season

ヒカリと影

文字の大きさ
7 / 7

ハッピーエンド

しおりを挟む
「仲間に入れてください」
この11文字を言うことが難しかった。
「……………………」
辺りに包まれる沈黙。
沈黙に耐えられなくて、私は俯いた。
「京華」
私は顔を上げた。
「俺等と仲間になること、俺等は嬉しい。
でも、仲間になること、それはお前が思っていることとは違うかもしれない。…それでも、仲間になるか?」
「うん。前に断ったとき、私辛くてもう死ぬしかないって思った。そしてようやく落ち着いたのに、あなた達がまた現れるから…っ嬉しくて嬉しくて仕方ないの……っごめん、ね…こんな私でっ…」
私がとうとう泣いてしまったとき、私は誰かの腕の中にいた。
顔を上げると、皆が笑っていた。
「あっ、俺等名前まだ言ってなかったよな」
私を抱きしめてくれた人が言った。
「そう言えばそうだね、あなたは?」
「俺は碧」
「僕は颯羅」
「俺達、皆お前のこと大好きだ、中には恋愛感情持っているやついるんじゃないか…?俺の名前は廉」
「っおい!余計なこと言うんじゃねえ!」
「碧、颯羅、廉。皆もありがとう。私もみんなのこと大好き。」
なんで碧赤くなってるの?廉が恋愛感情とか言い出してからだよね…?

「さぁ、帰るぞ」
「帰るってどこに?」
「そりゃ、雲の上だろ」
「天国!?」
「あぁ、そういうことになるね」
天国行けるんだ、良かった。
「じゃあ、京華天国行くの初めてだから碧と手繋いどけ。俺達の後ろ歩いとけよ」
少し恥ずかしい。でも、しょうがないよね。
「ん」
差しだされた左手。それをぎゅっと掴む。
碧が赤くなっている。可愛い。
「何笑ってんだよ」
「いや、何も?」

前にいる廉達と少し距離が出来た。
そのとき、急に碧が立ち止まった。
「うっ、急に立ち止まらないでよ」
「お前が好きだ」
…え?話噛み合ってないとかそういう前に、私は話についていけない。
「なっ、なに、急に」
「…出会った時から、いや、出会う前から好きだった」
そんな言葉、急にやめてよ。私、もう耐えられない。不意打ちは…私には無理だ。
急に碧に手を引かれ、私はまた碧の腕の中にいた。
「別に今、答えを出さなくてもいい。ずっと待ってるから」
…人の気持ちも知らないで勝手にそんなこと言われたら嫌になる。
「人の気持ちも知らないで!……私も好きだよ、碧のこと」
「………え?」
見つめ合った。
「何、赤くなってるの?」
「そっちもだろ」


「おめでとう!」
「やっぱりくっつくと思った俺は天才だな」
「!?」
後ろを振り向くと、颯羅と廉がいた。
「っ聞いてたのか!」
「聞かないでよ…」
「うん、ずっとね。ごめんね、京華ちゃん、僕達碧の気持ち知ってたから」
「碧2人に言ったの?」
「いや言ってない」
「俺達のこと甘く見んなよな。碧のことぐらいわかる」
「本当におめでとう。」
 
皆に祝福され、私達は笑い合った。少し照れ合いながら。


――――――end―――――――

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

とある令嬢の断罪劇

古堂 素央
ファンタジー
本当に裁かれるべきだったのは誰? 時を超え、役どころを変え、それぞれの因果は巡りゆく。 とある令嬢の断罪にまつわる、嘘と真実の物語。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!

よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

【完結短編】ある公爵令嬢の結婚前日

のま
ファンタジー
クラリスはもうすぐ結婚式を控えた公爵令嬢。 ある日から人生が変わっていったことを思い出しながら自宅での最後のお茶会を楽しむ。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

令嬢失格な私なので

あんど もあ
ファンタジー
貴族の令息令嬢が学ぶ王都学園。 そこのカースト最下位と思われている寮生の中でも、最も令嬢らしからぬディアナ。 しかしその正体は……。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

処理中です...