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勇者を目指せ!?
第29話
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「順調すぎるな」
両腕の自由を美少女二人に奪われつつも歩を進める中で、ゼノスは唐突にぽつりと呟いた。
魔力探知は使用したままだが何の反応もなく、レティシアが倒したインプ以降は魔族に遭遇していない。
「そうですか? 私としてはずっと腕を組めるので嬉しいですけど」
レティシアは上目遣いで悪戯っぽく微笑む。
その可憐な相貌は、彼女の愛らしさを更に際立たせている。
ゼノス以外の男子生徒であれば、瞬く間に虜になっていただろう。
お前、俺の実力を見極めるとか言ってなかったっけ、と思いつつ、ゼノスは呆れたように小さくため息を吐きながらも、相槌を打つ。
と、左腕に重さを感じた。
視線を向けると、イリスが同じように上目遣いでこちらを見ていた。
笑顔ではなく、若干涙目でだが。
「わ、私だって……嬉……しい……んだから」
イリスの指に力が入り、袖の皺が深くなる。
レティシアが近くにいるためだろう、ほとんど聞き取ることができないほどに小さな声での主張。
そんなことをしなくてもゼノスの心にはイリス以外に入る隙間などないのだが、目の前に明確な意思表示をしてくるライバルがいるのだ。
第一王女としての立場よりも、好きな人を奪われたくないという気持ちが前に出ても不思議ではない。
勇気を出した彼女の言葉は、隣にいるゼノスにちゃんと届いていた。
――は、反則だろ!
目を潤ませたイリスの台詞に、思わず俺だって同じ気持ちだと答えたい衝動に駆られる。
行動でイリスの気持ちに応えたい。
だが、隣にレティシアがいるのでそれは出来ない。
ゼノスは気持ちを落ち着かせるため、頷いてさりげなく顔を正面に戻す。
そんな時だった。
「――なに!?」
ダンジョンに中にいたはずだった。
しかし、いつの間にか、深い森の中にいた。
「どうなってんだ……」
周囲に意識を向け、耳を澄ます。
聞こえてくるのは、風が草木を揺らす音と鳥のさえずりのみ。
魔力探知を使うが、近くに魔族の気配はない。
「ダンジョンにいたはず、ですよね?」
レティシアが困惑したように呟く。
確かにダンジョンの中を歩いていたはずだ。
にもかかわらず、瞬きほどの間に違う場所へ移動していた。
足下を見ると、黒くひび割れた魔法石が見える。
「転移か……てことは」
同じものがダンジョンに仕掛けられていたと考えるべきだ。
魔力探知は人間や魔族といった生命には反応するが、魔法石などの道具には反応しない。
突然の出来事に、イリスとレティシアはまだ頭の整理ができていないようだ。
「二人とも武器を構えろ。俺の予想通りなら、これは罠だ」
ゼノスの言葉を聞いたイリスとレティシアが、はっと体を強張らせる。
ゼノスの腕から手を離すと剣の柄に魔力を込め、意識を研ぎ澄ませた。
次の瞬間。
それはごく自然に、ゼノスたちの前に突然現れた。
「「ッ――!?」」
巨大な胴体から生えている九つの頭は蛇を思わせた。
前足と後ろ足の太さは、人間の胴周りは楽にあるだろう。
全高は五メートル以上。体長は尻尾を含めれば十メートルをゆうに超える。
口から鋭い牙を数十本以上覗かせている。
全身は硬い鱗に覆われ、その一枚一枚が魔力を帯びていた。
ヒュドラ――レベル15の魔族だ。
これほど巨大で危険な魔族がゼノスの魔力探知で感知されることなく、ほんの三十メートル先に現れることなど、転移以外に考えられない。
見上げるほど大きなヒュドラの巨体に、イリスもレティシアも一瞬、まるで気を抜かれたように呆然と立ち尽くす。
そんな中、ただ一人ゼノスだけは地を蹴り、疾駆していた。
一瞬でヒュドラとの距離を詰める。
右手にはいつの間にか魔力を帯びた剣が握られていた。
「――ふッッ!!」
ゼノスが剣を振りぬく。
瞬く間に六つの頭が宙に飛散する。
「す、凄い!」
レティシアは激しく戦慄した。
実物を見たのはもちろん初めてだが、ヒュドラがどんな魔族かは知っている。
鱗は非常に硬く、魔法耐性も備わっているため、通常の武器や魔法ではダメージを与えることができない。
それをたった一刀で頭の半分以上を斬り裂いたのだ。
初動の動きも尋常ではない速さだった。
いまだかつて目にしたことのない次元の動きに、全身がぞくぞくと震えた。
――ちっ、狙いが甘かったな。
驚くレティシアとは反対に、ゼノスはあくまで落ち着きを払っている。
ヒュドラの性質を知っているからだ。
一撃で九つの頭全てを斬ってしまいたかったのだが、叶わなかった。
果たして、切断された首の部分からメキメキ、という音とともに新たな頭が生える。
ヒュドラは一度に全ての頭を斬らない限り、何度でも再生するのだ。
ぎょろり、とヒュドラの目が一斉にゼノスに向けられる。
「イリス! レティシア! もう少し下がれっ」
「私も戦います」
「わ、私もっ」
二人が剣を構えようとするが、ゼノスは左右に首を振った。
「ダメだ。コイツはさっきまでの魔族とは段違いの強さだ。二人の魔力レベルじゃ、ダメージを与えることもできねえ」
ヒュドラにダメージを与えるには、魔力レベルが少なくとも40は必要だ。
一応レティシアは条件を満たしているが、ゼノスの攻撃に比べれば微々たるダメージしか与えることはできない。
それにヒュドラの攻撃を受ければ、今の二人では一撃で相当のダメージを負ってしまう。
ゼノスにはそれが耐えられない。
「頼むから後ろに下がってくれ。近くにいて怪我でもされたら、俺が集中できねえからな。その代わり約束する、お前らには傷一つ付けさせねえって」
「「……」」
ゼノスの言葉に二人は沈黙する。
――もうっ、こんな時に言われたら頷くしかないじゃないっ!
概ね二人は同じことを考えていた。
ただし「お前ら」ではなく、自分の名前に脳内変換していたが。
二人はほぼ同時に頷くと、火照る頬を両手で押さえながらヒュドラから距離を取った。
「よし」
ゼノスはヒュドラと対峙する。
ヒュドラが巨体を踏み鳴らしながら向かってくる。
足音は地震のように大地を揺らす。
ゼノスとの距離がみるみる近づき――。
ヒュドラは牙の覗く口を開けた。
――この位置だと避けるのはマズい、か。
なら!
ヒュドラの口から放たれた九つの火球がゼノスに迫る。
一つ一つが中級火属性魔法に匹敵する。
だが、ゼノスはその場を動くことなく、剣を構える。
続いて横薙ぎの一閃。
ただそれだけで、火球は全て霧散した。
避けずに迎撃したのは、後ろにいるイリスとレティシアの身を案じたからに他ならない。
ヒュドラはゼノスを威嚇するように咆哮を上げた。
ゼノスはヒュドラが通り過ぎた場所を見る。
木々はなぎ倒され、地面は踏み固められて窪み、ヒュドラの足跡がはっきり残っていた。
さっさと、倒してしまわないと地形が変わってしまいかねない。
――本気を出さずに手っ取り早く片付けるとなると、アレだな。
二人がいる前で本気を出すわけにはいかない。
本気を出せば、確実に人間ではないことがバレてしまうからだ。
いずれはイリスに伝えなくてはいけないと思っている。
ただ、今はまだその時ではない。
ゼノスは剣の柄をしまい、右手に意識を集中させた。
――薄く、薄く、どんなものだろうと貫けるほど鋭利に……。
一瞬にして、右手を魔力が覆う。
凄まじい魔力が込められている。
ヒュドラは凍り付いたように動きを止めていた。
ゼノスと視線が合う。
生物としての本能だろうか、数歩後退した。
その瞬間、恐ろしいスピードでゼノスは動いた。
右手を無造作に突きこみ、その指先がヒュドラの胴体に突き刺さる。
「『イグニス』」
右手を通じて直接体内に送り込まれた火炎は、ヒュドラを直に焼き焦がす。
行き場を失った炎は出口を求めて、九つの頭を目掛けて一気に駆け上がり――爆散した。
両腕の自由を美少女二人に奪われつつも歩を進める中で、ゼノスは唐突にぽつりと呟いた。
魔力探知は使用したままだが何の反応もなく、レティシアが倒したインプ以降は魔族に遭遇していない。
「そうですか? 私としてはずっと腕を組めるので嬉しいですけど」
レティシアは上目遣いで悪戯っぽく微笑む。
その可憐な相貌は、彼女の愛らしさを更に際立たせている。
ゼノス以外の男子生徒であれば、瞬く間に虜になっていただろう。
お前、俺の実力を見極めるとか言ってなかったっけ、と思いつつ、ゼノスは呆れたように小さくため息を吐きながらも、相槌を打つ。
と、左腕に重さを感じた。
視線を向けると、イリスが同じように上目遣いでこちらを見ていた。
笑顔ではなく、若干涙目でだが。
「わ、私だって……嬉……しい……んだから」
イリスの指に力が入り、袖の皺が深くなる。
レティシアが近くにいるためだろう、ほとんど聞き取ることができないほどに小さな声での主張。
そんなことをしなくてもゼノスの心にはイリス以外に入る隙間などないのだが、目の前に明確な意思表示をしてくるライバルがいるのだ。
第一王女としての立場よりも、好きな人を奪われたくないという気持ちが前に出ても不思議ではない。
勇気を出した彼女の言葉は、隣にいるゼノスにちゃんと届いていた。
――は、反則だろ!
目を潤ませたイリスの台詞に、思わず俺だって同じ気持ちだと答えたい衝動に駆られる。
行動でイリスの気持ちに応えたい。
だが、隣にレティシアがいるのでそれは出来ない。
ゼノスは気持ちを落ち着かせるため、頷いてさりげなく顔を正面に戻す。
そんな時だった。
「――なに!?」
ダンジョンに中にいたはずだった。
しかし、いつの間にか、深い森の中にいた。
「どうなってんだ……」
周囲に意識を向け、耳を澄ます。
聞こえてくるのは、風が草木を揺らす音と鳥のさえずりのみ。
魔力探知を使うが、近くに魔族の気配はない。
「ダンジョンにいたはず、ですよね?」
レティシアが困惑したように呟く。
確かにダンジョンの中を歩いていたはずだ。
にもかかわらず、瞬きほどの間に違う場所へ移動していた。
足下を見ると、黒くひび割れた魔法石が見える。
「転移か……てことは」
同じものがダンジョンに仕掛けられていたと考えるべきだ。
魔力探知は人間や魔族といった生命には反応するが、魔法石などの道具には反応しない。
突然の出来事に、イリスとレティシアはまだ頭の整理ができていないようだ。
「二人とも武器を構えろ。俺の予想通りなら、これは罠だ」
ゼノスの言葉を聞いたイリスとレティシアが、はっと体を強張らせる。
ゼノスの腕から手を離すと剣の柄に魔力を込め、意識を研ぎ澄ませた。
次の瞬間。
それはごく自然に、ゼノスたちの前に突然現れた。
「「ッ――!?」」
巨大な胴体から生えている九つの頭は蛇を思わせた。
前足と後ろ足の太さは、人間の胴周りは楽にあるだろう。
全高は五メートル以上。体長は尻尾を含めれば十メートルをゆうに超える。
口から鋭い牙を数十本以上覗かせている。
全身は硬い鱗に覆われ、その一枚一枚が魔力を帯びていた。
ヒュドラ――レベル15の魔族だ。
これほど巨大で危険な魔族がゼノスの魔力探知で感知されることなく、ほんの三十メートル先に現れることなど、転移以外に考えられない。
見上げるほど大きなヒュドラの巨体に、イリスもレティシアも一瞬、まるで気を抜かれたように呆然と立ち尽くす。
そんな中、ただ一人ゼノスだけは地を蹴り、疾駆していた。
一瞬でヒュドラとの距離を詰める。
右手にはいつの間にか魔力を帯びた剣が握られていた。
「――ふッッ!!」
ゼノスが剣を振りぬく。
瞬く間に六つの頭が宙に飛散する。
「す、凄い!」
レティシアは激しく戦慄した。
実物を見たのはもちろん初めてだが、ヒュドラがどんな魔族かは知っている。
鱗は非常に硬く、魔法耐性も備わっているため、通常の武器や魔法ではダメージを与えることができない。
それをたった一刀で頭の半分以上を斬り裂いたのだ。
初動の動きも尋常ではない速さだった。
いまだかつて目にしたことのない次元の動きに、全身がぞくぞくと震えた。
――ちっ、狙いが甘かったな。
驚くレティシアとは反対に、ゼノスはあくまで落ち着きを払っている。
ヒュドラの性質を知っているからだ。
一撃で九つの頭全てを斬ってしまいたかったのだが、叶わなかった。
果たして、切断された首の部分からメキメキ、という音とともに新たな頭が生える。
ヒュドラは一度に全ての頭を斬らない限り、何度でも再生するのだ。
ぎょろり、とヒュドラの目が一斉にゼノスに向けられる。
「イリス! レティシア! もう少し下がれっ」
「私も戦います」
「わ、私もっ」
二人が剣を構えようとするが、ゼノスは左右に首を振った。
「ダメだ。コイツはさっきまでの魔族とは段違いの強さだ。二人の魔力レベルじゃ、ダメージを与えることもできねえ」
ヒュドラにダメージを与えるには、魔力レベルが少なくとも40は必要だ。
一応レティシアは条件を満たしているが、ゼノスの攻撃に比べれば微々たるダメージしか与えることはできない。
それにヒュドラの攻撃を受ければ、今の二人では一撃で相当のダメージを負ってしまう。
ゼノスにはそれが耐えられない。
「頼むから後ろに下がってくれ。近くにいて怪我でもされたら、俺が集中できねえからな。その代わり約束する、お前らには傷一つ付けさせねえって」
「「……」」
ゼノスの言葉に二人は沈黙する。
――もうっ、こんな時に言われたら頷くしかないじゃないっ!
概ね二人は同じことを考えていた。
ただし「お前ら」ではなく、自分の名前に脳内変換していたが。
二人はほぼ同時に頷くと、火照る頬を両手で押さえながらヒュドラから距離を取った。
「よし」
ゼノスはヒュドラと対峙する。
ヒュドラが巨体を踏み鳴らしながら向かってくる。
足音は地震のように大地を揺らす。
ゼノスとの距離がみるみる近づき――。
ヒュドラは牙の覗く口を開けた。
――この位置だと避けるのはマズい、か。
なら!
ヒュドラの口から放たれた九つの火球がゼノスに迫る。
一つ一つが中級火属性魔法に匹敵する。
だが、ゼノスはその場を動くことなく、剣を構える。
続いて横薙ぎの一閃。
ただそれだけで、火球は全て霧散した。
避けずに迎撃したのは、後ろにいるイリスとレティシアの身を案じたからに他ならない。
ヒュドラはゼノスを威嚇するように咆哮を上げた。
ゼノスはヒュドラが通り過ぎた場所を見る。
木々はなぎ倒され、地面は踏み固められて窪み、ヒュドラの足跡がはっきり残っていた。
さっさと、倒してしまわないと地形が変わってしまいかねない。
――本気を出さずに手っ取り早く片付けるとなると、アレだな。
二人がいる前で本気を出すわけにはいかない。
本気を出せば、確実に人間ではないことがバレてしまうからだ。
いずれはイリスに伝えなくてはいけないと思っている。
ただ、今はまだその時ではない。
ゼノスは剣の柄をしまい、右手に意識を集中させた。
――薄く、薄く、どんなものだろうと貫けるほど鋭利に……。
一瞬にして、右手を魔力が覆う。
凄まじい魔力が込められている。
ヒュドラは凍り付いたように動きを止めていた。
ゼノスと視線が合う。
生物としての本能だろうか、数歩後退した。
その瞬間、恐ろしいスピードでゼノスは動いた。
右手を無造作に突きこみ、その指先がヒュドラの胴体に突き刺さる。
「『イグニス』」
右手を通じて直接体内に送り込まれた火炎は、ヒュドラを直に焼き焦がす。
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