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第3章
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しおりを挟む『アラン、疲れた?何か飲み物を持ってくる?』
「いや・・・このままで大丈夫だ」
『そうだ!疲れた時には甘いお菓子よね!今、持ってくるゎ!』
「大丈夫だよ。ーークックク、そんなに恥ずかしいのかい?」
『ーーうん。少し。でも、アランが休めるなら我慢出来る!』
ガッツポーズをしながら意気込む真奈美にアランは愛しさを感じる。
屋敷に戻った時に、酷く疲れた様子で真奈美が心配し『何か出来る事はない?』と聞く姿にキュンとしながらついお願いしてしまった。
そう、男なら誰でも一度はやりたい“膝枕”!!
まさに今、真奈美に膝枕をしてもらっているのだ!
これぞ男のロマン!
しばらく、真奈美の心地よい感触を堪能しているとお客が来たという。
私は疲れているので(真奈美との時間を邪魔され苛立ちを覚える)断る様に伝えたのだが、そいつはズカズカと部屋へと入ってきたのだ。
こんな失礼な奴は誰だ。と怒りを露わにし扉の方を見ると、私の予想だにしない人が立っていたのだ。
リードリッヒ様だ。
「・・・・リードリッヒ様。これは、失礼しました。何か御用でしょうか?」
姿勢を正し、お辞儀をすると畏まらなくて良いと言われた。
いや、さすがにそれはできないと姿勢は崩さないがーーーん?何か様子がおかしい?なんだ?何を見ているんだ?
部屋へと入ってきたリードリッヒは、目を見開き硬直していた。
不思議に思い、視線の先には真奈美がいた。
「はっ!ダメですよ!!まなみは私の妻ですからね!!」
咄嗟に真奈美の前に立ち、警戒する。
そうだ、まなみを連れ去った本人ではないか!何故、家の者は通したんだ!!ーーーいや、知っている人間が居なかったのか。そうだったな、ケイラはーーー。
アランの取り乱しように、リードリッヒは、ハッとなり敬意をあらわす。
「突然の訪問、許してほしい。どうしても礼が言いたかったんだ。ーーーそれに、まなみ。ここに居たんだね、心配していたんだ。許してほしいとは思わない、だが謝罪させてくれ。すまなかった」
真奈美の姿を一目みて、リードリッヒは自分の愚かさを恥じる。
頭を下げるリードリッヒにアランはギョッとした。
仮にも王族が頭を下げ、謝罪するとは。
ちらっと真奈美を見ると、先程までの笑顔は消え冷酷な表情をしていた。こんな顔は初めて見る。
『顔を上げて下さい。あなたのした事は許せる許せないと、割り切れる事ではありません。誘拐ですよね?私の人生を奪いました。私はあなたを恨みます。』
淡々と話す言葉には、何の感情も感じない。
そんな真奈美の態度にリードリッヒは歯をくいしばる。
自分の行動が招いた事。恨まれて当然だと。
『ーーでも、おかげで離れ離れだった恋人達を引き合わせる事が出来ました。その事はお礼を言います。ありがとうございます。』
「えっ?」
『何でもありません。用がないのなら、失礼します。』
不意にお礼を言われ、戸惑って顔を上げると一瞬緩んだ表情に見惚れてしまう。
だが、笑顔も消え冷酷な言葉を突きつけられ、引き止める事も出来ず 真奈美は部屋から出ていってしまった。
そんな様子を見ていたアランは、リードリッヒを椅子へと促した。
「妻が失礼しました。ーー妻の言ったことは私も同意見です。これからは私がまなみを守りますので」
静かに威圧しながら話すアランにリードリッヒはコクンと頷く。
そして、今日来た目的を話した。
「ーーーそうか、なら納得だ。急に来てすまなかった。」
経緯の説明を受けて、リードリッヒは王宮へと戻っていく。
アランは、ロードが魔人を封印したと話したが、詳しい事は分からないと上手く誤魔化したのだった。
リードリッヒは帰路につきながら、真奈美の事を考えていた。
王宮から消え、探していたが見つかって良かったと。あんなにも幸せそうにしていてーーー
自分が幸せにすると思っていたが、とんだ勘違いだったと2人の様子を見ていれば分かる。
「はぁーー、俺も早く相手を見つけないとなぁーー。」
来なければ真奈美は自分を好きでいてくれている。と夢を見ていられたな、と思うリードリッヒだった。
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