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勇者を目指せ!?
第39話
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その日の夜。
イリスは王国寮のソファに一人腰かけてくつろいでいた。
頭に浮かぶのは昼間の出来事だ。
思い出しては「うふふ」と笑みを浮かべる。
イリスの表情は恋する乙女そのものだ。
イリスは魔術学院に入学して以来、いや、生まれてから一番といってよいほど上機嫌になっていた。
ゼノスとの関係をまた一歩進めることができたのだ。
兄であるオーヴェルと侍従であるロゼッタの協力を得られたのは非常に心強い。
特にロゼッタは常に傍にいるので、二人の関係がバレないか内心気が気ではなかった。
実際にはバレていたし、オーヴェルに告げられていたのだが、今となってはどうでもいいことだ。
そのおかげで、ゼノスとイチャイチャするための最大の障害であったロゼッタが協力してくれるのだから。
――ふふ、これでもっとゼノスとお話しできるわね。
それにもっと触れ合うことも……。
あまり度が過ぎるとロゼッタが暴走してしまうかもしれないので注意は必要だ。
王女として厳格に育てられてきたし節度はわきまえているつもりだが、ゼノスは初めてできた大切な彼氏だ。
ゼノスとイチャイチャできる時間はイリスにとって至福といえるだろう。
想像するだけで自然と頬が緩んでしまうのは仕方のないことだった。
「……ねえねえ、イリス様、どうしたんだと思う?」
「オーヴェル様が帰られてから……よね。とても幸せな顔をされていらっしゃるけど」
王国の女子生徒たちは、少し離れた場所でひそひそと耳打ちを交わしていた。
視線の先にはソファでくつろぐイリスの姿。
美少女ということでただでさえ絵になるのに、時折ほんのりと頬を赤らめ、とろりと湿った瞳でぼうっと天井を見上げるのだ。
年頃の男子にはクるものがあるのだろう。
男子生徒たちは居心地が悪そうにそわそわとした様子で、頬を赤くしている。
男女関係なく、室内の視線は全てイリスに注がれていた。
「何かあったのは間違いないよね……ねえ、ロゼッタは知ってる?」
「いえ……」
ロゼッタはそう答えるしかなかった。
――お手伝いをすると言ってしまいましたが……早まったかもしれません。
ロゼッタは内心ため息を吐く。
今のイリスの姿は非常に危ういものだ。
王女として培ってきた素養があるからこそまだ気品を感じさせているものの、色気も溢れ出ている。
イリスとゼノスは婚約したわけではない。
国王が許可しない限り、本当の意味で結ばれることはないのだ。
にもかかわらず、オーヴェルとロゼッタが応援するといっただけでこれだけ喜ぶということは――。
ゼノスが戦っている姿は何度か見ている。
この魔術学院の生徒の中でも、抜きんでた実力を持っているのは疑いようがない。
今すぐということはないだろうが、いずれ勇者に選ばれるだろう、とロゼッタは思っている。
優秀な人材は国の宝だ。
勇者に選ばれれば、国王も二人の仲を認めるだろう。
そこでロゼッタは考える。
誰からも祝福される状況――枷が外れたイリスがどんな行動をとるのか、と。
二人の触れ合い方は、今でさえ付き合っていると思われても仕方がない距離感なのだ。
ということは、まず間違いなくもっと酷くなるのは目に見えている。
ロゼッタは頭を振り、イリスに視線を向ける。
実に幸せそうな笑顔だ。
――姫様が幸せであれば、それが一番。
ロゼッタにとって大事なことはイリスの笑顔だ。
それがロゼッタの喜びでもある。
昼間に聞いたゼノスの言葉からは偽りを感じなかった。
彼ならイリスの笑顔を守ってくれるだろう。
ただし、ゼノスが勇者に選ばれるまでは節度ある行動をすべきだ。
ならば、侍従である私が心を鬼にして二人を監視――もとい、支えよう。
ロゼッタは人知れず誓うのだった。
「姫様、妄想に耽っているところ申し訳ございません。そろそろお時間です」
「……はっ!! あ、あれ? ロゼッタ……?」
「はい、ロゼッタでございます」
イリスの目の前にはロゼッタがいた。
周りを見渡すと、他の生徒たちは自室に戻っているようだ。
時計の針は消灯の時間を示そうとしていた。
そこでようやくロゼッタの「お時間です」の意味に気づく。
「そうか、今日は私が見回りをするんだったわね」
イリスはソファから立ち上がると、軽く背伸びをした。
「教えてくれてありがとう。貴女は自分の部屋に戻ってちょうだい」
「ご一緒しなくてもよろしいのですか?」
「見回りは一人でって決まっているでしょ」
「それはそうですが……」
廊下の所々に明かりが設置されているとはいえ、昼間の明るさに比べればやはり心もとない。
それにイリスは王国の姫君だ。
魔術学院の中だといっても不安は残る。
ロゼッタの表情は渋いものになっていた。
「心配してくれるのは嬉しいけど大丈夫よ。ただの見回りなんだから」
イリスはそう言って、ロゼッタに部屋へ戻るように促す。
ロゼッタは渋々頷きながらも「何かあれば大声で助けを呼んでください」と言い、その場を後にした。
――本当に心配性なんだから。
ロゼッタの気持ちは嬉しいが、学院内を軽く見回るだけなのだ。
何も危ないことなどない。
「さて、行きましょうか」
イリスは部屋を出た。
夜空を見上げれば大きな月が輝いていた。
ぼんやりした明かりを頼りに、廊下を歩く。
消灯時間を過ぎているということもあり、辺りは静まり返っていた。
見回りといっても学院内をぐるっと確認して回るだけだ。
軽く見るだけならそこまで時間はかからない。
カツ、カツ、とイリスの足音だけが響く。
教室の扉を開けて中を確認するが、もちろん誰もいない。
「ここも異常なし、と。次は――あら?」
教室から廊下に出たところでイリスは立ち止まり、窓を見た。
動く人影を視界に捉えたからだ。
生徒であればウィリアム先生に連絡する必要がある。
だが、人影の正体は生徒ではなかった。
――ウィリアム先生……?
こんな時間にウィリアム先生がいること、それ自体は別に不思議なことではない。
なぜなら、ウィリアム先生とオルフェウス学院長もこの魔術学院で寝泊まりをしている。
イリスが気になったのは、ウィリアム先生が人目を気にしながら歩いているということだ。
彼は生徒ではないし、門限や消灯時間も関係ない。
だが、魔術学院の外へ出ていくウィリアム先生の姿が何故か気になったイリスは、いけないと思いつつ彼の後を追いかけてしまった。
――ここは……教会、よね? なんでこんなところに?
イリスは首を傾げる。
ウィリアム先生は大きな教会の中に入っていった。
彼が敬虔な信徒なんて聞いたことがない。
いや、もしかしたら誰にも話していないだけなのかもしれないが。
仮にそうだとしても、真っ暗な教会に一人で入るというのは違和感がある。
だからだろう。
イリスは教会の中に入るようなことはせず、入り口の扉に耳を当て、意識を集中させる。
微かだが声が聞き取れた。
ただし、声は一人だけではない。
一人はウィリアム先生の声で間違いない。
もう一人は初めて聞く声だ。
そのことがイリスの警戒心を引き上げる。
『……ダインは失敗したか』
『はい』
『ヒュドラを与えたというのに……使えん奴だ』
『全くです』
イリスは「ええっ!?」、と仰天の声を上げるのを必死で耐えた。
もちろん、ダインとヒュドラという言葉に驚いたということもある。
これまでの魔族の件について、イリスはゼノスから話を聞いていた。
実行者はダインだが、彼が何者かに唆されていたということも。
恐らく教会の中にいる人物こそ、ダインを唆した者に違いない。
問題なのはウィリアム先生が中にいて、話をしているということだ。
――ダインだけじゃなく、ウィリアム先生も協力していた?
でも、ゼノスはそんなこと一言も言っていなかったけど……。
『所詮は駒の一つに過ぎんしな。……それよりも、だ』
『どうかなさいましたか?』
『いや、なに。よくやった、と貴様を褒めねばならんなと思ってな』
『私を褒める?』
『そうだ。我の望みがようやく叶うのだ』
バンッ、と勢いよく教会の扉が開かれる。
扉に耳を当てていたイリスはバランスを崩し、地面に膝をつく。
「歓迎しよう、イリス・レーベンハイト」
顔の上半分を仮面で隠した男の口が、歪んだ弧を描いた。
イリスは王国寮のソファに一人腰かけてくつろいでいた。
頭に浮かぶのは昼間の出来事だ。
思い出しては「うふふ」と笑みを浮かべる。
イリスの表情は恋する乙女そのものだ。
イリスは魔術学院に入学して以来、いや、生まれてから一番といってよいほど上機嫌になっていた。
ゼノスとの関係をまた一歩進めることができたのだ。
兄であるオーヴェルと侍従であるロゼッタの協力を得られたのは非常に心強い。
特にロゼッタは常に傍にいるので、二人の関係がバレないか内心気が気ではなかった。
実際にはバレていたし、オーヴェルに告げられていたのだが、今となってはどうでもいいことだ。
そのおかげで、ゼノスとイチャイチャするための最大の障害であったロゼッタが協力してくれるのだから。
――ふふ、これでもっとゼノスとお話しできるわね。
それにもっと触れ合うことも……。
あまり度が過ぎるとロゼッタが暴走してしまうかもしれないので注意は必要だ。
王女として厳格に育てられてきたし節度はわきまえているつもりだが、ゼノスは初めてできた大切な彼氏だ。
ゼノスとイチャイチャできる時間はイリスにとって至福といえるだろう。
想像するだけで自然と頬が緩んでしまうのは仕方のないことだった。
「……ねえねえ、イリス様、どうしたんだと思う?」
「オーヴェル様が帰られてから……よね。とても幸せな顔をされていらっしゃるけど」
王国の女子生徒たちは、少し離れた場所でひそひそと耳打ちを交わしていた。
視線の先にはソファでくつろぐイリスの姿。
美少女ということでただでさえ絵になるのに、時折ほんのりと頬を赤らめ、とろりと湿った瞳でぼうっと天井を見上げるのだ。
年頃の男子にはクるものがあるのだろう。
男子生徒たちは居心地が悪そうにそわそわとした様子で、頬を赤くしている。
男女関係なく、室内の視線は全てイリスに注がれていた。
「何かあったのは間違いないよね……ねえ、ロゼッタは知ってる?」
「いえ……」
ロゼッタはそう答えるしかなかった。
――お手伝いをすると言ってしまいましたが……早まったかもしれません。
ロゼッタは内心ため息を吐く。
今のイリスの姿は非常に危ういものだ。
王女として培ってきた素養があるからこそまだ気品を感じさせているものの、色気も溢れ出ている。
イリスとゼノスは婚約したわけではない。
国王が許可しない限り、本当の意味で結ばれることはないのだ。
にもかかわらず、オーヴェルとロゼッタが応援するといっただけでこれだけ喜ぶということは――。
ゼノスが戦っている姿は何度か見ている。
この魔術学院の生徒の中でも、抜きんでた実力を持っているのは疑いようがない。
今すぐということはないだろうが、いずれ勇者に選ばれるだろう、とロゼッタは思っている。
優秀な人材は国の宝だ。
勇者に選ばれれば、国王も二人の仲を認めるだろう。
そこでロゼッタは考える。
誰からも祝福される状況――枷が外れたイリスがどんな行動をとるのか、と。
二人の触れ合い方は、今でさえ付き合っていると思われても仕方がない距離感なのだ。
ということは、まず間違いなくもっと酷くなるのは目に見えている。
ロゼッタは頭を振り、イリスに視線を向ける。
実に幸せそうな笑顔だ。
――姫様が幸せであれば、それが一番。
ロゼッタにとって大事なことはイリスの笑顔だ。
それがロゼッタの喜びでもある。
昼間に聞いたゼノスの言葉からは偽りを感じなかった。
彼ならイリスの笑顔を守ってくれるだろう。
ただし、ゼノスが勇者に選ばれるまでは節度ある行動をすべきだ。
ならば、侍従である私が心を鬼にして二人を監視――もとい、支えよう。
ロゼッタは人知れず誓うのだった。
「姫様、妄想に耽っているところ申し訳ございません。そろそろお時間です」
「……はっ!! あ、あれ? ロゼッタ……?」
「はい、ロゼッタでございます」
イリスの目の前にはロゼッタがいた。
周りを見渡すと、他の生徒たちは自室に戻っているようだ。
時計の針は消灯の時間を示そうとしていた。
そこでようやくロゼッタの「お時間です」の意味に気づく。
「そうか、今日は私が見回りをするんだったわね」
イリスはソファから立ち上がると、軽く背伸びをした。
「教えてくれてありがとう。貴女は自分の部屋に戻ってちょうだい」
「ご一緒しなくてもよろしいのですか?」
「見回りは一人でって決まっているでしょ」
「それはそうですが……」
廊下の所々に明かりが設置されているとはいえ、昼間の明るさに比べればやはり心もとない。
それにイリスは王国の姫君だ。
魔術学院の中だといっても不安は残る。
ロゼッタの表情は渋いものになっていた。
「心配してくれるのは嬉しいけど大丈夫よ。ただの見回りなんだから」
イリスはそう言って、ロゼッタに部屋へ戻るように促す。
ロゼッタは渋々頷きながらも「何かあれば大声で助けを呼んでください」と言い、その場を後にした。
――本当に心配性なんだから。
ロゼッタの気持ちは嬉しいが、学院内を軽く見回るだけなのだ。
何も危ないことなどない。
「さて、行きましょうか」
イリスは部屋を出た。
夜空を見上げれば大きな月が輝いていた。
ぼんやりした明かりを頼りに、廊下を歩く。
消灯時間を過ぎているということもあり、辺りは静まり返っていた。
見回りといっても学院内をぐるっと確認して回るだけだ。
軽く見るだけならそこまで時間はかからない。
カツ、カツ、とイリスの足音だけが響く。
教室の扉を開けて中を確認するが、もちろん誰もいない。
「ここも異常なし、と。次は――あら?」
教室から廊下に出たところでイリスは立ち止まり、窓を見た。
動く人影を視界に捉えたからだ。
生徒であればウィリアム先生に連絡する必要がある。
だが、人影の正体は生徒ではなかった。
――ウィリアム先生……?
こんな時間にウィリアム先生がいること、それ自体は別に不思議なことではない。
なぜなら、ウィリアム先生とオルフェウス学院長もこの魔術学院で寝泊まりをしている。
イリスが気になったのは、ウィリアム先生が人目を気にしながら歩いているということだ。
彼は生徒ではないし、門限や消灯時間も関係ない。
だが、魔術学院の外へ出ていくウィリアム先生の姿が何故か気になったイリスは、いけないと思いつつ彼の後を追いかけてしまった。
――ここは……教会、よね? なんでこんなところに?
イリスは首を傾げる。
ウィリアム先生は大きな教会の中に入っていった。
彼が敬虔な信徒なんて聞いたことがない。
いや、もしかしたら誰にも話していないだけなのかもしれないが。
仮にそうだとしても、真っ暗な教会に一人で入るというのは違和感がある。
だからだろう。
イリスは教会の中に入るようなことはせず、入り口の扉に耳を当て、意識を集中させる。
微かだが声が聞き取れた。
ただし、声は一人だけではない。
一人はウィリアム先生の声で間違いない。
もう一人は初めて聞く声だ。
そのことがイリスの警戒心を引き上げる。
『……ダインは失敗したか』
『はい』
『ヒュドラを与えたというのに……使えん奴だ』
『全くです』
イリスは「ええっ!?」、と仰天の声を上げるのを必死で耐えた。
もちろん、ダインとヒュドラという言葉に驚いたということもある。
これまでの魔族の件について、イリスはゼノスから話を聞いていた。
実行者はダインだが、彼が何者かに唆されていたということも。
恐らく教会の中にいる人物こそ、ダインを唆した者に違いない。
問題なのはウィリアム先生が中にいて、話をしているということだ。
――ダインだけじゃなく、ウィリアム先生も協力していた?
でも、ゼノスはそんなこと一言も言っていなかったけど……。
『所詮は駒の一つに過ぎんしな。……それよりも、だ』
『どうかなさいましたか?』
『いや、なに。よくやった、と貴様を褒めねばならんなと思ってな』
『私を褒める?』
『そうだ。我の望みがようやく叶うのだ』
バンッ、と勢いよく教会の扉が開かれる。
扉に耳を当てていたイリスはバランスを崩し、地面に膝をつく。
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