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部屋に戻ると椿をベットに寝せて、出してある荷物をアイテムバックにしまっていく。
一通り終ると、寝ている椿の髪を触りながらため息を漏らす。
「はぁー、これで治療も終わったし。ここから出れるわね、っていっても夜の中出歩くと怪しまれるわね。朝一でいいかしら?つばきちゃんも寝てるし、いいわよね?」
独り言を言いながらエマは愛おしそうに椿の顔を撫でる。
影の中から、ウルが顔を出すと〔魔力の供給を致しましょうか?〕と椿を心配そうにしながら声をかけてきた。
「大丈夫よ、私がするわ。」そう答えるエマに、ウルは影から出て椿の側に近づく。
そんなウルを気にもせず、エマは優しくキスをしながら自分の魔力を椿に注ぐ。
「っはぁ、柔らかい唇。癖になるわぁ~っと、もう終わりよ!何もしないわよ!まったく、相変わらずなんだから」
グルルと唸るウルにエマは両手を上げて、降参のポーズをするとウルは唸るのをやめた。
灯を消すと椿を包み込む様に同じベッドで寝むるエマ。
「おやすみっ」
チュッと頬にキスをすると、目を閉じる。
日が昇る前に、エマが起き出し椿を起こす。夜明けの前に出発しようと考えたからだ。
「つばきちゃん、つばきちゃん起きて。」
「ぅう~ん」
「おはよ。もう出発するわよ?体調はどうかしら?」
「おはよ…うん、大丈夫だよ…」
寝ぼけながら返事をする椿にやれやれといった表情でエマは身支度を整えた。
〔つばき様、おはようございます。体調が優れないと思いますが、早めに出発された方が良いと思います〕
「うん、そうだったね」
ウルが周りを警戒しながら椿の側に寄り添う。ふわふわの毛を撫でながら椿は気を引き締める。
「よし、行こう」
椿は忘れ物がないか部屋を見渡し、確認すると部屋を出る。
うす暗い廊下を歩いていく。手元にあるロウソクの火がゆらゆらと揺れていた。
玄関に着きドアに手をかけると、シュールが包みを持って駆け寄ってきた。
「はぁはぁ、間に合いましたーーあの、お礼といっては大した物では無いんですが…良かったら受け取って下さい。」
そういって、渡された包みを受け取ると温かみが残るパンだった。
硬いパンの食感があるが、優しい気遣いに嬉しくなる。
「ありがとう!短い間でしたが、お世話になりました」
お礼を言う椿にシュールは慌てて、顔を上げる様に話す。
「とんでもない!お礼を言いたいのは私の方です。本当にありがとうございます!」
2人は涙を浮かべながら話をしていた。エマはそんな椿に「そろそろ行かないと」と伝える。
2人が見えなくなるまで、シュールは手を振っていた。
◇
日が昇り出した頃、朝ごはんの準備を始める為食堂に行くといつもと違う事に気付いた。
いつも、食事が出来るまで集まらないのに今朝はすでに何人か集まっていたのだ。
不思議に思い、どうしたのか聞いてみると。
「今日はお祝いなんだよ!」
「そうさ!!嬉しくて嬉しくて、寝ていられないんだ!」
お祝い?何の?
そう疑問に思ったが、すぐに理由が分かった。誰1人、あの薄汚い肌の色では無いのだ。全員完治したから、お祝い。
そう理解するのに時間はかからなかった。
「はっ!?カイさんーーー」
私は慌てた。カイさんがいる部屋まで走る。ノックもせずにドアを勢いよく開けると、キチンと整頓された室内に人の気配は既に無かった。
「嘘、うそよ!私を置いて出て行く訳ないじゃない!どこかに隠れているんでしょ!?私よ!サラよ!!カイさんーー!」
誰もいない部屋で泣き叫ぶ声が響いていた。
サラは、スカートを握り締めながら憎しみに満ちた目で窓の外を睨みつけていた。
「あの女ね、私のカイさんを騙して連れていったのはーー許さない。許さないから・・・ローラ」
一通り終ると、寝ている椿の髪を触りながらため息を漏らす。
「はぁー、これで治療も終わったし。ここから出れるわね、っていっても夜の中出歩くと怪しまれるわね。朝一でいいかしら?つばきちゃんも寝てるし、いいわよね?」
独り言を言いながらエマは愛おしそうに椿の顔を撫でる。
影の中から、ウルが顔を出すと〔魔力の供給を致しましょうか?〕と椿を心配そうにしながら声をかけてきた。
「大丈夫よ、私がするわ。」そう答えるエマに、ウルは影から出て椿の側に近づく。
そんなウルを気にもせず、エマは優しくキスをしながら自分の魔力を椿に注ぐ。
「っはぁ、柔らかい唇。癖になるわぁ~っと、もう終わりよ!何もしないわよ!まったく、相変わらずなんだから」
グルルと唸るウルにエマは両手を上げて、降参のポーズをするとウルは唸るのをやめた。
灯を消すと椿を包み込む様に同じベッドで寝むるエマ。
「おやすみっ」
チュッと頬にキスをすると、目を閉じる。
日が昇る前に、エマが起き出し椿を起こす。夜明けの前に出発しようと考えたからだ。
「つばきちゃん、つばきちゃん起きて。」
「ぅう~ん」
「おはよ。もう出発するわよ?体調はどうかしら?」
「おはよ…うん、大丈夫だよ…」
寝ぼけながら返事をする椿にやれやれといった表情でエマは身支度を整えた。
〔つばき様、おはようございます。体調が優れないと思いますが、早めに出発された方が良いと思います〕
「うん、そうだったね」
ウルが周りを警戒しながら椿の側に寄り添う。ふわふわの毛を撫でながら椿は気を引き締める。
「よし、行こう」
椿は忘れ物がないか部屋を見渡し、確認すると部屋を出る。
うす暗い廊下を歩いていく。手元にあるロウソクの火がゆらゆらと揺れていた。
玄関に着きドアに手をかけると、シュールが包みを持って駆け寄ってきた。
「はぁはぁ、間に合いましたーーあの、お礼といっては大した物では無いんですが…良かったら受け取って下さい。」
そういって、渡された包みを受け取ると温かみが残るパンだった。
硬いパンの食感があるが、優しい気遣いに嬉しくなる。
「ありがとう!短い間でしたが、お世話になりました」
お礼を言う椿にシュールは慌てて、顔を上げる様に話す。
「とんでもない!お礼を言いたいのは私の方です。本当にありがとうございます!」
2人は涙を浮かべながら話をしていた。エマはそんな椿に「そろそろ行かないと」と伝える。
2人が見えなくなるまで、シュールは手を振っていた。
◇
日が昇り出した頃、朝ごはんの準備を始める為食堂に行くといつもと違う事に気付いた。
いつも、食事が出来るまで集まらないのに今朝はすでに何人か集まっていたのだ。
不思議に思い、どうしたのか聞いてみると。
「今日はお祝いなんだよ!」
「そうさ!!嬉しくて嬉しくて、寝ていられないんだ!」
お祝い?何の?
そう疑問に思ったが、すぐに理由が分かった。誰1人、あの薄汚い肌の色では無いのだ。全員完治したから、お祝い。
そう理解するのに時間はかからなかった。
「はっ!?カイさんーーー」
私は慌てた。カイさんがいる部屋まで走る。ノックもせずにドアを勢いよく開けると、キチンと整頓された室内に人の気配は既に無かった。
「嘘、うそよ!私を置いて出て行く訳ないじゃない!どこかに隠れているんでしょ!?私よ!サラよ!!カイさんーー!」
誰もいない部屋で泣き叫ぶ声が響いていた。
サラは、スカートを握り締めながら憎しみに満ちた目で窓の外を睨みつけていた。
「あの女ね、私のカイさんを騙して連れていったのはーー許さない。許さないから・・・ローラ」
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