4 / 9
第4話 異世界ヤンキーオーク、コンビニを溜まり場にするの巻 ①
しおりを挟む
日本のどこにでもある地方都市の片隅。
二十四時間、不夜城のように街を照らす「コンビニ・アイザワ」の店内は、深夜勤務明けの気だるい空気に包まれていた。
時計の針は午前七時を回ったところだ。
「んっ……ふぅ、あんっ♥」
早朝の静寂を切り裂く、あまりにも甘ったるい吐息。
「んっ♥ あんっ♥」
副店長のオレ、愛沢カズヤ(17歳)は、品出しの手を止めてレジカウンターに視線を向け――そして、絶句した。
「母さん……。その制服、やっぱりきつい気がするんだけど……」
「そうなのよぉ~。きつくてきつくて」
きついとかいうレベルを越えて、狭い場所に入る奇術(マジック)みたいに、爆乳を制服に収納している。
童顔で、おっとりとした性格。トロンとした垂れ目がいつもウルウルときらめいている。
オレが子供の時から見た目が変わらない。永遠の十代、ファンタジーゲームの中のエルフのお姫様のような人だ。
お淑やかな顔とは真逆の、暴力的なまでの超爆乳の持ち主である。
コンビニチェーン指定の制服(最大サイズ)は、母さんの豊満すぎる肉体を収めるにはあまりにも脆弱だった。
胸元のボタンは悲鳴を上げ、生地は限界まで引っ張られ、双丘のラインを露骨に浮き彫りにしている。少しでも動けば、弾け飛んだボタンが散弾銃のように客を襲うだろう。
「これでもダイエットしたのに~」
どこがだよっ!!
――と言いたいけど言わない。
母さんに嫌われたくないから……。
「エリアマネージャーにもう少し大きいサイズ頼んだら?」
「前に頼んだのがこれなのよぉ」
母さんが、眉毛を下げて苦笑い。
「えぇ……」
母さんのおっぱい、日に日に大きくなってる……。
作業するたびに、たぷん、たぷん、と重厚な揺れが視界を襲う。
俺は頭を抱えた。
蒸発した親父の代わりに店を継いだまではよかったが、従業員がこの見た目が美少女の義母と、個性強すぎな三人の義姉妹たちだ。
俺の理性は、いつまで持つのだろうか。
「さあ、そろそろ通勤通学客が来る時間ね。今日も一日、頑張りましょう」
「……はい」
俺はため息をつきながら返事をし、ガラスの向こうを見る。
いつもなら、そこには見慣れた住宅街のアスファルトと、通勤通学の風景が広がっているはずだ。
しかし――
視界に飛び込んできたのは、鬱蒼と茂る原生林と、地平線まで続く草原。そして石畳の街道。
「――ブモォ?」
入り口を塞ぐように立っていたのは、身長二メートルを超える緑色の肌の巨人――オークの集団だった。
「は?」
カズヤの体が硬直する。
オークたちは、粗末な革鎧を身にまとい、手には錆びついた斧や棍棒を持っている。鼻息が荒く、獣臭い。どう見てもハロウィンの仮装ではない。本物のモンスターだ。
「な、なんだここは……? 見たことのない結界(ガラス)だ」
「おい、いい匂いがするぞ。食い物があるんじゃねえか?」
オークたちが濁った声でうなり、ドシドシと店内へ足を踏み入れる。
その瞬間、頭上のスピーカーから軽快なメロディが流れた。
――チャララララ、ラララララン♪
コンビニでお馴染みの入店音(チャイム)だ。
殺気立っていたオークたちが、ビクリと肩を震わせた
「な、なんだこの音は……! 精神に直接響いてきやがる!」
「兄貴、罠だ! これは大昔に100年ほど続いた魔物と人間の和平の時代。その時に生まれた魔法『平和協定の鐘(戦意喪失効果)』の音色に似てやがる……!」
オークたちが狼狽し、武器を構えたまま立ち止まる。
俺は腰を抜かしそうになりながらも、必死に状況を分析し打開しようと思考をめぐらす。
どうやら彼らにとって、ファ○マ的なあの入店音は、なにやら高尚な魔術的儀式の開始合図か何かに聞こえたらしい。
「か、母さん、下がってて! 警察……いや、自衛隊を呼ばないと……!」
俺は震える手でスマホを取り出したが、圏外表示が無情にも点滅していた。
その時だ。
コンビニの隅っこにあるイートインコーナーで椅子を3つ並べて寝ていた少年剣士がムクッと起き上がる。(こいつ帰らなかった)
「やかましいぞ。爽快な朝から騒音など無粋である」
二十四時間、不夜城のように街を照らす「コンビニ・アイザワ」の店内は、深夜勤務明けの気だるい空気に包まれていた。
時計の針は午前七時を回ったところだ。
「んっ……ふぅ、あんっ♥」
早朝の静寂を切り裂く、あまりにも甘ったるい吐息。
「んっ♥ あんっ♥」
副店長のオレ、愛沢カズヤ(17歳)は、品出しの手を止めてレジカウンターに視線を向け――そして、絶句した。
「母さん……。その制服、やっぱりきつい気がするんだけど……」
「そうなのよぉ~。きつくてきつくて」
きついとかいうレベルを越えて、狭い場所に入る奇術(マジック)みたいに、爆乳を制服に収納している。
童顔で、おっとりとした性格。トロンとした垂れ目がいつもウルウルときらめいている。
オレが子供の時から見た目が変わらない。永遠の十代、ファンタジーゲームの中のエルフのお姫様のような人だ。
お淑やかな顔とは真逆の、暴力的なまでの超爆乳の持ち主である。
コンビニチェーン指定の制服(最大サイズ)は、母さんの豊満すぎる肉体を収めるにはあまりにも脆弱だった。
胸元のボタンは悲鳴を上げ、生地は限界まで引っ張られ、双丘のラインを露骨に浮き彫りにしている。少しでも動けば、弾け飛んだボタンが散弾銃のように客を襲うだろう。
「これでもダイエットしたのに~」
どこがだよっ!!
――と言いたいけど言わない。
母さんに嫌われたくないから……。
「エリアマネージャーにもう少し大きいサイズ頼んだら?」
「前に頼んだのがこれなのよぉ」
母さんが、眉毛を下げて苦笑い。
「えぇ……」
母さんのおっぱい、日に日に大きくなってる……。
作業するたびに、たぷん、たぷん、と重厚な揺れが視界を襲う。
俺は頭を抱えた。
蒸発した親父の代わりに店を継いだまではよかったが、従業員がこの見た目が美少女の義母と、個性強すぎな三人の義姉妹たちだ。
俺の理性は、いつまで持つのだろうか。
「さあ、そろそろ通勤通学客が来る時間ね。今日も一日、頑張りましょう」
「……はい」
俺はため息をつきながら返事をし、ガラスの向こうを見る。
いつもなら、そこには見慣れた住宅街のアスファルトと、通勤通学の風景が広がっているはずだ。
しかし――
視界に飛び込んできたのは、鬱蒼と茂る原生林と、地平線まで続く草原。そして石畳の街道。
「――ブモォ?」
入り口を塞ぐように立っていたのは、身長二メートルを超える緑色の肌の巨人――オークの集団だった。
「は?」
カズヤの体が硬直する。
オークたちは、粗末な革鎧を身にまとい、手には錆びついた斧や棍棒を持っている。鼻息が荒く、獣臭い。どう見てもハロウィンの仮装ではない。本物のモンスターだ。
「な、なんだここは……? 見たことのない結界(ガラス)だ」
「おい、いい匂いがするぞ。食い物があるんじゃねえか?」
オークたちが濁った声でうなり、ドシドシと店内へ足を踏み入れる。
その瞬間、頭上のスピーカーから軽快なメロディが流れた。
――チャララララ、ラララララン♪
コンビニでお馴染みの入店音(チャイム)だ。
殺気立っていたオークたちが、ビクリと肩を震わせた
「な、なんだこの音は……! 精神に直接響いてきやがる!」
「兄貴、罠だ! これは大昔に100年ほど続いた魔物と人間の和平の時代。その時に生まれた魔法『平和協定の鐘(戦意喪失効果)』の音色に似てやがる……!」
オークたちが狼狽し、武器を構えたまま立ち止まる。
俺は腰を抜かしそうになりながらも、必死に状況を分析し打開しようと思考をめぐらす。
どうやら彼らにとって、ファ○マ的なあの入店音は、なにやら高尚な魔術的儀式の開始合図か何かに聞こえたらしい。
「か、母さん、下がってて! 警察……いや、自衛隊を呼ばないと……!」
俺は震える手でスマホを取り出したが、圏外表示が無情にも点滅していた。
その時だ。
コンビニの隅っこにあるイートインコーナーで椅子を3つ並べて寝ていた少年剣士がムクッと起き上がる。(こいつ帰らなかった)
「やかましいぞ。爽快な朝から騒音など無粋である」
0
あなたにおすすめの小説
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした
むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。
配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。
誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。
そんなホシは、ぼそっと一言。
「うちのペット達の方が手応えあるかな」
それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる