彩音の不思議なお店屋さん

momo6

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お引っ越しします

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繁華街にあるレストラン。
その厨房でシェフの作る料理をサポートしながら、忙しく動いてる私。
名前は川島 彩音〔かわしま あやね〕年は22歳。

夢は自分のお店を持つ事、母は小さい頃に他界し、父は愛車・自宅を兼ねたトレーラーハウスで全国各地を回ってる。
トレーラーハウスで移動販売したり、飲食関係のイベントに出店しているからしばらく会っていない。


いつもの様に出社した私は、材料の下ごしらえを始めた。
まだ下っ端なので皆んなより早く来て準備するのが日課になっている。
その為、今日も1番乗り。

ヴゥゥーーーー

ズボンに入ってる携帯が鳴って、作業する手を止めた
画面を見ると知らない番号からだ。

市内局番だ、何だろ?
とりあえず出て見る事にした。

「もしもし?川島彩音さんの携帯でしょうか?私、警察の物です。川島たけるさんの事でお聞きしたいのですが、今お電話大丈夫でしょうか?」

たけるとは、父の名前。
嫌な予感が頭をよぎる

「はい、川島たけるは父ですが?何かありましたか?」

「たけるさんとは最後に会ったのはいつですか?連絡を取られたりしましたか?」

「父とは、、2、3年近く会っていませんが、連絡は半年前ぐらいに電話したぐらいですけど。」

「そうですか、・・・昨日、通報がありまして トレーラーハウスの前で人が倒れているのを散歩している方が見つけ、救急車を呼んだんですがすでに息がなく、、川島たけるさんの確認をして頂きたいのでいつ頃、警察署に来られますか?」


「!!!父が、、、死んだ、、んですか?、、今から行きます!」


私はレストランの厨房服を着ていたが、御構い無しにカバンを持ち急いで警察署に向かった。

途中、上司に「すみません!!急用が出来、今日休みます!!!」
私の余りの剣幕に上司は「あぁ、、わかったよ」と許可を頂いた。










*****








想像していたよりも
父の顔は、安らかな顔をしていました。

家族葬を済ませ、母の眠る隣に父の遺骨を並べ
私は暫く放心状態。
一人っ子の私は、友達に慰められ気持ちがだいぶ楽になりました。



父の遺品を整理するのに、警察署からトレーラーハウスを引き取り、アパートの大家さんに事情を説明し、駐車場の端を借りました。
中を掃除していたら状態も良く売り払うのが勿体無いと感じ、住む事に決め
さっそく、アパートの荷物をダン処理し、解約して
食材やら足らないものを買いに行くと、辺りは真っ暗で  時計は夜の11時を指していた。
思いの外、自分の荷物が少ないことが幸いだった。

「はぁー疲れた、、明日からトレーラーハウスの置く場所を探して契約しないと、、、、」

ベットに倒れこみ
ウトウトしていたら、ふと緑の丸いボタンがあるのに気づき、
寝ぼけながらも「異界?、、お父さんったら、、、どんなボタンよ、、」ポチッ
「何も起きない、、まぁいっか~寝よ寝よー・・・・・」


スースースー
小さな寝息を立てながら彩音は深い眠りについていた。



外は彩音の住んでいた所と同じ星空が浮かんでおり、トレーラーハウスの脇には大きな木があった。そこから怪しい影が見つめているとはつゆ知らず
彩音は幸せそうに眠っている。
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