ。二日連続でお小言を言われると、強く警戒しているのである。
とはいえ、キャサリーンからの誘いを断れるわけもなく、エリスはちまちまと朝食を食べ続けるしかなかった。
朝食を終えて、エリスはキャサリーンの泊まっている部屋……ではなく、エリスの私室にキャサリーンを迎え入れることになってしまった。
もはやエリスの心臓はばっくばくと鼓動が速くなっていた。
「こ、こちらです、キャサリーン様」
「ええ、お邪魔しますよ」
エリスの部屋に入ったキャサリーンは、部屋の中をひと通り見まわしていた。
キャサリーンも見覚えのある、実に殺風景な部屋の様子が目の前に広がっている。
「な、何もなくて申し訳ありません」
「いえ、私もこういう部屋ですから、問題ありませんよ」
謝るエリスに、キャサリーンはフォローを入れておく。
部屋に問題はなさそうだと思ったキャサリーンだったが、部屋に漂っているかすかな気配に表情を歪ませる。
「どうか、なさいましたか?」
「魔族の気配がありますね……」
「えっ?」
キャサリーンの言葉に、エリスはびっくりする。
「まったく、こんな教会にまで手を出すとは、浄化しておきましょう」
キャサリーンが魔法を使うと、空中に漂っている魔族の気配がすっと消えてしまった。
一瞬で浄化してしまうのだから、キャサリーンの魔力はすごいとしか言いようがない。
「身に覚えはありますか?」
キャサリーンが問い掛けると、エリスは強く首を横に振っていた。
エリスもまさか自分の角から漏れ出た魔力が部屋に漂っているとも思わなかった。角を見せる時は、考えなきゃいけないと思うエリスであった。
「さて、エリスの話ですが、私が見るに、神聖力はかなりのものだと思います」
「そ、そうなんですね。ありがとうございます」
神聖力がかなりあると言われて、エリスはほっとする。
「ですが、その魔力をまったくうまく使いこなせていません。あなたが自分の国を守り切れないのは、魔力を扱う技術が未熟なためです」
「ガーンッ!」
キャサリーンからはっきりと指摘を受けてしまい、エリスのショックは計り知れなかった。
「ですので、あなたは一度しっかりと魔力の扱い方をどなたかからしっかりと学んでおくべきです」
「そ、そうなんですか!」
確かに小さい頃からそうだった気がする。
おそらく自分の中に魔族の血が流れていることが影響しているのだろう。その影響を気にして、エリスはしっかりと魔法を使うことができていない可能性が考えられる。
それが今、エリスの中で無意識の魔力抑制となってしまい、力を十分発揮できなくなっているのだ。
「私が一番近くにいますから、見てあげれればいいのですがね。テレグロス王国の状況もあまりよろしくないゆえに、どうにもあまり離れることができないのです」
「そうなんですね。残念です……」
キャサリーンから教えてもらえれば、一番楽だった。それだというのに現状では無理なのだという。
しゅんと落ち込んでしまうエリスなのである。
ところが、キャサリーンから思わぬ提案を出されてしまう。
「アリエスでしたっけか。サンカサス王国の聖女なら時間もあるでしょう。年末に魔力暴走を起こしていたので、制御方法を習得するとか言っていました。彼女ならばきっとエリスに必要なものを教えてくれると思いますよ」
「ほ、本当ですか?!」
「ええ。せっかくですし、私も筆を執っておきましょうか」
なんということだろうか。エリスが手紙を出そうとした相手と、近いうちに会うことができそうなのだ。
エリスは思わずキャサリーンの手を握ってしまい。嬉しそうに涙を流し始めたのだった。
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