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第四話 廃神社
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2人が廃神社の下につくと、そこには見上げるほどの階段が上に永遠とのびていた。
「うっわぁ·····何段あるんだこれ·····」
綾人は絶望に顔を顰めると階段をのぼりはじめた。
2人はぜーはぁひーぜぇ言いながら階段を上がって行くと、鳥居には苔が生え雑草は2人の腰あたりまでのびているほほど荒れ具合の神社が現れた。
「荒れてるなぁ」
月見里は頭に手を当て辺りを見渡した。
「まぁ誰も手入れをしていなかったみたいだからな」
志鷹はそう言うとどこかにスタスタと向かいだした。
「お·····おいどこ行くんだよ」
慌てて綾人も志鷹に続き奥に一本道を歩いていくと、そこには大きなしめ縄が巻かれた大きな樹が紙垂を揺らしながら立っていた。そしてその樹の下には、男女の死体とその死体を見下ろす白いローブの男。そして、その遺体をむさぼり食う高校生ぐらいの男の子がいた。
「·····下がってろ」
志鷹は綾人を腕で制すると1歩前に出た。
「警察だ!何をしてる!」
志鷹が圧のある声を張り上げて言うと、ロープの男は振り返り2人を見ると、ニヤリと笑い何か青年に囁いた。すると、今まではこちらに見向きもしていなかった青年がゆっくりとこちらに振り返った。その姿は、まるで鬼のようで、目つきは鋭く頭から角が生え、牙が生えた口から唸り声をあげていた。青年は野獣のような声をあげ2人に駆け寄りその鋭い爪を立て志鷹の肩を切りつけた。
「っ!」
「志鷹さん!」
「大丈夫だ」
肩を抑えながら志鷹は言った。
(何か武器は·····)
綾人が辺りを見渡すと近くに、朽ちた境内の一部であろう太い木材を見つけた。
(よし!)
「志鷹さん。次、奴が来たら右に避けてあの木の棒を取ってきてください」
「何をする気だ?」
指さされた木の棒から綾人に志鷹が不審がるような視線を向けると、綾人は志鷹にニヤリと笑って見せた。その時、鬼は猿のようなに両手を地面につけたまま真っ直ぐ2人に走ってきた。鬼が届くかという時、綾人は地面の土を掴み鬼に向かって投げた。
「志鷹さん!」
「ぐわぁ」と叫ぶ鬼を見て綾人が叫ぶと志鷹は綾人が指さした方に走って行き木の棒を掴んた。
「探偵!」
志鷹はそう言い綾人に投げた木の棒は虚空を舞い、綾人の手におさまった。綾人は棒を両手で握りニヤリと笑った。
「さぁかかってこいや」
まるでその言葉に誘わるように、砂を投げらたことに対する怒りをぶつけるように、鬼は綾人に向かってきた。すると綾人は鋭い一撃を鬼の腹に喰らわせた。その強靭そうな体でも喰らわせた一撃が効いたのか、鬼はその場にうずくまった。
「やるなぁ」
そう言いながら志鷹は綾人に近づいた。
「一応、剣道で元副将してたんでね。で、どうします?」
ニヤリと笑ったあと真剣な表情になった綾人が訊ねた。
「逃げたいのは山々なんだが·····どうやらそうはさせてくれないみたいだ」
その言葉に後ろを見ていた志鷹の視線の先を見ると、そこにはまるで泥でできたような人形がゆらゆらと体を揺らしながら立っていた。
「奴さんは何が何でも俺たちを殺したいらしい」
そう言うとヒラリと襲ってきた土人形の腹に蹴りを喰らわせた。ズボッと穴が空いた土人形はサラサラサラと砂になりサーッと風に飛ばされていった。
「やりますね」
「ふっ」と志鷹は満更でなさそうに笑ったがすぐに真顔になった。
「探偵!」
しかしその声に反応した時には遅く、グチャっと嫌な音と共に綾人の腹に鬼の手が突き刺さった。
「ぐはッ!」
意識が朦朧としていく中で、綾人が最後に見たのは、鬼に首を掴み締めあがられる志鷹の姿だった。
(助けに·····行かねぇと·····)
しかし、血を失った綾人の意識はそこでストンと闇に落ちた。
「⋯さ⋯。き⋯す。⋯な⋯」
女性の事務的な声がする。
(·····誰·····だ·····。なんで·····泣いてる。·····ダメだ·····眠·····い·····)
綾人はそのまま眠りの闇に飲まれていった。
綾人の意識がグッと戻され目を開けるとそこには、あどけなさが残る青年が警察の制服を着て立っていた。
「あぁ。よかった気がついたんですね」
青年はホッとしたように言うと笑みを浮かべた。
「あれ·····俺·····」
体を起こし手を開いたりしていた。
「そこの甘美瑛さんが治してくれたんだ」
見ると志鷹がタバコを横で吸っていた。
「アマビエって·····まさか·····」
妖怪にそんな名前のやつがいたなと思いながら綾人が甘美瑛を見ると、甘美瑛はニコニコっと笑っていた。
「あの鬼は?」
「鬼なら鴉飛さんが倒しましたので安心してください。」
そう言い電話をしている青年を見た。
「ならよかった·····」
ホッとした時、もう1人の警察官が近づいてきた。
「お疲れ様です。鴉飛さん。本部からですか?」
すると、鴉飛と呼ばれた青年はスタスタと近づいてき、頷いた。
「とりあえず、明日にも本部に来てもらうように話してほしいそうです」
そう言うと困ったような顔をすると鴉飛は綾人と志鷹を見た。
「ということなので、上司が明日でいいのでこの警察署に来て話を聞きたいと言っていまして。お手数ですが来ていただけないでしょうか」
「まぁ·····俺たちも色々と聞きたいこともありますし」
そう言い甘美瑛をチラリと見ると、彼はニコニコと笑みを浮かべていた。
「そうだな」
そう言い志鷹はふぅとタバコの煙を吐いた。
「ありがとうございます。では明日こちらにお願いします」
志鷹が言うと、鴉飛は警察手帳を開きサラサラサラと何かを書き破ると2人にわたした。そこには「早瀬警察署」その早瀬警察署の住所と電話番号が書かれていた。
「では明日」
そう言い鴉飛は灰の塊がある場所に歩いて行った。甘美瑛も一礼するとそのあとに続いた。
2人の背中を見送った志鷹はタバコを加えたまま綾人に手を差し出した。その手を掴むとグイッと引っ張り綾人を立たせた。
「帰るか」
そう一言言うと志鷹は階段の方へ歩いて行った。綾人は振り返り何やら話している鴉飛と甘美瑛を見るがすぐに志鷹の後を追った。2人はまた長い階段を下っていった。
「うっわぁ·····何段あるんだこれ·····」
綾人は絶望に顔を顰めると階段をのぼりはじめた。
2人はぜーはぁひーぜぇ言いながら階段を上がって行くと、鳥居には苔が生え雑草は2人の腰あたりまでのびているほほど荒れ具合の神社が現れた。
「荒れてるなぁ」
月見里は頭に手を当て辺りを見渡した。
「まぁ誰も手入れをしていなかったみたいだからな」
志鷹はそう言うとどこかにスタスタと向かいだした。
「お·····おいどこ行くんだよ」
慌てて綾人も志鷹に続き奥に一本道を歩いていくと、そこには大きなしめ縄が巻かれた大きな樹が紙垂を揺らしながら立っていた。そしてその樹の下には、男女の死体とその死体を見下ろす白いローブの男。そして、その遺体をむさぼり食う高校生ぐらいの男の子がいた。
「·····下がってろ」
志鷹は綾人を腕で制すると1歩前に出た。
「警察だ!何をしてる!」
志鷹が圧のある声を張り上げて言うと、ロープの男は振り返り2人を見ると、ニヤリと笑い何か青年に囁いた。すると、今まではこちらに見向きもしていなかった青年がゆっくりとこちらに振り返った。その姿は、まるで鬼のようで、目つきは鋭く頭から角が生え、牙が生えた口から唸り声をあげていた。青年は野獣のような声をあげ2人に駆け寄りその鋭い爪を立て志鷹の肩を切りつけた。
「っ!」
「志鷹さん!」
「大丈夫だ」
肩を抑えながら志鷹は言った。
(何か武器は·····)
綾人が辺りを見渡すと近くに、朽ちた境内の一部であろう太い木材を見つけた。
(よし!)
「志鷹さん。次、奴が来たら右に避けてあの木の棒を取ってきてください」
「何をする気だ?」
指さされた木の棒から綾人に志鷹が不審がるような視線を向けると、綾人は志鷹にニヤリと笑って見せた。その時、鬼は猿のようなに両手を地面につけたまま真っ直ぐ2人に走ってきた。鬼が届くかという時、綾人は地面の土を掴み鬼に向かって投げた。
「志鷹さん!」
「ぐわぁ」と叫ぶ鬼を見て綾人が叫ぶと志鷹は綾人が指さした方に走って行き木の棒を掴んた。
「探偵!」
志鷹はそう言い綾人に投げた木の棒は虚空を舞い、綾人の手におさまった。綾人は棒を両手で握りニヤリと笑った。
「さぁかかってこいや」
まるでその言葉に誘わるように、砂を投げらたことに対する怒りをぶつけるように、鬼は綾人に向かってきた。すると綾人は鋭い一撃を鬼の腹に喰らわせた。その強靭そうな体でも喰らわせた一撃が効いたのか、鬼はその場にうずくまった。
「やるなぁ」
そう言いながら志鷹は綾人に近づいた。
「一応、剣道で元副将してたんでね。で、どうします?」
ニヤリと笑ったあと真剣な表情になった綾人が訊ねた。
「逃げたいのは山々なんだが·····どうやらそうはさせてくれないみたいだ」
その言葉に後ろを見ていた志鷹の視線の先を見ると、そこにはまるで泥でできたような人形がゆらゆらと体を揺らしながら立っていた。
「奴さんは何が何でも俺たちを殺したいらしい」
そう言うとヒラリと襲ってきた土人形の腹に蹴りを喰らわせた。ズボッと穴が空いた土人形はサラサラサラと砂になりサーッと風に飛ばされていった。
「やりますね」
「ふっ」と志鷹は満更でなさそうに笑ったがすぐに真顔になった。
「探偵!」
しかしその声に反応した時には遅く、グチャっと嫌な音と共に綾人の腹に鬼の手が突き刺さった。
「ぐはッ!」
意識が朦朧としていく中で、綾人が最後に見たのは、鬼に首を掴み締めあがられる志鷹の姿だった。
(助けに·····行かねぇと·····)
しかし、血を失った綾人の意識はそこでストンと闇に落ちた。
「⋯さ⋯。き⋯す。⋯な⋯」
女性の事務的な声がする。
(·····誰·····だ·····。なんで·····泣いてる。·····ダメだ·····眠·····い·····)
綾人はそのまま眠りの闇に飲まれていった。
綾人の意識がグッと戻され目を開けるとそこには、あどけなさが残る青年が警察の制服を着て立っていた。
「あぁ。よかった気がついたんですね」
青年はホッとしたように言うと笑みを浮かべた。
「あれ·····俺·····」
体を起こし手を開いたりしていた。
「そこの甘美瑛さんが治してくれたんだ」
見ると志鷹がタバコを横で吸っていた。
「アマビエって·····まさか·····」
妖怪にそんな名前のやつがいたなと思いながら綾人が甘美瑛を見ると、甘美瑛はニコニコっと笑っていた。
「あの鬼は?」
「鬼なら鴉飛さんが倒しましたので安心してください。」
そう言い電話をしている青年を見た。
「ならよかった·····」
ホッとした時、もう1人の警察官が近づいてきた。
「お疲れ様です。鴉飛さん。本部からですか?」
すると、鴉飛と呼ばれた青年はスタスタと近づいてき、頷いた。
「とりあえず、明日にも本部に来てもらうように話してほしいそうです」
そう言うと困ったような顔をすると鴉飛は綾人と志鷹を見た。
「ということなので、上司が明日でいいのでこの警察署に来て話を聞きたいと言っていまして。お手数ですが来ていただけないでしょうか」
「まぁ·····俺たちも色々と聞きたいこともありますし」
そう言い甘美瑛をチラリと見ると、彼はニコニコと笑みを浮かべていた。
「そうだな」
そう言い志鷹はふぅとタバコの煙を吐いた。
「ありがとうございます。では明日こちらにお願いします」
志鷹が言うと、鴉飛は警察手帳を開きサラサラサラと何かを書き破ると2人にわたした。そこには「早瀬警察署」その早瀬警察署の住所と電話番号が書かれていた。
「では明日」
そう言い鴉飛は灰の塊がある場所に歩いて行った。甘美瑛も一礼するとそのあとに続いた。
2人の背中を見送った志鷹はタバコを加えたまま綾人に手を差し出した。その手を掴むとグイッと引っ張り綾人を立たせた。
「帰るか」
そう一言言うと志鷹は階段の方へ歩いて行った。綾人は振り返り何やら話している鴉飛と甘美瑛を見るがすぐに志鷹の後を追った。2人はまた長い階段を下っていった。
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