琥珀の灯火を抱く少年と、誓いに囚われた騎士

大城トモ

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第一章「利用される者、する者」

王家の真実 ~著:エルドリク・カストル~ 後編

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ーーー


民の暴動が起きた


~エルドリク・カストル



ーーー


セヴァリウス様の怒号が飛ぶようになり、国は荒れ始めていた
そして、昨日、民の暴動が起きた。

何とか、騎士団で追い返すことができたが、このままではもっと大きな暴動が起きてしまう。
王よ、あなたは何と戦っておられるのですか
あなたのお傍で、あなたの考えておられることを聞きたい。

神官のアモンが王の傍を離れない。
なんでも神託が下っているのだという。

王の傍にいるべきは神官だと
騎士が傍にいるとアンブラリア王国は破滅すると

そんなはずがない。




あの神官、アモンはいつからこのアンブラリア王国にいた?


~エルドリク・カストル



ーーー


再び暴動が起きた、
前回とは比べものにならないくらいの大きさだ。
私も今から向かう。
王を守る


~エルドリク・カストル



ーーー







血が滲むページをめくる。






ーーー

アンブラリア王家の皆様が、民によって捕縛された
王家の皆様をお守りしなければならない立場だが
久しぶりにお会いしたセヴァリウス様に言われたのだ

仕組まれた

とただ一言。
暴かなければいけない。
でなければ、セヴァリウス様は、王家の皆様は


処刑されてしまう


~エルドリク・カストル



ーーー


「アンブラリア王国、現国王セヴァリウス・アンブラリアの名のもとに。民たちの未来が潰えないことをここに誓う。」


王の言葉を後世に残さねばならない。必ず。
そしてこの手記はアモンに見つかってはならない。
やはり、仕組んだのはあいつだった。
神官アモン、そしてアモン率いる宗教団体「ノーバイデン教」

王がいなくなった今、このことを伝えられるのは私だけだ。
私だけがアンブラリア王家を取り戻すことができるかもしれない。

なぜなら、首飾りが見つかっていない。
アンブラリア王国を建国からずっと共に見ていた琥珀の首飾りが見つかっていないのだ。


王妃が処刑される瞬間、私の姿を見つけた。
その時に私にだけ伝わるように声には出さず、口の動きだけでこう言ったのだ


「みつけて」


その言葉を最後に、王妃の首は地面を転がった。
そして、後を追うように、王家皆さまの首が地面に転がった。
その瞬間、民たちは歓声をあげていた。

狂っている
この国は狂っている


~エルドリク・カストル



ーーー


あれから、私も処刑されるかと思っていたが、まったく予想もしていない流れとなった。
カストル家は元々王家に騙されて仕えていたということになっていた。
どこでそうなったのか、私にもわからない。
もう王国の中は私たちでは手を出せないほど、ノーバイデン教によって支配されている。

アモンが私に言ってきた。
「カストル家の皆々様もお辛いでしょう。ですが、ご安心なさい。神はあなたたちのことを救ってくれます。あの暴君のことは忘れ、新たなアンブラリア王国でその腕を使ってください」

ふざけている。
誰が神のために動くものか。
しかし、今は従っていた方がいいだろう。

琥珀の首飾りを見つけるまでは


~エルドリク・カストル



ーーー



パタリと本を閉じる音だけが部屋に響いた。
結局この歴史書、いや手記を読み終わるのに七日ほど日数を費やした。
もともとは文字を読むためにという名目でこの歴史書を開いたわけだが、読み進めているうちに本来の目的が違うということが分かった。

この本を読んで、そして、俺がどういうことに利用されようとしているのかを知らしめるためだった。

王家の死は仕組まれたものだった。
この著者は、レオヴィクの爺さんのものだそうだ。
代々アンブラリア王家に仕えていた一族で、レオヴィクは4代目だという。
ヨハンがそう教えてくれた。

「リオ様、まだ読んでいただきたい部分などはあるのですが、そろそろレオヴィク様が戻られるようですので、本日はここまでといたしましょう」

ここまでといいつつ、もうほとんど見せたい部分は俺に読み聞かせ終わっているのだろう。
結局俺は、琥珀の首飾りを付けているからここにいる、ということを改めて実感した。
だが、実感しただけでまだ理解はできていない。


俺は一体……誰なんだ?


親も、兄弟がいるかも何もわからない状態で、俺がアンブラリア王家に関係した人間なのかも怪しい。
もしかしたら、まったく関係ない人間の可能性だってある。
巡り巡って、俺のところに来ただけという可能性も。


「ヨハン、ありがとう。今日はもう休んでいいぞ」

「ありがとうございます。ではお先に失礼いたします」

いつの間にかレオヴィクが戻ってきていた。
レオヴィクと交代するようにヨハンが部屋から出ていく。

「さて、リオ。話をしようか」


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