呪鬼 花月風水~月の陽~

暁の空

文字の大きさ
11 / 11

エピローグ

しおりを挟む

千桜はぼーっと警察署から窓の外を見ていた。
 (なんか⋯まだ生き返って人間界に帰ってきたっう実感がないんだよなぁ)
 そんなこと考えていると、突風が吹き荒れた。驚き目を細めた時、白いふわふわした物が目の前で、困ったように目をキョロキョロしながは風に吹かれ一回転をしながら通り過ぎていった。
「?!」
 驚いた千桜は窓から身を乗り出し飛ばされていた方向を見るが、すでにその姿はなかった。
 (今の⋯⋯ってかアイツすっげー飛ばされてたが大丈夫なのか?)
  千桜はじっと白いふわふわが消えた方向を見た。
「ちょっ!先輩!何やってんですか!?」
その時、背後から慌てた声と共にグイッと首根っこを捕まれ窓の中に引っ張りこまれた。
「危篤状態から戻ってからなんか変ですよ!起きた時も異人がどーのとか話してたって聞きましたよ?おかしくなったからって早まらないでください!」
 そう言いながら後輩の高瀬は千桜を睨みつけた。
「おかしくなったってお前なぁ⋯。てか、それだから聞いたんだ?」
「え?妹さんですよ?」
 (千陽ちあきのやつ⋯)
 千桜は苦味つぶたような表情を浮かべたあとにため息をつくと高瀬に視線をむけたた。
 「別に飛び降りたりしねぇよ。ただ⋯いじ⋯いや、なんか白いもんが飛んできたから何かなぁって見ただけだよ」
「もーびっくりさせないでくださいよ!ほら、会議いきますよ」
 そう言う高瀬に千桜は「えへへ」と笑って見せた。
「すまん!机に資料を忘れてきちまったから先行っててくれ」
「わかりましたが⋯本当に飛び降りないでくださいよ?」
「だからしねぇーよ!」
「なら一緒にいき⋯」
「だぁぁぁ!大丈夫だから先行ってろ!」
 また睨みつける高瀬に千桜は叫ぶと部屋の出口を指さした。高瀬は渋々、会議室に向かうが、彼の信用がないのか出口に向かう間に何回も千桜の方を振り返ってきた。その度に千桜は苦笑いしなから、早く行けとシッシッと手を振り自分のデスクに行った。机の上の書類を手にし会議室に向かおうとするが、クルリと向き直り、デスクの引き出しをあけ中から白に金色の糸で神社の名前が刺繍されたお守りを取り出した。そして、お守りをスーツの胸ポケットにしまうと、ポンポンと軽く叩くとデスクの引き出しを閉め足早に会議室に向かった。

 ~完~
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。 その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。 そこで待っていたのは、最悪の出来事―― けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。 夫は愛人と共に好きに生きればいい。 今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。 でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。 妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。 過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...