君の隣

麻美

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もうどれだけたっただろう。
朝あの報道を見て外はもう日が陰っている。もう涙も枯れてしまうくらい、声が枯れるくらい泣いた。

他の誰かの物になってしまうなんて…

誰と付き合っても結婚していない限りはもしかするとわずかだと思うが可能性はあるのかもしれない…浅ましくもそう思っていたのに。

もうすぐ俺の大好きな誰よりも大切な初恋の人が幸せそうに会見をするのだろう。

「藤。会見始まるよ」

聞きたくない。見たくない…それなのに母が俺を呼ぶ。

「ふーくん。」

卯月の母の声がした。灯さんは良く家にも来ていた。今日は久しぶりに訪れていた。

すごい顔をした俺を見た二人は息を飲む

でも何も聞いてこなかった。

「間も無く会見が始まります。お相手は発表されていませんが昨日報道されたお相手だと思われます」

そんなのわかってるよ。わざわざ言わないで…

「会見場に海外で活躍するトップモデルの月さんが入られました」

数々の女性と浮き名を流してきた月さんから選ばれた女性はどんな方なのでしょう

わざとらしい言い方…。わかってる癖に…

毎日のようにテレビを通して見ていた卯月。
いつもよりもフォーマルな格好でそんな格好もめちゃめちゃ似合ってていつもよりも緊張しているのか表情が硬い卯月。
どんな卯月も格好良くて綺麗で可愛くて。俺だけが知っていたはずの卯月の姿なんてみんなに知られて。

あぁ…やっぱりもう遠くに行ってしまった人。誰からも愛される人。そう思った。

まだ友達では居られると思ってた。でも出来そうにない。

痛い痛い痛い痛い…。
見たくない見たくない…


「ふーくん。降りておいでよ」

人の気も知らないで二人して呼ぶ。

聞きたくない。見たくない…でもここでみないという選択をすればきっと変に思われるのだろう。

「今行くから」

腫れた目が重い。でも行くしかない。

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