彼は今日も私に嘘をつく

ヒカリと影

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雪の降る夜

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「…ん…ここ…ど…こ…」
「あぁ、起きたのか。ここはお前の学校の保健室だ、寝ぼけてんのか?」
あ…本当だ…よく見ると見慣れた部屋だ。
「寝ぼけてません!ふうちゃんありがと~」
この人は、私の担任の滝川 楓 (タキガワ フウ)先生。面白い名前でしょ?あだ名はふうちゃん。ふうちゃんは授業も面白くて、1人1人のこともちゃんと思ってくれてるから、私も皆も好きな先生なんだ。
「それはそうと、お前すごい熱だったけど大丈夫か?お母さんに連絡したからもう来ると思う!それにあんな屋上にいたなんて…」
「連絡してくれたんだ!ありがとう!ふうちゃん私大丈夫だから気にしないで!」
「そうか。まぁ無理はするなよ」
「うん」

私、ふうちゃんには話せないわ…。
まず、思い出したくないから。
もう好きなんて気持ち、無くなった。屋上に捨ててきた。
何度も嘘をつかれた。そんなあいつがしてきたことは。裏切りだから。
もう無いとは思うけど、もし「許して」って言われてもね?智也、私は許すことはできない。

寒く、冷たい雪の降る夜だった。
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