「夢の異世界転生先は、お姫様」と願ったらなぜか傭兵団にいます。

momo6

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「朝から大変だったね。」
ローリーに言われて、夜のうちに作っておけばアイテムボックスが保管してくれるので楽ですねーと話しをした。
時折、キラリと眼光が鋭くなるのは気付かないでおこう。

「あ、そういえば。昨日、おばけさんが出ました。」
「へ?おばけ?」
「はい、指を切ってしまい。そしたら、おばけさんが出て来て、指を治してまた消えてしまいました。」
「怪我したのか?」
「食材に棘があったので、気付かなかったんです。尻尾がゆらゆらしてて、ふふ。不思議なおばけさんでした。」

「尻尾、、、黒い尻尾とか?」
「そうです!ローリーさんも、おばけさんにあった事があるんですか?」
「いや、そうか、」
「?」


ローリーは、考えていたが。ローリーも見たなら昨日見たのは、見間違いじゃなかったと安堵する。
2人でサンドイッチを食べていると、数人が戻ってきた。
「隊長!こちら異常無しです。・・・何を食べているんですか?」
戻ってきた隊員に用意したサンドイッチを手渡す。
「朝ごはんに作ったので、良かったら食べてください。」
ニコリと笑いながら手渡すと頭を撫でられながら「小さいのに偉いな!ありがとう!」とお礼を言われた。

聞いたら朝から食べないで探索は珍しく無いと言う。
ついでに麦茶もコップにそそいで渡す。

「ありがとうな!こんなにおいしいパンは初めてだ。また作って貰いたいぐらいだ。」
絶賛されるのは、素直に嬉しい。
うんうんと頷くローリーはどうかと思うが。

他にも戻ってきた隊員にも手渡すと皆に喜ばれた。
何なら明日も探索だから作って欲しいと言う。
流石にそれは、と断ったが。
何故かローリーが悔しそうに見て来た。

お昼に一度、第一班と合流するので集合場所に到着した。
サンドイッチ効果なのか、歩くスピードを合わせてくれたから、息切れしないで到着できた。疲れたけど。
探索する暇なんてないよね、歩くのに必死だからさ。

第一班は、お昼の用意をしていた。
野営の訓練もあり、簡易的な食事だと言う。

「あの、ローリーさん。」
「ん?どうかしたのか?」
「お昼も一応用意したんですが、皆さんで作るなら必要ないみたいですね。夕飯で食べましょうか。」
「え!?お昼も用意したの?」
「え?あ、はい。役に立てるのは食事くらいかなと思って、ローリーさん?」

ローリーは、こめかみを抑えながら膝崩れていた。
「いや!!そんな事はない!食事がおいしければ、やる気も上がる!食事が美味しい方がいいに決まっている!!」
拳を握りしめながら、熱く語る目にはうっすら悲しさが見える。
うんうんと、第二班の皆さんも頷いていた。
「えっと、そんなに味が酷いんですか?」
「食べたら分かる。」
そんな話をしていると、第一班が作ったスープが出来上がったと声がかかった。
試しにローリーが貰ってきて。
ドキドキしながら味見すると。

ブフーー

すみません。吹き出しました。

「こればっかりは、な?」
「そ、うですね、、何と言ったらいいのか、、」
塩がほんのりで、お肉は干し肉だから硬い。野菜もほぼ、生で硬い。味がない。

これは、ただちょっと茹でたお湯。

「うーん、試しに作り直してもいいですか?」
「「「え!!!」」」

ローリー以外にも第一班の方たちが期待の目で見てきた。
これは、失敗出来ないな、、

「ちょっとうちの班で食事を作ってもいいかい?」
ローリーが第一班のリーダーに声をかけて
、許可が出た。
どうせ変わらないと思ってたんだろう。

「食材は、これだけですか?」
「そうだな~基本、これぐらいしか持ち歩けないからな。」

カゴの中には、ジャガイモやにんじんがあった。
(うーん、テールスープの味がない感じだからインパクトがあった方が食べやすい?生姜焼きの予定だったから、テールスープに味付けするだけにしようかな。)

「よし。」

材料を手に取って、ネギを細長く刻み鍋に追加する。お肉も細かくして追加する。
野菜は取り出してフライパンで炒める。
スープに塩と手持ちの調味料を入れて濃いめに作る。それだけで、このスープは生き返る。

野菜は炒める事で柔らかく甘みが出るから、塩胡椒だけでも美味しいが私はここで旨味の素を入れる。

夜からつけておいたお肉を取り出し、野菜を取ったフライパンで炒める。油はお肉から出るから焦げない様に注意する。

ご飯は、炊飯が大きくないから、1人一個のおにぎりが限界だった。
お皿におにぎりを乗せて優しくほぐしてお肉と野菜を盛り付ける。スープもよそうとローリーが味見役だと言わんばかりに準備していた。

立ちこめる良い匂いに団員達は見入っている。
「はい、お待たせしました。」

出された艶々の食事にローリーは、「では、スープから。」
ゴクリと飲んだ瞬間、顔が緩みまくり、無言でお肉。野菜、ご飯とかきこんでいく。

「ふーー、美味かった。おかわりはあるかい?」
その満足そうな顔に団員達は、早く食べたいとマユにお皿を突き出した。

「あわわ、順番にお願いしますー」
出されたお皿に盛り付けると、いつの間にかローリーがスープを配っていた。

「この配分だとおかわりは難しいから減らすか。」
真剣に自分がおかわり出来るように配分していた。


最後にマユの分を取り分けて、余ったお肉と野菜、スープはご自分でと伝えたら争奪戦が始まった。
そんなに、食事が美味しく無かったのかな?
「ご馳走様でした、後片付けは、あれ?ローリーさん?」
食べ終わったはずのローリーが味わいながらまだ食べていた。

「ローリーさんがおかわりを総なめしたっすね~自分もたべたかったら悔しいっス」
隣に座りながら愚痴を言うのは、確か同じ班の人だ。
「えっとー。同じ班でしたよね?」
「自分っスか?ガイです。」
「マユです。宜しくお願いします。」
「マユ?不思議な名前っスね。まぁ、自分は、おかわりも食べれない下の下っスから気にしないでください。」
よほど食べたかったのか、ぐちぐちとローリーを羨ましそうに見ていた。

「あ、良かったらこれ。食べます?おやつにしようと思って。」
鞄から小袋に入れたクッキーを渡す。プレーン味でサクサクと甘さ控えめにしてみた。

「うわ!何すか?え!!うま!あまいっす!!」
「喜んで貰えて良かった。」
「マジで何でも作れるんスね!朝食べたパンも美味かったっス!また食べたいぐらいっすよ。」

「1つ余ったら。パンも食べる?団長さんに渡そうと朝、忘れてしまったんだけど。」
「え!!良いんすか!?いただきまー」

「ちょっとまて。」

ドスが聞いた声に空気が凍りつく。
ガイがギギギと後ろを振り返ると、何故か団長がいた。
「あれ?団長さん!来たんですね!」
「美味しい匂いがしたからすっとんできたよ。」
「そうでしたか、でも皆さんで召し上がったので残っているか、、、」
「ローリーがおかわりをしたそうだな。それを貰うとして。」
ギロリとガイの手にあるサンドイッチを奪う様に取り上げると、ガイは硬直してしまった。
「あ!サンドイッチ、朝うっかり忘れてしまってすみません。ガイさんにあげると言ってしまったので、団長さんにはまた作りますね!」
「いやいや、ここに。ほれ!あるから大丈夫だぞ。でもまた作ってくれるなら嬉しいな。それに、何やら甘いのも作ったのかな?」
「はい!クッキーと言います。団長さんには帰ってから渡そうと、、はい!たっぷり入ってるので、ゆっくり食べてくださいね!」
「おぉ、どれどれ~く~これも美味いな。ありがとう。」

ニコニコしながら団長とマユが話しているが、団長から滲み出る料理への嫉妬心が団員を凍り付かせていた。
(おいおい、坊主はなんで平気なんだ?)
(知らねーよ。怖すぎだぜ)
団員達の気持ちとは、裏腹に団長がローリーに話しかける。

「ローリー、新しい料理の時は俺もって話したよな?」
「もちろんであります。」
「これはなんだ?忘れたのか?」
ギロっと怒りを露わにする団長にローリーは、自分の分とは別のをアイテムボックスから取り出し、団長に差し出した。

「私が約束を忘れるわけないじゃないですか。ちゃんとありますよ。帰ったら渡そうと思っていたんです。」

その言葉を聞くと般若の若く怒っていた顔は仏の顔になり、ニコニコしながらマユの隣で食事を始めた。

団員達は、固く誓った。
坊ちゃんの料理は、団長の分を必ず用意する。と。


(あっぶねー、忘れてた!夜食用に取っておいて良かった、、きをつけなくては)
内心、冷や冷やしていたローリーだった。
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